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- 2025/10/29 掲載
AWS障害で評価爆上げ? 時代遅れの「メインフレーム」、実は「年6%市場成長」のワケ
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経済・エネルギー・企業分析などの記事執筆と翻訳が得意分野。国際政治をはじめ、子育て・教育・司法・犯罪など社会の分析も幅広く提供する。「時代の流れを一歩先取りする分析」を心掛ける。
メインフレーム市場「2030年1兆円市場」へ
現在でもクレジットカード取引処理の70%、保険金申請手続きの70%がメインフレームで処理されている──マイクロソフト・クラウドのラビ・コハー事業本部長(副社長)が2024年11月のウェビナーで明らかにした数字だ(図1)。
クラウド全盛時代において、メインフレームの世界市場は2025年に53億ドル(約8,000億円)規模と大きく、北米がその4割を占める(図2)。また、2030年までに年率6%の成長が予想されているのも注目点だ。
これは、銀行の勘定系をはじめとするミッションクリティカル領域の業務を安全かつ迅速に、間違いなく処理したいという根強いニーズがあることに他ならない。ミリ秒単位での膨大な数の応答が求められるクレジットカードの認証処理はもちろんのこと、不正検知やマネーロンダリング対策などの分野において、コストは高いもののメインフレームは高速大量処理に向いており、頼もしいシステムであることに変わりはない。
AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといったといった大手クラウドサービスはいずれも信頼性は極めて高い。しかし今回のAWSの大規模障害のように、落ちる時は落ちる。そのたびに、クラウドに過度に依存するリスクが浮き彫りにされる。
【次ページ】メインフレームvsクラウド:特徴を徹底比較
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