- 2026/09/10 07:10 掲載
【保存版】“本当に安いAI”はどう選ぶ? DeepSeek・GPT・Qwenを比べる「4ステップ」(2/3)
ChatGPTとまさかの「価格逆転」DeepSeek
DeepSeekと聞いて、2025年1月の騒動を思い出す方も多いのではないでしょうか。米国の最先端モデルに迫る性能を、はるかに少ない開発費で実現したとされ、NVIDIA株が1日で約17%下落した一件です。その後、日本のニュースで名前を見る機会は減りました。しかし開発の現場では、いまも主役級です。OpenRouter(1つの窓口から数百のモデルを切り替えて使えるプラットフォーム)の週間トークン使用量ランキングでは、2026年8月上旬にDeepSeek V4 Flashが7.22兆トークンで1位。上位10モデルのうち8つを中国製が占めています。
選ばれてきた最大の理由は、やはり価格でした。7月までのV4 Flashは時間帯に関係なく一律料金で、当時のGPT-5.6 Lunaと比べると入力で約7分の1、出力で約21分の1。ここまで差があれば、品質を多少妥協してでも中国AIを選ぶ判断には合理性がありました。
ところが8月、両社がほぼ同時に価格を動かします。DeepSeekは8月17日(日本時間)から時間帯別料金へ移行し、ピーク時は倍額になりました。同じ月、OpenAIはLunaを80%値下げしています。
出力料金の変化を並べると、何が起きたのかがはっきりします。料金の単位である「トークン」は、AIが文章を扱う最小単位で、日本語ならおおむね1文字が1トークン前後です。
入力料金にいたっては、すでに逆転しています。DeepSeekは、利用者獲得を優先する段階から、価格を制御して収益化する段階へ移りました。なお8月23日からは週末が終日オフピーク扱いとなり、平日昼の需要を週末へ逃がす設計に変わっています。
低価格AIにおける「3つの層」を解説
では、いま何をどう選べばよいのでしょうか。低価格帯は、性格の違う3つの層に分かれています。基準がないと比べにくいので、GPT-5.6 Lunaの出力料金を1として並べてみます。1つ目は「単価最安層」です。Qwen 3.7 Flashは、Lunaの10分の1ほどで動きます。大量の分類や抽出のように、判断が単純で件数が多い仕事に向きます。
2つ目は「条件付き最安層」です。DeepSeek V4 Flashは、オフピークや週末に寄せられる処理、中国語、自前運用といった条件が揃えば、今も半額程度で使えます。
3つ目は「総合コスパ層」です。GPT-5.6 Lunaは分類専用ではなく、画像入力もツール利用も複数ステップの処理もこなします。画像・音声・動画が中心ならGemini Flash-Liteが候補ですが、その分単価は上がります。
1つに絞る必要はありません。大量の定型処理はQwen、日常の文章と分析はLuna、動画が絡むならGemini、というように併用するのが現実的です。
また、注意点もあります。上の表で、Gemini 3.5 Flashだけが飛び抜けて高いことに気づかれたでしょうか。「Flash」と「Flash-Lite」は名前が1語違うだけですが、価格帯は7.5倍離れています。モデル名を最後まで確認せずに設定すると、想定の数倍を請求されます。末尾まで含めた正式名で単価を確認しましょう。 【次ページ】単価が最安でも、支払いが最小とは限らない
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