- 2026/09/20 18:00 掲載
元OpenAIの研究者による「生成」しない「判断」のみ行う新AIモデル「Jev」とは何か?
従来のLLMが抱える遅延やコストの課題を解決するシステムモデル
開発元のTypeSafe AIは直感的で素早い判断をつかさどる人間の思考プロセスになぞらえ、この新しいカテゴリをシステム1モデルと呼称している。同社を創業したディオゴ・アルメイダ氏はOpenAIでChatGPTの基盤技術の一つである人間からの強化学習を共同開発した実績を持つ。
従来のAIエージェントは問い合わせの分類やツールの選択といった単純な判断にもテキスト生成を用いており、それが処理の遅延やコスト増加、フォーマットに従わない形式的な誤りの原因となっていた。Jevはテキスト生成機能を省くことで応答時間を70ミリ秒~500ミリ秒に短縮し、処理コストを既存の高性能モデルと比較して大幅に抑えたとしている。
また事前に設定された型に沿った値のみを出力する構造上、定義外の回答を捏造する形式上のハルシネーションが発生しない設計となっている。出力される確信度の精度を高めるための専用の強化学習手法が採用されており、高い信頼性を持つ確率データをシステムに提供する。
システムへの組み込み方はプログラミングにおける条件分岐に近く、Jevが確率や確信度付きの判定結果を返し、その数値に基づいてアプリケーション側が次の処理を決定する。このため文章の作成や複雑な多段階推論には利用できないが、高頻度で発生する情報の分類、インシデントの重大度評価、リアルタイム性が求められる制御システムでの活用向けに設計されている。すでにシミュレーション環境でのドローン制御やゲームの自動プレイなど、即時判断が要求される分野で外部の開発者らによる検証が進められている。
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