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  • 2009/06/24 掲載

【連載】工事進行基準対策の第一人者に聞く(2):工事進行基準適用のための3つのポイント<1>

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工事進行基準を適用するポイントは、プロジェクトの受注金額である「工事収益総額」、プロジェクトの原価予算となる「工事原価総額」、決算日における「工事進捗度」の3つを、それぞれ合理性をもって見積もることにある。今回は、その中の1つである「工事収益総額」に焦点を当て、各社の問題意識と対応のポイントを紹介していきたい。

木村忠昭

木村忠昭

アドライト 代表取締役社長/公認会計士。東京大学大学院経済学研究科にて経営学(管理会計)を専攻し、修士号を取得。大学院卒業後、大手監査法人に入社し、株式公開支援業務・法定監査業務を担当する。2008年、株式会社アドライトを創業。管理・会計・財務面での企業研修プログラムの提供をはじめとする経営コンサルティングなどを展開している。 工事進行基準については、セミナー講演や支援事例を通じて、のべ600社以上の企業に対して実務対応について伝えてきた実績をもつ。

工事収益総額の2つの要件

 工事収益総額とは、工事によって得られる収益の総額、つまりプロジェクトの受注額のことだ。工事進行基準では、各期の売上高を工事収益総額に進捗率を乗じて算出するので、工事収益総額の正確な把握は、適正な期間損益の計算のために不可欠となってくる。これがプロジェクト開始時点において確定していないと、各期の売上高を適切に見積もることができないため問題となる。

 「工事契約に関する会計基準」によると、工事収益総額を、信頼性をもって見積もるための要件として、「完成見込みが確実であること」と「対価が契約で定められていること」という2つが定められている。

 では、それぞれについて見ていこう。

完成見込みが確実であるか

 「完成見込みが確実であること」とは、工事を完成させる十分な能力があり、かつ完成を妨げる環境要因が存在しない必要があるということである。これは、プロジェクト開発を進める上で当然の前提条件と言えるであろう。

 仮に、工事進行基準を適用して完成前に売り上げを計上したプロジェクトが最後まで完成せず途中で頓挫してしまったとしよう。これでは、それまでに計上した売上高が結果的に実現できないことになり会計上大きな問題が発生する。会計上の問題以前に、プロジェクトが途中で頓挫するようなことがあっては、それまでの開発コストを回収できない危険性があり、会社に大きな影響を与えるであろう。そう考えると「完成見込みが確実であること」という要件は、プロジェクト開発を進めるうえでの前提となる要素である。

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