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- 2026/02/24 掲載
人気再燃?ミスドが「V字回復」遂げた理由、マクドナルドと重なる“戦略転換”の成果
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
国内で1強のミスドの原点
ミスタードーナツはエアコンクリーニングを主力とするダスキンが運営する。まったくの異業種だが、ダスキンの創業者が訪米した際、現地のミスドに感銘を受けたとされ、1971年に国内1号店を出店した。国内ではミスド1強だが、米国では「ダンキンドーナツ」が強く、ミスドは1店舗しかない。国内ではFC(フランチャイズ)方式で店舗数を増やした。店舗のほとんどがFCであり、ダスキンはロイヤリティと原材料の販売で収入を得ている。フランチャイジーには、クリーニング事業とミスド事業の両方に加盟する企業も存在する。国内に有力な競合も存在せず、ミスドは1987年に500号店を出店し、1997年には1000号店を出店した。
2006年に「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が日本に上陸したが、100店舗を超えず、競合とはならなかった。甘すぎる味付けが日本の消費者に受けなかったと言われている。また、1個あたり200円前後で提供しており、当時100円台前半のミスドに価格面でも優位性を発揮できなかった。
「環境の変化」への対応が遅れ、失った客層
しかしミスドも2010年代に苦戦する。店舗数は2013年のピークから減少し続け、2021年の平均稼働店舗数は964店舗となった。2013年3月期の決算資料によると、主要客である30~40歳代主婦の来店頻度が低下していたという。少子高齢化や単身世帯・働く女性の増加など、環境の変化への対応が遅れたことが理由だと別誌の取材別誌の取材で語っている。
ミスドはもともとファミリー層に強い業態であり、少子高齢化は要因の1つと考えられる。店舗数減少と共に、本部のロイヤリティ・原材料売上も減少し、ダスキンのフードグループ事業の業績は低迷した。
集客戦略の一環としてミスドは、2016年まで「100円セール」を実施した。月に1~2回程度、定番ドーナツの価格を税抜100円にするという施策である。だが、売上・店舗数が減少しているように、数字には効果が現れなかった。
定期的なセールは宣伝効果を発揮する一方、「セールの時だけ来店する」客層を生み出してしまった。彼らは通常時に来店しないため、結果的に店舗の客単価を減らし、利益を圧迫した可能性が高い。 【次ページ】業績回復のきっかけは、店舗の“ある変化”
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