- 会員限定
- 2014/11/21 掲載
3900万会員のAmeba支えるハイブリッドクラウド環境、スマホ対応で何に取り組んだのか
オンプレ環境が基本、状況に応じてパブリッククラウドを利用
怡土氏がマネージャーを務めるインフラ&コアテク本部は元々Ameba事業本部の配下にあったインフラ部門で、それが今年8月に全社インフラを担当する組織となった。インフラの開発/運用やシステムコストの最適化に加え、インフラエンジニアの不足に悩む子会社の支援も行っている。現在のメンバー数は約50名だ。
Ameba事業では2004年にブログサービスを、2009年には自分のキャラクタを作ってネット上で他ユーザーとコミュニケーションできるアメーバピグのサービスを開始し、2012年からは、こうしたAmebaのサービスをスマートフォン向けに提供することも始めた。同事業は今や、3900万会員を誇り、売上高386億円、営業利益24億円を稼ぎ出す事業へと成長した。
それらサービスを支えるインフラとしては、2011年まではずっと物理サーバに頼ってきており、現在も設計から運用まですべてを自社で行うデータセンターを利用しているが、2012年に“アメーバクラウド”というプライベートクラウドを開発し、そこから一気にクラウドにシフトした。現在のサーバ台数は約1万台で、うちクラウドのコア数が約7万とのことだ。「Akamai Digital Media Conference 2014」で登壇した怡土氏は、同社のスタンスを次のように説明する。
「オンプレ環境が基本で、パブリッククラウドは状況に応じて活用する。たとえばブログとピグでは要件も異なるので、提供するサービスに応じてベストプラクティスを考え、どんなインフラを利用するのかを決めている」
低コストでハイパフォーマンスといった要件は当たり前
「もちろんサービスを止めないとか、低コストでハイパフォーマンスといった要件は挙げられる。しかしそれらは今や当たり前。そうした状況の中で我々が考えたのは、コンテンツを配信する側として、世の中のトレンドが変わっても、“快適なアクセスを提供していかなければならない”ということだ」
たとえば、スマートフォンの普及やLTEの登場によって、デバイスのポータビリティとエンドユーザーのアクセス環境がどんどん向上してきている。
「その中で、スムーズなコンテンツ配信のネックとなる動画や画像など容量の大きいデータは、とりあえずキャッシュしてしまえということだけをほぼ行ってきた。基本的に画像やcssなど静的なものを、いかにレスポンス早く返せるかが、ユーザーのアクセス改善にも繋がっていったという事実があった。さらにその副産物として、オリジントラックの負荷が減り、ネットワークやサーバなどへの投資を抑制することもできていた」
【次ページ】スマートフォン時代は「従来の対策だけでは多分ダメ」
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR