- 2025/12/27 掲載
富士通がエヌビディアとの協業でフィジカルAIとAIエージェントを連携する「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」開発
富士通のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」とLLM「Takane」をベースとした AIエージェントを用いた特化型ソリューション
「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」の中核となるのは、マルチAIエージェントフレームワークで、機密性の高い業務ワークフローの自動化をセキュアに実行できる機能を備えている。富士通のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」と連携し、GUIベースのビジュアル設計インターフェースからワークフローを構築することが可能で、異なるAIエージェントやベンダー製エージェントを安全に接続する「セキュアエージェントゲートウェイ」も統合されている。また、富士通の大規模言語モデル「Takane」をベースとしたAIエージェントを用いた特化型ソリューションを提供する。
リリースでは、企業の購買部門に向けた調達業務を自動化する3種類の特化型AIエージェントが紹介されている。帳票理解エージェント、購買規約解析エージェント、適合チェックエージェントの各AIは、それぞれ帳票の構造理解、購買規約のチェック用プロンプト生成、構造化データを使った規約適合チェックを行う機能を持つ。これらを組み合わせることで、社内の発注確認業務において工数削減約50%の効果が確認されたと報告されている。さらに、エヌビディアのNIM対応により推論速度を約50%向上させる見込みも示されている。
現時点で企業のAIエージェント活用は部分的な業務適用にとどまり、複雑なワークフローや組織横断的な調整には十分に進展していない現状がある。「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」では機密性を確保しつつ、多様なエージェントを統合することが可能となる。さらにPhysical AI領域においても、ロボットを含む複数のシステムが協調しながら高度なタスクを実行するための安全かつ保守性の高いフレームワークとしての拡張を目指すとしている。
富士通は今後、本技術を順次発展させる計画としており、2025年度内にAIが自律的に学習・進化する機能を持たせる方向で開発を進めるとしている。また、AIエージェントとロボットが密に連携するフィジカルAI領域への拡張に取り組み、現実世界での協調動作を可能とする環境形成を目指すと説明している。
今回の発表は、企業の高度な業務プロセスにAIエージェントを統合し、物理世界とデジタルAIをつなぐ技術基盤として位置づけられており、AIの実業務応用をさらに深化させる動きとして注目される。
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