帝国データバンクは、岩手、宮城、福島3県沿岸部の「津波被害が特に大きかった地域」と「原発事故による警戒区域・計画的避難区域(当時)」(以下、「被害甚大地域」)に本社を置いていた5004社を対象に、震災から約4年経過時点での活動状況について、2年ぶりに追跡調査した。なお、本調査の発表は2011年7月、2012年3月、2013年3月に続き4回目となる。
同社の発表によると、被災3県の中でも特に多数の犠牲者が出た「被害甚大地域」においては、多くの企業が休廃業に追い込まれた。だが、その一方で、未曾有の災害を乗り越えて今なお事業を継続し、震災前の売上水準を大きく上回る企業もここにきて出てきているという。
今回の調査で、東日本大震災発生時点で「被害甚大地域」に本社を置いていた5004社について活動状況を再確認したところ、「事業継続」している企業は3622社(構成比72.4%)で全体の7割を超えた。前回調査時(2013年2月、3645社、構成比72.8%)に比べてわずか0.4ポイント下回ったものの、この2年間で大きな変化は見られなかったという。
他方、「休廃業」している企業が1382社(同27.6%)を数え、前回調査時(1327社)から55社増加するなど、4社に1社が実質的な活動停止に追い込まれたままとなっている。過去の調査結果を見ると、2011年6月から2012年2月にかけて事業を継続している企業が20ポイント増加したが、震災発生から約1年が経過して以降、この3年は「事業継続」企業が7割強で推移していることがわかったという。
震災前の2009年度と比べて2013年度の売上高が「増収」となった企業は約半数(同51.6%)を占めた。「横ばい」(同5.5%)と合わせて、全体の約6割の企業が震災前の売上水準を回復。
業種別に見ると、震災前の売上水準を上回った増収企業は「建設業」(同71.6%)が突出。損益状況も、「建設業」の黒字企業比率が84.0%と、震災前の2009年度(同62.1%)から21.9ポイント増加するなど、利益を確保した企業が大きく増えていると発表されている。