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  • 2014/11/04 掲載

ドワンゴ ニコニコ担当者が明かす、85万人超のオンラインイベントを支えたITインフラ

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ネットワークエンタテインメントコンテンツの企画開発から運用までを行うドワンゴでは、2013年末に動画共有サービスのニコニコ動画と、その中のライブストリーミングサービスであるニコニコ生放送とを併せた年越しカウントダウンのオンラインイベントを実施し、最終的に総来場者数85万人超の参加を実現した。大規模ライブストリーミングで、カウントダウンというリアルタイム性が重視される難しいサービスを成功に導いたドワンゴ サービス企画開発部 ニコニコ生放送セクション 担当セクションマネージャの吉村総一郎氏とニコニコ事業統括本部 プラットフォーム事業本部 副本部長の宮崎賢一氏がその具体的な取り組みを明かした。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

最大規模のユーザー体験共有を目指したカウントダウンイベント

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ドワンゴ
サービス企画開発部
ニコニコ生放送セクション
担当セクションマネージャ
吉村 総一郎 氏
 「ニコニコ生放送」は、プレミアム会員数が200万人を超える国内最大級の動画サービス「ニコニコ動画」におけるライブストリーミングサービスで、ドワンゴが配信コンテンツを作成する公式番組やユーザー自身が作成する番組などを併せて、約10万番組が放送されている。放送時間は30分から2時間ぐらいまで、番組によって様々だ。

 「Akamai Digital Media Conference 2014」で登壇した吉村氏はニコニコ生放送の配信システムのインフラ部分を担当しており、ニコニコ生放送の特徴を次のように説明する。

「まず視聴者がストリーミング映像上に匿名でコメントを書くことができること。書かれたコメントを元に配信者と視聴者がリアルタイムでやり取りすることもできる。またゲーミフィケーションを利用したコメントのNGフィルタが共有されており、悪意ある書き込みを数多くするユーザーのコメントはNGになりやすい。そうした仕組みを設けることで、NGコメントが流れないようにしている」

 ドワンゴでは2013年末、ニコニコ生放送上で「ニコニコ年越し!小林幸子カウントダウンLIVE~オープニングアクト:ダイオウグソクムシ~」というカウントダウンイベントを企画した。

 当時ニコニコ生放送で流行っていたダイオウグソクムシの映像を流し、その後、メインプログラムである歌手、小林幸子さんのLIVEを見ながら、視聴者全員で年越しのカウントダウンをしようというものだ。トータルで約15時間放送されたという。

「このLIVEを、ニコニコ生放送を能動的に観に来ているユーザーだけでなく、サイト上で他の動画を観ているすべてのユーザーにも見せたいというリクエストが会長の川上から上がってきて、2013年10月中旬にプロジェクトが発足した」

 ニコニコ動画には、動画を観ている全ユーザーに突然、同じ映像を流す“ニコ割(ニコニコ割り込み)”という仕組みがあり、“時報”という呼称でも親しまれている。今回のイベントではこのニコ割を使って、年末のカウントダウンが始まる瞬間に、ニコニコ動画のサイトに滞在している全視聴者に生放送を一気に流し、コメントしてもらって盛り上がろうというものだ。

「本来時報は映像エリアの上部に流すが、今回は画面全体を“乗っ取って”、全視聴者に生放送を流すことを考えた。今までにない最大規模のユーザー体験の共有を実現しようという試みだった」

大規模ユーザーの生放送に対応するため新たな動画配信技術を採用

 ドワンゴ社内では生放送チームと動画チームとに分かれているが、今回は動画のニコ割を使ってサイトに滞在する全ユーザーに生放送を提供するということで、両チームの共同プロジェクトとして取り組みが始まった。

「従来ニコニコ生放送の配信システムはPHPで書かれていたが、現在はScalaで作り直しており、今回のカウントダウンイベントは、そのScalaで作り直した部分を利用して配信した。実際に配信を行うに当たっては技術的な検討をしたが、サイト上の全ユーザーに見せるとなると、生放送で普段利用しているAkamai RTMPというプロトコルのサービスでは、帯域が十分ではなかった。そこでAkamai HDS(HTTP Dynamic Streaming)/HLS(HTTP Live Streaming)という新たなサービスの提案をしてもらった」。

 そのサービス特性は、RTMPよりも多くの帯域を利用できるので、ユーザー数が増えても対応可能なこと、またユーザー側の利用帯域などに応じて配信映像の画質を自動選択できること。

「しかしAkamai HDS/HLSにも課題はあった。RTMPの利用時は、CDN(Contents Delivery Network)でコンテンツを配信した時の遅延が約5秒だったが、Akamai HDS/HLSでは20~25秒と長くなり、さらにあるユーザーは20秒、また別のユーザーは30秒といったように、ユーザーによって遅延のバラつきも大きかった。これではカウントダウンイベントとの相性は非常に悪い。そこで3つの工夫を行った」

【次ページ】カウントダウンイベントとの相性を考えて実施した3つの工夫

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