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- 2013/03/07 掲載
ガートナー、日本と世界のCIOのビジネス・IT・テクノロジの優先度トップ10を発表
「静かなるIT危機」が進行中
本調査の結果、世界のCIOと日本のCIOには、次のような特徴が見られたという。
IT予算の前年度比較では、2011年の調査において世界で0.5%、日本で0.3%の増加であったのに対し、2012年は世界でマイナス0.5%、日本でマイナス0.8%と、2010年以来の減少になった。
また、世界のCIOが重視するビジネス戦略は、1位が「企業成長を加速する」、2位が「オペレーションで成果を挙げる」、3位が「企業コストを削減する」だった。
一方、日本のCIOは、1位が「新商品や新サービスを開発する」、2位が「企業コストを削減する」、3位が「新規顧客を獲得し、維持する」だった。なお、「企業成長を加速する」は4位、「オペレーションで成果を挙げる」は9位と、世界のCIOの回答傾向とは乖離が見られた。
次に、世界のCIOが重視するIT戦略は、1位が「ビジネス・ソリューションを提供する」、2位が「ITマネジメントとITガバナンスを改善する」、3位が「IT組織とワークフォース(要員) を改善する」だった。
一方、日本のCIOでは、1位が「ITマネジメントとITガバナンスを改善する」、2位が「ビジネス部門とIT部門のリレーションシップを改善する」、3位が「IT組織とITワークフォース(要員) を改善する」となった。なお、「ビジネス・ソリューションを提供する」は、日本では10位以下のランキング圏外となり、世界と日本の差が見られた。
世界と日本のCIOともに、「ITコストを削減する」は優先度のランクを下げた。これは、前述のとおり、成長重視のビジネス戦略に呼応したIT戦略が相対的に重視された結果とガートナーではみているという。
また、世界と日本のCIOともに、IT人材の調達とITマネジメント指針の確立に腐心する姿勢が鮮明になった。これは、後述する「先進テクノロジ」の活用を前提とする新しい人材像・組織像がIT部門に求められているためと推察されるという。
ただし、世界のCIOは、「ビジネス (の成長に直結する) ソリューションの提供」の必要性を極めて強く認識している。経営層や利用部門に対して、より明示的かつ直接的な貢献を示さなければならない危機感・切迫感をCIOは感じているという。
【次ページ】2013年におけるテクノロジ面の優先度
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