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  • 2015/05/27

ドラゴンボールから読み解く、孫悟空的エキスパート人材を育成するための課題(前編)

連載:名著×少年漫画から学ぶ組織論(28)

鳥山明原作の「ドラゴンボール」は、累計発行部数は国内1億5700万部、全世界では3億5000万部以上を誇る超大ヒット漫画である。2015年7月には新作TVアニメの放映も決まるなど、連載終了から20年以上経った今でも人気が衰えることない同作品には、実は組織論のエッセンスが詰まっている。主人公である孫悟空と孫悟飯の間にある「親子関係」から、人材育成の普遍的な課題を考えてみたい。

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

ドラゴンボールという漫画で描かれる組織論的テーマとは?

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 ドラゴンボールという作品は誰しもが認める少年ジャンプ漫画の金字塔である。

 あらすじを紹介するまでもないが、世界中に散らばった7つの玉を集めると、どんな願いでも1つだけ叶えられるという秘宝「ドラゴンボール」と、主人公「孫悟空」を中心に展開する冒険活劇漫画だ。

 形式としては、シンプルな勧善懲悪式の少年バトル漫画である。描かれるのは、次々と主人公の前に立ちはだかる敵との戦いの日々で、登場人物達は、とにかく修行と戦いを繰り返していく。かといって、辛く苦しい雰囲気はなく、独特のコメディも織り交ぜて描かれるストーリーが、痛快で楽しい印象を醸し出している。

 ドラゴンボールと組織論の関係性は一見薄いように思えるかもしれない。組織の本質とはマネジメントであり、作中で描かれるような一対一の戦いにおいてはマネジメントは不要である。戦いの描写に関しても、戦略性という概念も薄いからだ。

 しかし、ドラゴンボールには組織論の観点で見逃せないポイントがある。それは、主人公である孫悟空と孫悟飯の「親子関係」だ。ここに組織論のエッセンスが詰まっており、組織で生きる人々にとって、極めてクリティカルな問題意識を投げかけている。

 今回のテーマがどのシーンかと言えば、「人造人間・セル編」という名称で知られる一遍のクライマックスである。

(悟空)
悟飯が怒るのをまつんだ・・・!
・・・あいつはたぶん・・・怒りで真の力が開放され
一気に恐ろしい強さをみせてくれるはずだ
・・・セルを倒すには・・・たったひとつ・・・
悟飯の その力に期待するしかねぇんだ・・・

(セル)
怒れ!まだか!!
痛かろう!!怒りがこみあげてくるだろう!!

(悟飯)
ぎゃ・・あ・・ああ・・あ・・・

(ピッコロ)
悟空…きさまは間違っている!
悟飯はきさまのように闘いが好きじゃないんだ・・・
その作戦悟飯はちゃんと知っているのか?ちゃんと話し合ったのか?
今悟飯が、何を思っているか分かるか!?怒りなんかじゃない!!
なぜ、お父さんは僕がこんなに苦しんで死にそうなのに助けてくれないんだろう・・・
僕の命よりフェアな男らしい勝負の方が大切なんだろうか…と…忘れるな…!!
実力はナンバーワンになっても、あいつはまだ子供だ…!!

(『ドラゴンボール』 34巻 其之四百五 怒るか孫悟飯より)
【次ページ】カリスマ的なエキスパート、悟空が悟飯にかける期待

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