• 2026/05/26 掲載

フランス、量子技術と半導体開発へ15億5千万ユーロ追加投資を発表

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フランス政府は2026年5月22日(現地時間)、量子技術および半導体分野に対して総額15億5000万ユーロの追加投資を行うと発表した。この投資は国家投資計画「France 2030」の一環であり、米国や中国との技術競争が激化する中、欧州の技術的主権を確保し、次世代産業の自立を促すことを目的としている。
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(画像:ビジネス+IT)
 エマニュエル・マクロン仏大統領は、フランス代替エネルギー・原子力庁(CEA)の超大型計算センターを訪問した際の演説で、この新たな資金枠組みを明らかにした。追加投資15億5,000万ユーロのうち、10億ユーロは「国家量子戦略」の拡充に充てられ、残る5億5,000万ユーロは半導体戦略「Electronique 2030」の補強に活用される。

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【図版付き記事はこちら】
量子分野への10億ユーロの追加拠出は、国防省が主導する実用的な量子計算機の公共調達プログラム「PROQCIMA」を加速させる狙いがある

(図版:ビジネス+IT)

 量子分野への10億ユーロの追加拠出は、基礎研究や人材育成に加え、国防省が主導する実用的な量子計算機の公共調達プログラム「PROQCIMA」を加速させるためのものである。同プログラムでは、2032年までに128論理量子ビットを持つフランス設計の普遍的量子計算機プロトタイプの実用化を目指している。民間スタートアップ企業間の段階的な開発競争を通じて技術水準の向上を図る。一方、半導体分野への5億5,000万ユーロの追加投資は、欧州半導体法に基づく共同開発枠組みと連携し、重要部品の供給網における域内自給率の向上を目的としている。

 フランス政府は、人工知能インフラや次世代兵器システムの中核となるような高度なマイクロチップおよび量子コンピューターを安全保障上の重要技術と位置付けている。米国が直近で発表した20億ドル規模の先端技術支援策にも対抗する構えだ。米国の政策が企業への直接的な資本介入やファウンドリへの巨額出資を特徴とするのに対し、フランスは公共調達を通じた段階的な性能評価により国内産業の育成を目指すという異なるアプローチを採用している。

 マクロン大統領は演説で、欧州が技術的に自立し続けるためには、より強力で統合された欧州レベルでの協力体制が不可欠であると訴えた。欧州連合全体での技術開発とサプライチェーンを強化し、アジアの製造拠点や米国の独自技術に過度に依存する現状からの脱却を最大の課題としている。

 一方で、巨額の公的資金投入に対しては、フランス会計検査院から制度上の課題も指摘されている。欧州最大のパートナーであるドイツとの事前調整が不十分である点や、資金供給が特定の大企業に集中している点、また半導体製造に伴う深刻な環境負荷と二酸化炭素排出量の管理体制に関する懸念が公式に示されている。

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