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2015年02月26日

「じゃがりこ」はなぜカップ入りになったのか?

カルビー 伊藤秀二社長が語る、10年続くメガヒット商品を生む3つのマーケティング戦略

スナック菓子最大手のカルビーが絶好調だ。1964年に誕生したかっぱえびせんをはじめ、ポテトチップス、じゃがりこなど、ほぼ10年ごとにメガヒット商品を世の中に送り出してきた同社だが、2014年にはフルグラ(フルーツグラノーラ)の需要増に応えるため、生産ラインを相次いで増設。健康食品分野の新たな柱として育ちつつある。同社の強みとは一体何なのか。

メガヒット商品をロングセラー化してきたカルビーの3つの強み

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アンテナショップの「カルビープラス」を全国9店舗で展開。顧客との直接的なコミュニケーションを通じてファンづくりを行っている。

 2015年で創業66年目を迎えたスナック菓子最大手のカルビー。2008年にグループ連結決算を開始して以降、売上、収益ともに順調に伸ばし、2014年3月期の連結売上高は1999.4億円、営業利益は197.1億円で、6期連続で過去最高益を更新している。

 事業構成比は連結売上高の4分の3を、ポテト系/小麦系/コーン系などのスナック食品が占めており、中でもポテト系は全売上高の56%にのぼる。国内ポテトチップス市場におけるシェアは74%で、スナック市場でも55%だ。また現在では、健康食品や海外市場にも注力している。

 UBMジャパン主催の第3回「マーケティングテクノロジーフェア2015」に登壇したカルビー 代表取締役社長兼COOの伊藤秀二氏は、カルビーの強みとして、製品やブランドの“開発力”、原料の種子から消費者に届くまでの“一貫したマネジメント”、そして“革新を続けていること”の3点を挙げる。

「通常メーカーでは原料から製品までが一般的なマネジメント対象となるが、我々の場合、特にポテト系では原料の種子の開発から始まり、最終的にお客さまが製品に対してどんな反応を示し、どんな意見を持っているのかを聞いて、その声を研究にフィードバックしている」

新たなブランディングでフルグラの売上を拡大

 カルビーでは、伊藤氏が取締役 常務執行役員CMOに就任した2006年から新たなブランディングに着手、コーポレートメッセージを策定した。それが「掘りだそう、自然の力。」というものだ。当時社内外にアンケートを採ったところ、大きなギャップが2つあり、これを埋めるために始めた取り組みだという。

 まず消費者はカルビーに対し、“明るい”、“楽しい”、“親しみやすい”というイメージを持ってくれていたが、社員は自分たちを、“まじめ”、“誠実”と捉えていた。

「お客さまは社員が自分たちで思っているほど、まじめ、誠実だとは感じていなかった。そこで我々の努力を発信し、伝えることで、企業イメージの拡大を考えた。それがお客さまの安心、信頼の基盤ともなる」

 また消費者からは“活発な”企業イメージを持たれていたが、社員自身はそう思っていなかった。

「つまり自分たちは、何をなすべきかを十分に理解できていないのではないか。我々の進むべき方向性を明らかにし、共有する必要があった。そこで先の企業イメージの拡大という目的も含め、ブランディングに注力していくことを決めた」

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フルグラは、今やパンに迫る勢いで浸透していっている

 まず当時(2006年)から10年後の消費者志向を分析し、“楽しく自然体の健康志向”という新しい価値観が生まれると想定、これを具現化する商品あるいは施策を打っていくことにした。実はカルビーはこの領域にシリアル食品のフルグラ(フルーツグラノーラ)という商品を既に持っていたが、当時はまだ二十数億円規模。そこで今後はこの領域の商品をビッグヒットに育てようということを社内の共通認識にしたという。

「我々はメーカーなので、素材を大切にしていることをイメージで訴求するのではなく、事実で訴求していこうと考えた。そこで設定したのが、フルグラクッキーや栄養訴求した商品を出していくという方向性で、実際に新商品を発売し、また既存商品も、これに即した施策を展開した。商品以外でも、食育活動の強化や、原料の産地のトレーサビリティなどを進めていった」

 元々フルグラはシリアル市場でシェアトップだったが、先にも触れた通り、売上規模としては二十数億円程度。それが2011年以降、急激に成長し、現在では35%のシェアを獲得、2015年には約140億円の売上規模になる見込みだという。

「“朝食にフルグラ”というのが、1つのライフスタイルになってきている。これまではシリアル市場全体でも250〜300億円の規模で、それがずっと横ばいで来ていたが、フルグラの成長によって、この3年間の市場規模は約500億円、今後は少なくとも1,000億円規模になるのではないかと考えている。現在、国民の10%以上が朝食を採っていない。裏を返せば、1兆何千億円の新たな市場がそこに隠れているということだ。フルグラによって、新しい朝食市場が生まれていくと期待している」

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