- 2025/12/18 掲載
Amazon、AI戦略のリーダーシップを大幅再編、次世代AI開発組織を強化
AIモデル、カスタムAIチップ、量子コンピューティングなど最先端技術の開発を一体的に推進する新組織
これまでAmazonの人工汎用知能(AGI)チームを率いてきたロヒット・プラサド(Rohit Prasad)シニア・バイス・プレジデント兼チーフサイエンティストが2025年末をもって会社を退職することが発表された。プラサドは2013年にAmazonに入社し、Alexaボイスアシスタントの開発やNova AIモデル群の立ち上げを主導したが、最新のAIベンチマークに対しては批判的な発言もしていた。
後任として、Amazon Web Services(AWS)で長年インフラストラクチャーやデータセンターを統括してきたピーター・デサンティス(Peter DeSantis)が、新設される広範なAI・チップ・量子コンピューティング統括部門の責任者に就く。デサンティスはAmazonで約27年にわたる豊富な経験を持ち、以前はAWSの基幹技術を率いてきた。
さらに、AI研究者ピーテル・アベール(Pieter Abbeel)がフロンティアAIモデル(最先端大型言語モデルなど)の研究チームのトップに就く。アベールはロボティクス企業Covariantの共同創業者として知られ、昨年Amazonに参加している。
CEOアンディ・ジャシーは社内メモや外部発信で、この再編を「転換点」と位置づけ、AI技術や関連インフラストラクチャー開発を統一的に加速させる必要性を述べた。Amazonはクラウドサービス事業で高い市場シェアを持つものの、AIモデルとAIチップの分野ではGoogleやMicrosoft、OpenAIなど競合他社に遅れを取っているという見方がある。
今回の組織変更はAIに対する戦略的投資を強化する一環として位置づけられ、AIモデル開発、AI専用チップ(Graviton、Trainium、Nitroなど)、量子コンピューティングといった複数の最先端技術が統合的に管理される体制が整えられる。社内では同時に複数の人事異動や役職変更も進行している。
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