- 2026/08/23 11:00 掲載
AI事業者は学習データ開示、政府が知財保護基本指針案を発表
法的拘束力のないコンプライオアエクスプレイン方式採用
適用対象は、文章や画像などを生成するAIモデルを構築するシステム開発者と、自社サービスにAIを組み込んで公衆に提供するサービス提供者の双方である。日本国内に拠点を有していない海外事業者であっても、日本向けにシステムやサービスを提供している場合は等しく適用の対象となる。規制の手法としては、直接的な罰則や法的拘束力を伴わないソフトローの形式をとる。事業者が指針を受け入れるかどうかを自ら判断し、指針を実施しない場合にはその理由を十分に説明することを求めるコンプライオアエクスプレインの方式を採用した。これにより、企業の営業秘密などの強制的な開示要求による過度な萎縮を防ぎつつ、技術革新と権利保護の両立を図る狙いがある。
指針案は大きく分けて3つの原則から構成されている。一つ目の原則は、透明性確保のための事前の概要開示である。AI事業者に対し、モデルの名称やバージョン、学習プロセスの内容、使用した学習データの種類や収集方法などを自社のウェブサイト等で公開するよう求める。さらに、インターネット上のデータを自動収集するクローラの情報公開や、海賊版サイトからのデータ収集の回避、ウェブサイト管理者のアクセス拒否設定の尊重といった知的財産権を保護するための技術的措置への対応状況も開示対象としている。
二つ目と三つ目の原則は、権利者や利用者からの個別照会に対する詳細開示である。著作権侵害などの法的手続きを準備している権利者から要求があった場合、特定の創作物が掲載されたURLの情報が学習や検証用のデータセットに含まれているかどうかを開示するよう事業者に求める。また、AIを利用してコンテンツを生成した利用者が、自身の生成物が他者の知的財産権を侵害していないかを確認するために照会を行った場合にも、同様に該当URLの学習データへの包含有無を回答することを求める。政府は今後、指針を受け入れた事業者の公表内容などを取りまとめて一覧化し、社会的評価を通じて実効性を確保していく方針である。
AI・生成AIのおすすめコンテンツ
AI・生成AIの関連コンテンツ
PR
PR
PR