- 2026/04/03 掲載
「問題が芋づる式に増えていく」地獄のプロジェクト準備、抜け出す“唯一の方法”とは
IT業界においてプロジェクトマネジメント業務を中心に従事。キャリアの前半は民間企業にて、受託側の立場から公共分野の基幹システム再構築プロジェクトなどに携わる。2013年から内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室で政府CIO補佐官として、発注側の立場でのプロジェクトマネジメント等の実務を担当。2021年からはデジタル庁発足に伴い、同庁のガバナンスマネージャーとして実務を担当。
準備しなければならないことは、芋づる式に増えていく
プロジェクトを成功させるためには、「悪い未来を予測する」ことが不可欠です。多くの失敗を想像することができれば、準備を緻密に積み上げて詳細な計画を立てることができます。それが、プロジェクトマネジメントの大事な入口です。町内会のイベントの例で考えてみましょう。
例題:町内会イベントの段取り
- 前日晩に材料をスーパーで購入
- 機材はレンタル会社から手配
この規模のイベントに対して、準備が不足していることは明らかです。さまざまな問題を予測できます。代表的な例を挙げましょう。
- 前日にスーパーに行ったら、100人分の肉を購入できなかった
- 小さなコンロでは火力が不足し、大鍋の湯を沸かせなかった
- 包丁とまな板は多数あるが、食材を切る人が少なすぎた
- 買い出し担当が高級和牛を買ってきて、予算オーバーした
- 事前に保健所への届出を怠り、保健所から注意された
問題を予測することは、簡単ではありません。多方面にわたってさまざまな種類の問題があり得るので、問題を網羅的に予測することが難しいのです。
実際に準備すべきことを考えてみましょう。
「ほかの食材も予約が必要かも。そもそも、食材の分量を計算しなきゃ」
「待てよ、予算はいくらくらい使えるんだっけ。結構厳しかったはず」
「後、レンタル機材も昨年より値上げしてたはず。確認しないと」
準備しなければならないことが、次から次へと芋づる式に増えてきます。必要な作業を網羅的に書き出すだけでも、大変な作業になります。
ヒト・モノ・カネの三本柱を軸に考える方法
このようなときに便利なのが、ヒト・モノ・カネの三本柱を軸として準備事項を考える方法です。それぞれの軸にフォーカスすることで作業の整理を行いやすくなりますし、3つの軸で俯瞰することで準備作業の漏れに気づきやすくなります。たとえば、小口現金管理や会計報告作成という<カネ>の話を考えると、会計担当が必要という<ヒト>の話に結び付きます。こうして、必要となる準備事項を漏れなく考えることができます。町内会イベントでの主要な準備事項をまとめました。
- スタッフの必要人員数の確保と役割分担決定
- イベントの周知や開催調整
- スタッフ内で守るルールや問題発生時の連絡ルートの設定
- 作業スケジュールや手順の策定
- 材料(肉、野菜等)の詳細な購入分量の見積り
- 大量購入品(肉など)の購入予約
- 鍋、コンロ、包丁等の機材のスペックや量の算定
- 町内会の全体予算を踏まえて、イベント予算の設定
- 支出計画の策定、費用対効果算出
- 材料やレンタル機材の見積依頼、交渉、契約締結
- 現金管理、買出し等の精算、会計報告作成等の準備
準備事項を考えるには、複数の人と意見交換することが効果的です。それにより、作業の抜け漏れを防ぐことができます。特に町内会イベントの経験者や、美味しいカレーライスの作り方に詳しい料理研究家など、専門経験を持っている人の意見は有益でしょう。
このようにヒト・モノ・カネの観点で整理した準備事項を積み重ねていくと、その内容がプロジェクトの計画となるのです。 【次ページ】多くのプロジェクトで忘れられる“大事なこと”
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