• 2015/05/18 掲載

アジアを中心に急拡大が予測されるEコマース市場、海外展開を成功させる秘訣とは?(3/3)

Digital River Japan 主催「グローバルEコマースサミット2015東京」開催レポート

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ムラタソフトウェアがDigital Riverの「My Commerce」を採用した理由

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ムラタソフトウェア
営業企画部部長
辻 剛士氏
 今回のイベントの最後に登壇したのは、ムラタソフトウェア 営業企画部部長の辻 剛士氏である。ムラタソフトウェアはセラミックコンデンサなどの電子部品を提供するグローバル企業、村田製作所の100%子会社。2008年、社内開発部門向けに開発してきたCAEソフト「Femtet」の外販を目的に設立されたという。

 「Femtet」の特徴は3つ。それは多機能、簡単操作、低コストである。「このようなシミュレーションソフトは非常に高額なモノが多い。それと比べると当社のソフトは非常にリーズナブル。村田製作所のモノ作りの現場で使われており、そのノウハウも詰まっています。国内の開発者からは高い評価をいただいています」と辻氏は言う。

 今回、なぜムラタソフトウェアが海外展開を検討したのか。その理由について辻氏は「開発環境がグローバル化し、多くの日本企業がR&D機能を海外に拠点にも持たせるようになってきました。そこで海外でも同じツールを使用したいと言われたことがきっかけです」と語る。その後、現地法人や関連企業から引き合いがあり、2014年4月から海外展開を積極的に検討することになったという。

 ソフトウェアの英語化、ホームページの翻訳などは順調に進んだが、実際Eコマースサイトの運営をどうするかでつまずいたという。最初は「Amazonの利用を検討した」と辻氏。 「当社ではダウンロード販売を予定しており、決済だけをAmazonを使うことを考えました。しかし、Amazonでダウンロード販売するには、Amazonにソフトそのものを渡さないといけないと言われました。そこでAmazonは断念。その次に検討したのはPayPalです。しかしここも税金の取り扱いに問題があることがわかりました。そんなとき紹介されたのがDigital Riverです」(辻氏)

 話を聞くと、これまで課題だった税金の処理もきちんと解決してくれるという。2014年12月にDigital Riverと話をし、3か月後にはEコマースサイトの開設にこぎ着けた。

 ムラタソフトウェアがグローバルビジネスを展開する上での課題はそれだけではなかった。1つは輸出管理の問題。

「当社は質実剛健な会社です。したがって戦争につながる武器を作るような会社には使って欲しくないという企業の意向がありました。そこでホームページで申込みを行うという方法を採用し、輸出禁止企業のチェックを事前に行っています」(辻氏)

 Digital RiverのMy Commerceを使ったことで、グローバルでソフトウェアの販売するインフラがと整備された同社だが、今はアメリカに限定しているという。「まずはアメリカでグローバルビジネスの地固めをし、徐々にヨーロッパなど他の地域、国に広げていきたい」と辻氏は意気込みを語る。Digital Riverのサポートによって、ムラタソフトウェアのグローバルEコマースがどういう発展を遂げるか、今後の推移を見守りたい。

 約4時間にわたり行われた「グローバルEコマースサミット2015東京」は盛況のうちに終了した。Digital Riverジャパンでは今後、日本でのビジネスを強化していくという。高橋氏の言葉にあったように、同社の協力の下、今後ジャパンブランドの世界進出が加速しそうだ。



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