• 2015/05/18 掲載

アジアを中心に急拡大が予測されるEコマース市場、海外展開を成功させる秘訣とは?(2/3)

Digital River Japan 主催「グローバルEコマースサミット2015東京」開催レポート

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パナソニックやキヤノン、オムロンヘルスケアがDigital Riverを選ぶ理由

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Digital Riverジャパン
シニアセールスマネージャ
高橋 実氏
 続いて、Digital Riverジャパン シニアセールスマネージャの高橋 実氏による、同社ソリューションを紹介するセッションが行われた。

 Digital Riverジャパンは設立されて10年経つが、日本の中でそれほど認知が高いわけではないという。その主な理由は、同社の目的が海外企業の日本市場への参入支援だったからだ。しかし昨年、企業の方針が変わり、「これからは日本企業の海外進出を積極的に後押しするべく事業展開していきます」と高橋氏は言う。とはいえ国内企業に実績がないわけではない。例えばパナソニックやキヤノン、オムロンヘルスケアなどはその一例だ。

 Digital Riverは世界の大手企業を顧客に持つ。世の中にはEコマースベンダーがたくさんあるにも関わらず、なぜ多くのワールドクラスの企業がDigital Riverを選ぶのか。それは「Eコマースに必要なプラットフォーム、ペイメント、デジタルマーケティングなどのソリューションをワンストップで提供することで、素早い市場参入、高いコンバージョンレート、カスタマーライフバリューの増加が期待できるからです」と高橋氏は言い切る。

 同社が用意しているDigital River グローバルEコマースソリューションを見ればその充実ぶりがわかる。ショッピングカート機能、カタログ機能、ローカライズ機能、A/Bテスト、マーチャンダイズとプロモーション機能、サーチャンダイジング、価格設定などの機能が搭載されており、これを活用すれば世界クラスのコマースサイトを作成・運営できるというわけだ。しかもそのEコマース基盤はクラウド上で構築されているため、オンプレミスで構築するのと比べると初期投資およびランニングコストを低減できるため、ROIの向上が期待できる。短期間でのサービス開始が可能だ。「お客さまによってはバックエンドのシステムとの連携が必要になる場合があります。当社では既存システムとのインテグレーションサービスも提供しています」と高橋氏は説明する。

 支払いソリューションの充実ぶりも見逃せない。「世界をカバーするシングル決済ゲートウェイを用意しています」と高橋氏。しかもこのサービス単体だけでも利用が可能というのも嬉しい特徴だ。

 各国や各地域にあった支払い方法が選択できることも重要だが、忘れてはならないのがリスクマネジメントである。Digital RiverではPCI DSSへの準拠、不正取引防御、外国為替サービスなどのソリューションを用意し、コストとビジネスリスクの軽減を実現している。

 さらにもう1つ、同社の差別化ポイントとなっているのが、コマースビジネスインフラストラクチャーを用意していること。中でもユニークなのが、Digital RiverがMORとSORになるというスキームの提供だ。「現在242の国・地域で提供している」と高橋氏は言う。そのほかにも税金のソリューションや海外物流のソリューション、カスタマーサービスのソリューション、さらにオンラインゲーム用のEコマースソリューションについても簡単に説明した。

「日本製品は品質が良く、独創的なものが多いので、海外でも必ず評価されます。後は売り方だけ。ぜひ、当社のソリューションを活用してジャパンブランドを共に世界に広げていきましょう」(高橋氏)

 最後に高橋氏はこう会場に呼びかけ、セッションを締めくくった。

Eコマースを成功に導くためのマーケティング戦略

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Digital Riverジャパン
プログラムマネージャ
長野 江里子氏
 次にDigital Riverのデジタルマーケティングサービスを紹介するセッションが行われた。登壇したのはDigital Riverジャパン プログラムマネージャの長野 江里子氏。長野氏は冒頭、さまざまなインターネットユーザーに関するデータを提示した。

