- 2026/04/14 掲載
「儲かる地域」はこう見つける、デジ庁の「地域幸福度」で“50億円市場”を探す方法(2/2)
こんな使い道も…ビジネスを加速させる賢い活用方法
地域幸福度指標を活用できるビジネスは、大きく「自治体を支援するビジネス」と、「民間独自のビジネス」の2つに分けられます。前者は、自治体が総合計画などを作成する際のコンサルティングを提供するようなパターン。後者は、自治体とは関係なく、民間企業が独自に商品・サービスを作り出したり、販売したりする上でデータを活用するパターンが考えられます。
自治体支援型では、たとえば地域課題を地図上で可視化するサービスの構築や、“幸福度”を伝えていくゲームの提供、民間意見を集約するプロセスなどで民間事業者と連携する状況において、指標を活用するといった選択肢が挙げられます。
一方で、民間側でも、指標をビジネスに活用できる可能性があります。現時点では、自らのビジネスが地域にもたらす直接的、間接的な好影響を可視化したり、それをアピールしたりする際の活用が想定されています。
たとえば、不動産や地域ブランドに関係する「資産価値」の評価です。一般的に不動産価値は、駅からの距離に左右されがちですが、指標を活用することで、地域のつながりや安心・安全といった“共助感”を含めた価値を見える化しやすくなるでしょう。
地域交通に関わる事業者にとっては、単に利便性だけではなく、つながりや健康への好影響を含め、地域の「幸福度」の向上に貢献していることをアピールできる可能性があります。
スーパーマーケットなどの小売店でも、“物を売る”以外の価値創出が生まれる可能性もあります。店舗を地域の「サードプレイス(第3の居場所)」と位置づけ、地域の社会インフラにすることにより空間の価値向上を図るというものです。
“50億円市場”はこう見つける、指標活用の「3ステップ」
指標をビジネスに活用する上では、3つのステップが重要です。- 自社事業の棚卸し
- 商圏ニーズの確認
- 市場参入
まずは「自社事業の棚卸し」です。指標を構成する24カテゴリーに及ぶ因子群のうち、自社のビジネスと関連性の高い部分を特定することが出発点となります。
続いては、「商圏ニーズの確認」です。たとえば前のステップで、自社事業が“交通”と結びつきが強いと分かっている場合、商圏となるのは沿線地域でしょう。その地域の自治体の人口動態を確認し、本当に十分な市場規模があるのかを見極めることが大切です。その上で、第3のステップである「市場参入」へと歩みを進めるといった流れです。
前出セミナーで登壇した有識者は、たとえば「子育て」関連を因子に、“名古屋都市雇用圏”で自己効力感を上げるビジネスを展開する場合、共働き世代の86万人に顧客単価をかけ合わせると、50億円規模のビジネスになるなどと推定可能だと説明します(図3)。
このように、あらゆる数値をかけ合わせることで、事業の推定売り上げ規模がわかることが、地域幸福度指標を活用するメリットの1つです。
加えて、「自社にマネタイズ可能な事業モデルが、すでに存在するか」「競合が存在する場合、どの程度の市場シェアを取れそうなのか」「単独で行うか、他社と組むか」「自社データに組み合わせられるものはあるか」などの論点についても、活用の上では十分に議論する必要がありそうです。
自治体での活用を想定して導入され、現在では民間事業者におけるビジネス活用にも注目が集まりつつある地域幸福度指標。データに基づいて収益モデルを見直すことで、地域の潜在ニーズを効率良く発掘できるかもしれません。ビジネスとしての利益追求が、結果的に住の豊かな暮らしにつながり、各産業の市場規模がいっそう拡大していく好循環が期待されるところです。
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