• 2025/10/27 掲載

もはや「話し方」にもAI格差が……進化した“AIコーチ”でプレゼン・面接も怖くない(3/3)

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最新技術で表情も声も丸ごと解析、印象評価をするAIコーチ

 日本のAI面接対策ツールに、さらに高度な技術を投入したプレイヤーが参入した。CACが開発した「カチメン!」は、表情と音声を同時に分析するアプローチで、ほかのツールと一線を画す。

 最大の特徴は、世界最高水準の2つのAIエンジンを組み合わせた点にある。表情感情分析AI「Affdex(アフデックス)」は、990万件以上の表情データと、心理学界で標準とされるFACS理論に基づき、12種類の感情値と23種類の表情値を数値化。一方、音声感情解析AI「Empath(エンパス)」は、言語に依存せず声の物理的特徴から「喜び」「平常」「怒り」「悲しみ」「元気度」の5指標を分析する。

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グラフで過去の実績も確認できる

 この2つの分析が生み出す価値は大きい。たとえば、言葉では前向きな内容を話していても、表情が硬く声に抑揚がない場合、面接官に与える印象は決して良くない。「カチメン!」は、こうした「内容」と「印象」のギャップを可視化し、具体的な改善策を提示する。

 開発背景にも日本企業ならではの視点がある。文化放送キャリアパートナーズの調査で、就活生の32.4%が面接対策を「最も不安」と回答したデータに着目。「面接練習の相手がいない」「適切なフィードバックがもらえない」という声に応えるべく、1人で完結できるソリューションを目指した。

 機能面では、仮想面接官との模擬面接練習に加え、「選考動画分析機能」が秀逸だ。近年増加する動画選考に対応し、事前に撮影した動画をアップロードすると、AIが表情と音声を分析し、複数の動画から最適な一本を選ぶ際の客観的な判断材料を提供する。

 社会的な評価も上々だ。東海大学、明治大学、電気通信大学の学園祭で体験会を実施したところ、「自分の表情に自信が持てた」という声が寄せられた。日経トレンディ(2024年1月号)でも先端技術として取り上げられ、注目度は着実に高まっている。

 料金体系は一部無料で利用可能、有料プランではすべての機能が使えるフリーミアムモデルを採用。今後は大学や就職エージェント向けのOEM提供も視野に入れており、B2B展開も期待される。

 4つのAIツールを見てきたが、それぞれが異なる強みを持つ。

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発声から印象分析まで。“話す力”を鍛えるAIツールはここまで多様に

 個人練習を重視するなら「Vocal Image」、実戦での改善なら「Yoodli」、日本の就活に特化するなら「steach」、そして表情と音声の総合分析なら「カチメン!」。自分の課題と目的に合わせて、最適なツールを選ぶ時代が到来した。

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