「現在、インターネットユーザーが一番多いのは中国ですが、最近、ユーザーが急激に伸びているのがブラジル。2012年から1年間で41%も増加しています。また、国や地域によってユーザーの指向や特性・特徴は大きく異なります。例えばアジアではオンラインショッピングに費やす時間が多いですが、米国では他国と比べ、ニュースサイトを読むことに使っている時間が多い。ターゲットとしている国の傾向などを分析してマーケティング戦略を採っていくことをお勧めします」(長野氏)

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インターネットユーザーが時間を費やすオンラインサイトは、国・地域によって大きく異なる

 Digital Riverはサイト訪問者の獲得、コンバージョン、顧客の保持に至るさまざまなデジタルマーケティングサービスを提供。もちろん現地に市場に精通したデジタルマーケティングエージェンシーが適切なマーケティング戦略を立案・実行するため、売り上げ増大への貢献が期待できる。サイト訪問者の獲得においては、PPC広告やアフィリエイト、ディスプレイ広告、SEOなどのサービスを提供。コンバージョンではサイトの最適化、レコメンデーション、プロモーションの最適化など、顧客の保持ではEメールマーケティングやダイナミックパーソナリゼーション、CRM戦略などを実行する。もちろんこれらの戦略を実行するには数字的な裏付けが必要だ。Digital RiverではWeb分析やクロスチャネルアトリビューション、タグマネジメント、顧客満足度分析などの先進的な分析技術により、これを可能にしているのだ。

 ではどのようなマーケティング戦略が有効なのか。「検索連動型広告はその1つ。当社では20言語以上、100か国以上でプログラムをマネジメントしており、各地域にあった検索連動型広告を展開しています」と長野氏は説明する。キャンペーンの企画からキャンペーンの管理、レポート、支払い処理、ベンダー管理までの運用を担う。この広告の目的は、関連キーワードを通じてターゲットユーザーへ関心を促すこと。そしてランディングページにて製品説明を充実させ、ブランド認知度も同時に高めることである。この方法を用いることで、製品ブランドや自社ビジネスの存在をユーザーに認識させることができる。もちろん、Digital Riverでは投資利益率(ROI)の最適化しながら運用を図っていく。

 次に有効な手段として長野氏が説明したのがディスプレイ広告である。これは「ターゲットオーディエンスに対する広範囲のブランド、製品認知に有効な手段」と長野氏は説明する。各ターゲットに添った媒体やコミュニティの選定、ソーシャルコンテンツの活用によって寄り広い層へのアプローチが可能になる。日本ではまだそれほど活用されていないが、リターゲティング広告も非常に有効な手段だと長野氏は言う。リターゲティング広告とはあるターゲットに対して適切なメッセージを送るという方法である。Digital Riverではリターゲティング広告についても相応のノウハウを有している。購入段階の各ステージに合わせて、離ターゲット訪問者へ適切なバナーメッセージを発出。これにより、離脱する顧客を軽減するだけではなく、再訪が期待できるようになるというわけだ。

 また古くからあるため、最近軽視されがちだが、「Eメールマーケティングも非常に有効なツール」と長野氏は改めて強調した。

「新規顧客の獲得や既存顧客の維持、コンテンツ戦略の実行やブランドの確立、認知度向上などが期待でき、売り上げアップに直結することができます。当社では目的別にさまざまなサービスを用意していますが、中でもユニークなのがカート離脱防止Eメールソリューション。これを導入することで、購入せずにカートのページから離れることを防げるようになります。アメリカやイギリスなどでは最近、盛んに取り入れられている最先端のソリューションです」(長野氏)

 最後にロジテックとニュアンスの事例を紹介し、いかにその国・地域に合ったマーケティング戦略の立案が重要になるかを力説した長野氏。そしてそれを実行するノウハウとソリューションがDigital Riverにはある。Digital Riverのソリューションがワールドクラスの企業で活用されている理由がわかるセッションとなった。

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