- 2026/05/13 掲載
【事例あり】月額9,800円を実現させた“クレーマー対応”…コストが下がる裏側(2/2)
【事例1】1%のクレーマーは「対応しない」方針でコスト減
・お客さまは神さま→クレーマーは対応しないブランドバッグのレンタルサービス「ラクサス」では、全体の約1%にあたる過剰なクレーマーには「対応しない・許容しない」という方針を明確にしています。この判断によって運営コストを効率化し、月額9,800円という価格を実現できています。
・1%のクレーマーがコストを激増させる
99%の「いいお客さま」の継続率を伸ばせるなら、1%のクレーマーが減っても問題ない。そう割り切る判断をしたのです。その結果、バッグをきれいに使ってくれるお客さまばかりになり、返却後のバッグのリペアにかかる期間が、3日から23分へと劇的に短くなりました。コストを過剰に押し上げるお客さまを減らし、良質なコミュニティを育てることで、運営コストを下げることに成功したのです。
・判断基準は「友達といえるか」
この取り組みは、社員を守るための「サステナブルな仕組み」でもあります。悪質なクレーマーの中には、サポート担当の社員に対して、ひどい言葉を投げかけ、傷つけてくる人もいます。それを「お客さまは神様だから」と無理に受け入れてしまうと、社員の心がすり減り、最終的には離職につながってしまいます。
判断基準としているのが「その人は友達といえるかどうか」です。もし友達には言わないようなひどい言葉を投げかけてくるのであれば、「この人は友達ではない」と判断し、無理に対応せずお断りする。その線引きを明確にしたことが、社員の心を守ることにつながったといいます。
【事例2】流入経路をあえて絞る LINEの戦略が成功したワケ
コミュニケーションアプリの「LINE」は、「親しい人同士のホットライン」を目指して立ち上げられました。そのためにとった戦略が「ユーザーのマッチングを電話番号に絞る」こと。初期段階では、他のSNSグラフ(=人間関係)をあえて取り込まず、電話番号のみにしたことで、「友だち」として推薦される相手は皆リアルでも知り合い、という状態を保つことができました。
このように「流入経路をあえて絞る」戦略で文化づくりに成功した事例は数多くあります。たとえば、マッチングアプリの「ペアーズ」は、立ち上げ初期はFacebookログインに限定することで、真剣度が高く信頼性のあるユーザーを集めました。また、キャリアSNSの「YOUTRUST」でも、初期はFacebook登録を必須に。外部のソーシャルグラフを活用することで、マッチングや友達候補の精度を高めることができました。海外の学生向けのSNSアプリでも、登録時に「学校ドメイン(.eduなど)」のメールアドレスを必須にすることで、学生だけが参加できるコミュニティを形成しています。
このように流入経路を意図的に絞ることで、ユーザー層や場の空気をコントロールしやすくなり、サービスの文化や信頼を高めることができます。
・文化が施策を、施策が文化をつくる
「親しい人同士のホットライン」を盛り上げる仕掛けとして登場したのが「スタンプ」です。誕生のきっかけは、デザイナーが勢いで顔文字を大きくしてみたこと。それが思いのほか面白く「LINEのコミュニケーションに合っている」とウケたことで、企画化されたといいます。
おなじみの「LINE FRIENDS」のスタンプも、実は初期のアンケートでは評価があまり高くなかったそう。ですが、「一番会話が盛り上がっていた」という理由で採用されたといいます。スタンプによって会話が引き出されている点が評価され、LINEの目指したコミュニケーションの方向性ともマッチしていたのです。 初期のスタンプに文字が入っていなかったのは「親しい人同士のやり取りなら、テキストがなくても意味や気持ちが十分に伝わる」と考えられていたため。このようなサービスの文化に合わせた工夫が、LINEらしさを形づくっていきました。
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