IDCではビジネスアナリティクス市場を、ユーザー企業が利用している会計など基幹業務向けのワークロードや、ビジネスインテリジェンス、データウェアハウス、データマイニング、統計解析、CRM（Customer Relationship Management）・SCM（Supply Chain Management）などのビジネスアプリケーション、画像、音声、テキストなどのデータを解析、分析する市場と定義。

　同市場は、データのサイズや種類に依存することなく広範な分析・解析を行うIT市場全般となる。

　一方で、ビッグデータ市場は、扱うデータサイズが100TB（テラバイト）以上、またはストリーミングデータを利用していること、または年率60％以上の成長率で生成されるデータであることのいずれかの条件を満たしたアナリティクス市場と定義。

　なお、現在ITベンダー各社による、「ビッグデータ」の定義は一律ではなく、データの大きさや種類などは各社独自の定義でビッグデータ市場の市場規模や売上目標を公表しているのが現状のため、どのような定義で市場を測定するのかがポイントとなる。

　IDCでは、「2013年 国内ビッグデータテクノロジー／サービス市場 需要動向分析： 2013年～2017年の予測（2013年8月発行[J13581001]）」で、国内のビッグデータ市場の市場規模を発表したが、今回、国内ビジネスアナリティクス市場と国内ビッグデータ市場を比較することによって、ビジネスアナリティクス市場におけるビッグデータ市場の位置付けを明確にする目的で本調査を行った。

　これによると、国内ビジネスアナリティクスの市場規模は、2012年の8,900億円から、年間平均成長率（CAGR： Compound Annual Growth Rate）5.2％で成長し、2017年には1兆1,400億円に達すると予測した。


　一方、国内ビッグデータの市場規模は、2012年の207億円からCAGR37.5％で成長し、2017年には1,016億円に達すると予測している。

　IDCではこの調査結果から、国内のビッグデータ市場は、アナリティクス技術の進展とともに急速に成長するとしている。

　IDC Japan サーバー リサーチマネージャーの林 一彦氏は「ビジネスアナリティクス市場、ビッグデータ市場ともに、データの規模および種類の差を除けば市場特性は類似している。ITベンダーは、ユーザー企業がビッグデータに対して関心を持ち始めている今こそ、企業が持っているデータをビジネスに対し有効に利用する提案や施策を行い、アナリティクスニーズの吸い上げを積極的に図るべきである」とコメントしている。

　今回の発表はIDCが発行する「国内ビジネスアナリティクス市場におけるビッグデータの位置付け 2013年～ 2017年の予測」（J14270101）にその詳細が報告されている。

　本レポートでは、ビジネスアナリティクス市場、ビッグデータ市場それぞれの2012年の実績と2013年～2017年の予測のほか、両市場におけるインフラストラクチャー、ソフトウェア、ITサービスのセグメントごとの市場規模および産業分野別の市場規模の予測などを提供している。