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  • 2009/09/11

【栗原潔氏インタビュー】 コスト削減のためのマイグレーション 忘れてはならないポイントとは?

テックバイザージェイピー 代表取締役 栗原潔氏

コスト削減というキーワードは、いつの時代にも注目されないことがないキーワードだが、今年の注目度合いは特別なのだと語るのは、テックバイザージェイピー 代表取締役を務める栗原潔氏。いかに現状のレベルを下げることなく、できれば改善を伴いつつITコストを削減できるか、各企業の経営者、IT担当者は真剣に悩んでいることだろう。この2009年にどのようなITの見直しに取り組むべきか、栗原氏に話をうかがった。

本気のコスト削減が求められる2009年
重要課題に取り組むチャンス



テックバイザージェイピー
代表取締役
弁理士 技術士(情報工学)
栗原潔氏
 2009年、ITアナリストが最も注目しているキーワードは“コスト削減”なのだと、栗原氏は話を切り出した。コスト削減が話題に上らない年はないものの、例年とは力のこもり具合が違うらしい。そんな2009年をIT投資のチャンスと見ることもできると、栗原氏は語る。

「どのような技術も、状況が厳しいときにこそイノベーションが起こります。投資が絞り込まれ、それでもセキュリティ対策を行わないといけないという今こそ、イノベーションが期待できるときです。また、厳しさが共通認識になっているため、コスト削減のための変革に向けて全社で協力体制を取りやすい状況にもあります」

 大きな変革を受け入れやすい今は、基盤となるようなITシステムの改革にちょうどよいタイミングとも言えるのだと、栗原氏は言う。コスト削減が大命題となっている今なら、ビジネスを支えるIT基盤や、基幹システムの変革にも抵抗する人は少なく、全社で協力して取り組めるというのが栗原氏の考えだ。

 たとえば基幹システムのオープン化など、レガシーマイグレーションはコスト削減、業務効率改善に大きな効果を期待できる取り組みのひとつだ。システム変更の影響範囲が大きいため実施タイミングの見極めは難しいが、今ならコスト削減のために全社一丸となって取り組めるかもしれない。

最も避けなくてはならないのは
マイグレーションの目的化

 レガシーマイグレーションにおいて気をつけるべきポイントを、栗原氏は次のように指摘する。

「マイグレーションの目的をきちんと把握し、その目的のために最善の方法を見極めること。ほとんどの場合はコスト削減や業務改善が目的であり、古いシステムの撤廃自体が目的ではないはずです。特にメインフレームからオープンシステムへの移行では、マイグレーション自体が目的になってしまうケースが見られます」

 マイグレーション自体が目的化してしまい、業務改善プロジェクトとして発足したものがいつの間にかメインフレーム撤廃プロジェクトになってしまうことも少なくないと栗原氏は言う。マイグレーションはあくまで手段であり、ゴールではない。コスト削減のために、業務改善のためにレガシーシステムがどのようなデメリットをもたらしているのかを把握し、それを改善するための手段を広く柔軟に検討すべきだ。もちろん、レガシーシステムから新しいシステムへのマイグレーションも候補のひとつだが、システムではなく業務プロセス側の改善で対応できる場合や、業務自体をアウトソース化した方が効果的な場合もある。マイグレーション自体が目的化すると、マイグレーションを前提とした議論から話題が広がらず、そうした幅広い選択肢について検討できなくなってしまう。

「もうひとつのポイントは、壊れていないものは直さない、ということ。たとえばメインフレームの安定性は、慣れてしまうと当たり前のように感じてしまいますが、新しい技術を取り入れて同じ安定性を確保するのは難しいものです。安定性が重要な場合、その部分をあえて残すという議論もすべきでしょう」

 マイグレーションの議論の場では、なくすべき古い技術としてメインフレームが標的になることも多い。しかし、メインフレームにはメインフレームの良さがあり、これまでに安定稼働してきた実績もある。それは、基幹システムのようにいつでも使えることが重要視される用途では見逃せないメリットだ。

 一方で、古いシステムをなくすこと自体が目的となる場合もありうる。ハードウェアや技術自体が古くなっている場合がそれに当たる。たとえばハードウェアの保守期限が切れたり、古い機器のために保守料があまりにも高額になっている場合には、システムの入れ替えにより保守サポートの対象となり、運用コストも削減できる。

「ただし、古いシステムを評価する際に、何年使ったかという指標で判断するのは危険です。それよりも、古いためにどのような問題が生じているのか、業務上の問題点をしっかり把握しましょう。もしかしたら、根本的な入れ替えではなく問題となる部分だけを改善する方法があるかもしれません」

 問題となる部分だけを改善するわかりやすい例として栗原氏は、メインフレームを利用した基幹システムのインタフェースの改善について触れた。古い基幹システムに用いられているテキストベースのインタフェースが問題となっている場合には、インタフェースだけをWebシステムとして作り変えることも可能だ。基幹システム全体を更新する場合に比べて費用も開発期間も短くて済み、同等レベルの効果を得られる。

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