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  • 2008/10/16

改めて注目されるユニファイド・コミュニケーションとは?(前編)【2分間Q&A(48)】

SIPサーバ、コミュニケーションサーバ、ワイヤレスネットワーク、VPNなどのインフラ、各種アプリケーションの統合

ユニファイド・コミュニケーション(統合コミュニケーション環境)がようやく脚光を浴びつつある。ユニファイド・コミュニケーションとは、さまざまなICT技術を統合し、企業におけるコミュニケーションの仕組みを変革するソリューションだ。本稿ではまず、ユニファイド・コミュニケーションの基本的な概念から見ていくことにしよう。

池田冬彦

池田冬彦

AeroVision
富士総合研究所(現みずほ情報総研)のSEを経て、出版業界に転身。1993年からフリーランスライターとして独立しAeroVisionを設立。以来、IT系雑誌、単行本、Web系ニュースサイトの取材・執筆やテクニカル記事、IT技術解説記事の執筆、および、情報提供などを業務とする。主な著書に『これならできるVPNの本』(技術評論社、2007年7月)、『新米&シロウト管理者のためのネットワークQ&A』(ラトルズ、2006年5月)など多数。

なぜ、ユニファイド・コミュニケーションなのか?

 近年、ユニファイド・コミュニケーションという言葉が注目されている。だが、その具体的な内容はベンダーやサービスプロバイダによって微妙に異なっており、定義についても見解が分かれている。IT調査会社のIDCによれば、「“画像”“音声”“データ”の3つのコミュニケーション手段を使い分けることで、コミュニケーションの効率化/高度化を図る手法」として、「UCプラットフォーム市場」「UCアプリケーション市場」「UCサービス市場」の3つに大分類している。また、NRI(野村総合研究所)によれば、「複雑化した多様なコミュニケーション・メディアを、各々の長所を活かしつつ一つのシステムに統合(Unified)し、シームレスかつスムースに活用できるようにするソフトウェア技術」と定義されている。こうした各社の定義を総合的に俯瞰すると、ユニファイド・コミュニケーションは特定の技術やソリューションを指す言葉ではなく、新たな企業戦略構築の上で必要となるコミュニケーション戦略のためのコンセプト、および実現のための手法の総称だと言うことができるだろう。そのため本稿ではこの意味でユニファイド・コミュニケーションという言葉を使うことにする。

 企業にとって、ビジネス・コミュニケーションの活性化・効率化は新たな企業戦略を形作る上で非常に重要な問題だ。だが、現実のコミュニケーションは複雑化の一途を辿っている。コミュニケーションの手段は、メール、携帯電話、インスタントメッセンジャー、Web会議システムなど多様化し、このような情報ツールが増えれば増えるほど、社員の負担は増大していく。また、これらのツールの特性に応じて適時使い分ける面倒さも生じてくる。

 このような複雑な状況は、単にコミュニケーションツールを導入しただけでは解決しない。インスタントメッセンジャーやVoIP電話、スマートフォン、会議システムなど、新たなツールが導入されるたびに、社員は新たなデバイスの管理やアカウント管理の負荷がかかり、多種多様な情報チャネルから入ってくる情報に応えていかなくてはならないのである。この問題を抜本的に解決し、実際のビジネスの効率化や生産性の向上を実現させようとするのがユニファイド・コミュニケーションの考え方だ。

図1 ユニファイド・コミュニケーションの概念
図1 ユニファイド・コミュニケーションの概念
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ユニファイド・コミュニケーションの意味

 この具体的なソリューションには、メールサーバはもちろんのこと、音声・データの統合のためのSIPサーバやコミュニケーションサーバ群、そして、ワイヤレスネットワーク、VPNなどのインフラ、各種アプリケーションとの統合などが挙げられる。

 たとえば、ある社員が別の支店にいる社員に連絡する場合を考えてみよう。今すぐレスポンスが欲しい用件の場合は、音声通話が一番だ。まず、電話でオフィスに電話をかける。だが、不在だった場合は、携帯電話に連絡しなければならない。だが、統合されたコミュニケーション環境であれば、相手の社員がオフィスの電話を不在のステータスにしておくだけで、自動的に携帯電話に転送され、迅速にコミュニケーションがとれる。携帯電話も繋がらない場合はボイスメールを入れておくことができる。

 もちろん、これだけでは、従来IPテレフォニーを基盤とする「ユニファイド・メッセージング」と呼ばれていたものと変わりはない。ユニファイド・コミュニケーションは、単なるメッセージングシステムの統合に留まらず、あらゆる業種に向けた業務プロセスの改革をもたらす。

 たとえば、ある大手自動車販売会社では、IPテレフォニー基盤とCRMシステムとを連携し、取引履歴のある顧客から着信するとその情報がすぐに画面に表示され、顧客満足度の向上を達成した。また、担当者が不在の場合は携帯電話へ自動的に転送され、サービスを迅速に提供できるようになった。もちろん、本社・店舗間の電話はIP化され、通話コストも大幅な削減も達成した。

図2 IPテレフォニーとCRMシステムとの連携によるユニファイド・コミュニケーションの構成例
図2 IPテレフォニーとCRMシステムとの連携によるユニファイド・コミュニケーションの構成例
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顧客は担当者の電話番号さえ知っていれば、担当者がどこにいても迅速にコミュニケーションでき、社内担当者は顧客情報を着信時に入手できる


 これは、成功事例の1つだが、注目すべきは、単なるIPテレフォニーソリューションに留まらず、業務アプリケーションとの統合により、具体的なサービスが提供されていることだ。このようにユニファイド・コミュニケーションは、単なるIPテレフォニー・ソリューションにとどまらず、アプリケーションと有機的に結びつき、大きな成果をもたらすものと言える。ここでは詳細を控えるが、在宅勤務やオフィスのフリーアドレス化にも欠かせない要素である。

図3 ユニファイド・コミュニケーションによる在宅勤務、フリーアドレスの実践イメージ
図3 ユニファイド・コミュニケーションによる在宅勤務、フリーアドレスの実践イメージ
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社員は単独の電話番号を持ち、PCと携帯電話(IPフォン)さえあればどこに居てもコミュニケーションが可能で、社内外の区別なく仕事を遂行できる

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