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  • 2011/07/21

PFI(Private Finance Initiative)の基本と仕組みを知る~法改正のポイントとそのインパクト

変わる公共事業、将来は100兆円市場に

国や地方公共団体の財政事情が年々、厳しくなる中、高度成長期に集中整備されたインフラが老朽化、それら社会資本を維持・更新する上で民間資本を有効活用することが不可欠となっている。こうした背景から今年5月にPFI法の改正案が国会で成立した。PFI事業の適用範囲を拡大し、事業運営を民間に包括的に委ねる「コンセッション方式」の活用を可能にしたことが改正のポイントだ。改正PFI法で事業チャンスはどう開けるのか?国交省の成長戦略会議のメンバーで、この問題に詳しい野村総合研究所 未来創発センター 公共経営研究室の福田隆之主任研究員に聞いた。


PFI(Private Finance Initiative)法とは
Private Financial Initiative:公共事業に民間資金を取り入れる手法のこと。英国では社会資本整備を民間主導で行う仕組みとして導入された。日本でも1999年9月から「PFI推進法」が施行されたが、2010年2月、前原前国交相の呼びかけでPFI法改正の議論が始まった。5月には前原大臣と橋本大阪府知事が関空・伊丹統合会社でのPFI活用で合意。8月、国交省が地方自治体・企業に対して改正PFI法の活用提案を募集。そして2011年5月にPFI法改正案・関空伊丹統合法が衆議院を通過し、法案が成立した。従来、公共事業に民間資金を導入する手法には「第三セクター方式」があるが、これは官民が共同出資し、経営に自治体も加わる。これに対して、PFIでは建設から運営までを民間企業に任せるとともに、予想外の事態により負担が増加する場合の負担処理についても、事前にリスク分担を官民できちんと決める点が大きな違い。「第三セクター方式」の問題点である“官民のもたれあい”による税金の無駄使いをなくすことを、大きな目標としている。欧米豪など先進国では人口・諸施設が集積し投資効果が高い都市開発で多方面での取り組みが盛んである。

行政が行っていたサービスを民間に移し、サービスを効率化

──今なぜ、PFI法が注目されるのでしょうか?

 国・地方の債務は膨張し続けており、2010年末には1,000兆円を超え、1,400兆円と言われる家計金融資産に肉薄する勢いにあります。一方、高度経済成長期に集中的に整備されてきた道路、港湾、空港、公共賃貸住宅、都市公園、下水道、治水、海岸などの社会インフラを更新するための費用はジワジワと増加しています。

 これらは2010年以降に更新のタイミングを迎えますが、一般会計からの支出が難しくなる中で更新投資費用をどのように賄っていくかは大きな問題です。

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将来の更新投資の必要額
(出典:野村総合研究所,2011)

 そこで受益者負担という考え方がでてきます。その場合、提供されているサービスが「本当に効率的なのか」受益者から問われることは当然です。受益者負担の議論は、従来、行政が行っていたサービスを民間に移すことにより、「サービスを効率的にできる」ということと、セットで行われる必要があります。

──日本のPFI制度の特殊要因は影響しているのでしょうか?

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既存PFIの内訳
(出典:野村総合研究所,2011)
 大いにあります。日本では1999年以降、過去10年余り、約400件、金額で5兆円近いPFI事業が実施されてきましたが、その7割はサービス購入型です。つまり、公共施設を政府が整備するにあたり、工事費の支払いを一括でなく、20年、30年に繰り延べて支払う「政府の負担を先延ばしする公共事業」でした。

 だが、一括で支払おうが、繰り延べにしようが、財源的に政府に依存していることに変わりなく、これでは根本的な解決にはなりません。道路、下水道、港湾、空港など受益者からの料金収入で運営できるインフラは多くありますが、日本ではこのような分野に民間の事業者が参入した実績はありませんでした。個別法の制約があったからです。

──日本のPFIの適用分野は「ハコモノ施設」だけと言われてきた所以ですね。

 たとえば下水道法では下水道の管理者は地方公共団体であり、道路法では道路の管理者は国・地方公共団体とされています。空港は、成田、中部、関空を除き国か自治体となっています。このように個別の法律にはすべて“しばり”がありました。

 PFI法は1999年に成立しましたが、議員立法であったため、個別法が優先され、両者の間に矛盾があり、整理されていなかったことも今回の改正の理由です。

【次ページ】PFI法改正のポイント

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