- 2026/08/24 10:00 掲載
高市政権、新技術立国に向けAI・量子など「戦略17分野」の税優遇と大規模投資を拡大
2040年度までに累計370兆円超の官民投資
AIを使ってロボットなどを現実世界で自律的に動かすフィジカルAIに10.5兆円が割り当てられ半導体分野には68兆円の投資が見込まれている。このほか創薬や先端医療の分野に約62.9兆円デジタルやサイバーセキュリティ分野に約55.2兆円の投資規模が想定されている。さらに次世代の無線通信インフラに20.5兆円が投じられるほかコンテンツ産業においては2033年までに年間20兆円の海外売上高を達成する目標が掲げられている。
政府は関連する企業や業界団体から設備投資の計画を聞き取り市場動向の推計を加味してこれらの投資額を算出した。総額370兆円のうち政府の支出がどの程度を占めるかといった具体的な内訳は明らかにされていない。 高市首相は会議のなかでこれまでの行き過ぎた緊縮志向と未来への投資不足の流れを断ち切ると発言した。高市総理、新技術立国への税制優遇と投資促進を表明という資料などでも触れられているように大胆な投資促進税制の創設にも言及し生産に必要な設備投資に対して即時償却や税額控除などの優遇措置を適用することで国内投資に挑戦する企業の活動を後押しする考えを示した。
政府はこれらの官民投資が拡大して十分な経済効果が発揮されれば債務残高の対国内総生産比も低下に転じ経済成長と財政の持続可能性を両立できると説明している。さらに技術開発から社会実装までを一体的に支援し大学や国立研究施設における基礎研究費を実質的に倍増させる目標も掲げ高度な研究力を有する大学を支援する新たな認定制度の創設も目指している。 しかし今回の巨額投資計画に対して金融市場や有識者からは懸念も示されている。
過去の国策主導プロジェクトにおける失敗事例から政治の思惑が経営判断に影響を与えることへの警戒感が根強い。また労働力不足のなかで大規模な投資を行えばインフレや長期金利の上昇を招きかねず新規国債の増発懸念が市場に与える副作用を指摘する声も上がっている。日本企業の国内投資を妨げている要因は資金不足ではなく各産業に残る岩盤規制であるという見方もあり単なる財政出動だけでは本質的な成長力は回復しないとの厳しい評価も存在している。市場経済における審判は政府の計画ではなく株価によって下されるものであり技術革新のスピードが速い分野への巨額の固定費を伴う投資は本質的に大きなリスクを伴うと指摘されている。
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