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  • 2015/04/03

新規事業でもオフショア開発は使えるか? セカイラボ 代表取締役 大熊 一慶氏に聞く

セカイラボ 代表取締役COO 大熊 一慶氏インタビュー(前編)

新規サービスのアイディアはあるのに「社内外にエンジニアがいない」あるいは「予算が足りない」という理由で新規事業開発を断念してしまった。そんな経験はないだろうか。「セカイラボ」は、IT人材が不足する企業と、優秀で単価の安い世界各地のエンジニアチームをマッチングさせ、オフショア開発を進めていくためのプラットフォームだ。だが、本当にオフショア開発で新規サービスを実現できるのか。セカイラボ 代表取締役COO 大熊 一慶氏にインタビューを実施し、セカイラボ誕生の経緯からオフショアで新規サービス開発を成功させるためのポイントについて話を聞いた。

(聞き手/執筆は編集部 時田 信太朗)

後編はこちら

新規サービスを開発したい企業とエンジニアをつなぐ「セカイラボ」

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セカイラボ 代表取締役COO 大熊 一慶氏

――まず「セカイラボ」とは、どのようなサービスになるんでしょうか?

大熊氏:アプリやwebサービスを開発したい企業と、開発できる能力を持ったエンジニアを結びつけるようなプラットフォームを提供するサービスです。一般的な事業会社(ユーザー企業)の方々はそのノウハウを持ってない企業も多いので、セカイラボが介在することでシステム開発をライトに行える仕組みを作るということを目指しています。

――大熊氏の経歴と「セカイラボ」誕生の経緯について聞かせてください。

大熊氏:セカイラボを立ち上げる以前は、親会社のモンスター・ラボという会社に在籍していました。同社は中国に子会社を抱えており、私は法人向けに企画営業をやりながら中国のエンジニアたちと開発をマネジメントする、いわゆるオフショア開発に5年ほど関わってきました。そこで感じたのが、システム開発を発注する企業はアイデアはあっても予算感がない、またエンジニアが居なくてサービスができないという課題を抱える企業が多いということです。

 一方で受託側である中国のエンジニア側にも、人は優秀なのに、仕事を得る機会が無いという問題がありました。そこを結びつけることができれば、アイデアがないという理由だけで潰れていたサービスも救えて、優秀なのに仕事のチャンスが無いエンジニアに機会が与えられると思ったのです。

サイトから開発会社である「チーム」を選んで見積もりを依頼

――具体的なサービス内容について聞かせてください。

大熊氏:セカイラボでは、受注側の開発会社が「チーム」という形式で登録されています。1つの会社で複数チームを登録し、単価や開発スキル、実績、コミュニケーションスキル(言語)や得意ジャンルを載せられます。チームで登録しているのもあって、フリーランスよりも規模の大きな案件が対応できる仕組みにしています。

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セカイラボは、アプリやWebサービス開発を世界中のチームに
依頼できるサービス

――発注側は、セカイラボのサイトから必要なスキルに合ったチームを見つけて、気になったチームに見積もりを依頼するんですね。

大熊氏:はい。見積もり依頼があったら、まずセカイラボがプロデューサーとしてヒアリングをします。どんなチームに頼めばいいかわからないことが多いという発注企業に対して、受注するまでのサポートをしています。

――チームをピンポイントで選ぶこともでき、それが難しければ「直接セカイラボに相談する」こともできるんですか。

大熊氏:そうですね。現在は、後者の方が多いです。セカイラボは、立ち上げから半年ほどは単純なマッチングを主流でやっていたんですが、お客様側から「いきなり海外に頼むのは怖い」とか「品質の担保はどこまでやってくれるのか」という声がありました。そこで、セカイラボが窓口として一旦一次請けして、自社のリソースと開発するパートナーで組んでチームを作って、我々が入って開発を進めていくことが主流になっています。

――それは、チームとは別にセカイラボが持っている技術者ということですか?

大熊氏:はい。今はセカイラボでは中国の成都と青島、ベトナムのダナンに開発拠点があります。4月にはバングラデシュの拠点も立ち上がります。セカイラボが持っている技術者がパートナーチームのマネジメントなどの役割を果たしていくと思います。

――登録されているチームはどのような基準で選んでいるのでしょうか?

大熊氏:実績やコミュニケーション能力、IT資格などを総合して選んでいます。エントリーしてるのが300~400社くらいとすると、およそ80社まで選定して掲載しています。

――今、使われるお客さんの予算の平均はどのくらいでしょうか?

大熊氏:セカイラボが一次請けする場合と仲介の場合で予算感が違いますが、平均すると300~400万くらいです。一次請けするパターンだと、1000~1500万と大規模な案件もあります。

 もう少し詳しくお話しすると、セカイラボでは「ラボ型契約」っていう契約形態があって、これが主流の契約になっています。我々が一次請けするのは、基本的にラボ型です。半年をミニマムな期間として、最初サービスを作って、それからPDCAを回していく。半年あればリリースもできるし、ユーザーのフィードバックを受ける期間も6カ月だったら十分あります。6カ月で一旦契約を区切って、人数を減らすとか、機能を追加するといった対応を次フェーズで行います。

――請負型契約のような形態は対応していないのですか?

大熊氏:ゼロではないですが、主流ではやってないですね。

――今後も、セカイラボにおいてラボ型契約を主流でやっていくということですか。

大熊氏:そうですね。というよりも、我々がラボ型にしたいというよりは、発注企業にとってラボ型の方が向いていると思っています。

 お客様がセカイラボに相談・依頼される案件は、基本的に新規サービス開発が多く、立ち上げる時には仕様がまだ固まっていないというか、固められないのです。

 ターゲットも仮説でしかないため、そこを間違えると開発方針が全部覆ってしまうこともあります。小さくコアな部分を作ってリリースして、そこからフィードバックを受けた方が早いだろうというやり方を提唱しています。となると、開発スタイルもウォ-ターフォールな開発ではなくて、アジャイル型の開発でないと成り立たないと思います。

 アジャイル開発を成立させるのであれば、請負型でその都度見積もりをするやり方だと、時間の調整だけかかってしまって非常に非効率です。優秀な人を時間で確保して、お客さんのフィードバックが来たらすぐに仕様に反映すること、スピード感を持って対応できるラボ型が合っているのです。

【次ページ】新規開発で重要なのは「オーナーのビジョンを共有すること」

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