• 2026/02/20 掲載

米国防総省がアンソロピックとの関係解消を検討 AIの軍事利用制限を巡り対立

アンソロピックが完全自律型兵器や大規模な国内監視への利用に難色、米国防総省はサプライチェーンリスクに指定も

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米国防総省が人工知能企業アンソロピックとの関係解消を検討していることが明らかになった。同省は軍のシステムにおいて人工知能をあらゆる合法的な目的に使用できるよう制限撤廃を求めているが、アンソロピックは完全自律型兵器や大規模な国内監視への利用に難色を示している。数カ月にわたる交渉は平行線をたどっており、同省は同社をサプライチェーンリスクに指定する措置も視野に入れている。
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(画像:ビジネス+IT)
 米国防総省は現在、軍の機密ネットワーク内で人工知能ツールの利用拡大を進めている。同省はアンソロピックやオープンエーアイなどの人工知能企業に対し、自社の技術をあらゆる合法的な目的で利用できるよう要求している。この要求には兵器開発や情報収集、戦場での作戦行動などが含まれており、企業が独自に定めている民間向けの安全制限を撤廃することが求められている。
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【画像付き記事はこちら】AIの倫理と軍事利用の対立(図版:ビジネス+IT)

 アンソロピックは自社のモデルであるクロードについて、人間の介在なしに攻撃を実行する完全自律型兵器や、大規模な国内監視活動への利用には難色を示している。同社はこれらの分野で厳格な制限を維持するよう主張しており、制限の扱いを巡る国防総省との交渉は数カ月にわたり平行線をたどっている。

 対立の背景には、アメリカ軍がベネズエラのマドゥロ前大統領を拘束した作戦で、データ分析企業を通じてクロードが使用されたとの報道がある。アンソロピックは特定の作戦での利用について協議した事実はないとしつつ、自律型兵器などに関する利用規定を見直していることは認めている。

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AnthropicはAI憲法でAIの殺人兵器や米国民の監視活動への利用を禁止している(画像:ビジネス+IT)

 事態の打開が見えない中、国防総省の高官は最大で2億ドルの価値があるとされるアンソロピックとの契約を打ち切る方針を検討している。さらに同省は、アンソロピックを安全保障上のサプライチェーンリスクに指定する措置も視野に入れている。この指定が行われた場合、国防総省と取引を行う民間企業は業務において同社の技術を利用できなくなる。同社のシステムは多数の企業に導入されており、影響は広範な産業界に波及する。

 国防総省は並行して他社とも交渉を進めている。同省の担当者によれば、他の開発企業は制限の緩和に対して柔軟な姿勢を示している。一方でクロードは現在、アメリカ軍の機密システム内で稼働する唯一のモデルであり、契約を打ち切った場合、国防総省は同等の代替技術を確保しなければならない課題に直面する。最先端技術を国家の安全保障にどう組み込むかについて、企業の倫理規定と政府の要求のすり合わせは難航している。

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