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  • 2025/04/23 掲載

大阪・関西万博費用13兆円の矛盾、吉村知事「要望書」が示す欺瞞と懸念

連載:小倉健一の最新ビジネストレンド

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大阪・関西万博が4月13日に開幕し、連日多くの来場者が訪れている。一方、開催にあたっての関連費用は13兆円に達するとされ、当初想定の倍近い会場建設費や、広域インフラ整備までが「万博の名の下」に推進されている。だが、そこに経済合理性や巨額の投資に見合うリターンは本当にあるのか。元プレジデント編集長の小倉 健一氏は、合理性なき熱狂の代償は、万博後に一気に表面化するかもしれないと警鐘を鳴らす。
執筆:ITOMOS研究所所長 小倉 健一

ITOMOS研究所所長 小倉 健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長。現在、イトモス研究所所長。著書に『週刊誌がなくなる日』など。

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13日の開幕からおよそ10日間を過ぎた関西万博
(写真:筆者撮影)

万博後の懸念を感じさせる重要な証拠

 2021年7月、大阪府、大阪市、関西広域連合、そして関西の主要経済団体らが連名で国に提出した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)関連事業に関する要望」という文書が存在する。

 当時の大阪府知事・吉村洋文氏、大阪市長・松井一郎氏(当時・大阪維新の会所属)らが名を連ねたこの文書は、万博推進派が現在振りまいている主張について、万博後の懸念を感じさせる重要な証拠である。

 現在、万博関連費用は13兆円を超えており、その巨額さが批判の的となると、維新関係者や読売新聞など一部メディアは「万博と直接関係のない事業費が含まれている」「四国の道路整備などは万博費用ではない」と言い逃れを始めている。

 しかし、この要望書の存在は、その言い逃れを「粉砕」してしまうことになる。彼らは自らの手で、会場周辺インフラに留まらず、関西一円、果ては中国・四国地方にまで及ぶ膨大な数の道路、港湾、鉄道、河川等の整備事業を「万博関連事業」と明確に位置づけ、国にその実施と財源措置を強く要求していたのだ。

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「2025年大阪・関?万博 万博関連事業箇所図」と書かれた資料では中国・四国地方などの交通整備にも言及されている
(出典:『2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)関連事業に関する要望』)

 批判があった「健活10ダンス」も大阪万博関連事業だ(筆者が大阪府庁に直接取材をして確認済み)。

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