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  • 2015/07/09

インドで美容サロンとコンサル事業を経営する起業家が持つ、2つの視点

起業家・板倉沙織氏

インド・デリー郊外の新興地に佇む美容サロン「Tokyo Salon」。経営者の板倉 沙織氏はもともと、日本の商社で半導体の海外営業を担当していたという経歴の持ち主だ。そんな彼女がなぜ、ひとり成長と混沌の国インドへと渡り、キャリアとはまったく異なるフィールドへ足を踏み入れたのか。そして現地スタッフと肩を並べてネイルやヘア、フェイシャルのサービスを提供するようになったのか。インド・デリーで起業するまでのストーリーと現在のビジネス、デリーでの暮らしについて話を聞いた。

レバテックフリーランス 「世界のフリーランス

インドにボランティア・ビジネスの両面で可能性を感じた

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――海外でビジネスをしたいと考えたきっかけは、どのようなものでしたか。

板倉 沙織氏(以下、板倉氏):学生時代に国際協力活動に興味を持ち始めたんです。カンボジアやラオス、インド、ケニアなんかをスタディツアーで訪れて、ボランティア活動に参加してみたり。少しでも開発途上国の方の役に立ちたくて、大学の仲間と団体を立ちあげてフェアトレードをやってみたりもしました。

 そのなかで本当の意味での貢献とは何かを考えるようになり、途上国がサスティナブル(持続可能)に成長できる仕組み作りが大切だということ。実現にはボランティアとビジネス、両方の視点を持って行動するのが近道だということを学びました。それでいつしか海外で起業したいと考えるようになりました。

――数ある国のなかで、なぜインドを舞台に選ばれたのでしょうか。

板倉氏:ボランティアでもビジネスでも、需要がある国を探していました。インドは今後、著しい発展が見込まれる新興国ですが、1日8ドル以下で生活する人が世界一多い国です。

 1991年から経済改革が行われて、外国資本による直接投資が開始されたものの、外資系企業への市場開放はまだ道半ばの状態。ボランティアビザも取りにくく、外資系のNGOは設立が困難です。そのため国際的な支援も受けにくい状態にあり、世界中で実績がある青年海外協力隊ですら、活動が制限されてきました。当然、日系企業の進出も遅れています。

 しかし、インドは2050年には世界一の人口を抱える国になると言われてます。そこに大きな可能性を感じたんです。遠く離れた日本からではなく、しっかりとインドに根付いてビジネスを行いたい。そう思ってインドの大地に降り立ってからは、本当にあっという間でした。もう3年が経とうとしています。

――日本にいた頃は、どういったお仕事をされていたんでしょうか。

板倉氏:新卒で半導体を扱う商社に入社して、四年にわたり海外営業を担当していました。今でも半導体業界のことは好きですし、気になります。商社時代にお世話になった先輩たちがインドに赴任してきているので、半導体業界の情報を仕入れることも多いです。

 エレクトロニクス大国を目指すインドでは、多額の補助金や税制優遇が行われて、半導体産業も成長を続けています。先輩たちからそういう話を聞いては、ニヤニヤしていますね。

――デリーでのお仕事について伺えますか。

板倉氏:大それているのかも知れませんが、“インドと日本、そして世界を結びたい”という志があり、2013年1月からデリー郊外のグルガオンで「Yui creative Private Limited」というコンサルティング会社を経営しています。

 起業当初から実施しているインターンシップや留学生の斡旋事業(アーユルベーダ・ヨガ、英語、ヒンディー語)を始め、 日系企業のインド進出をサポートしたり、日本のリサーチ会社と提携して、インドでのリサーチ案件も引き受けています。そして、日系複合美容サロン「Tokyo Salon」の運営です。

インドで美容サロンを始めた理由とは?

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――いくつもビジネスを展開されるなかで、なぜ美容サロンを始められたんでしょうか。

板倉氏:ここデリーではまだ、日本のように高い美容技術を用いたサービスを提供するビューティーサロンが少ないんです。例えばヘアについて言えば、日本では定番のデジタルパーマもまだまだ浸透していないですし、日本のように繊細なカットの腕を持った美容師も珍しい。

 ネイルについてもサロンの数は増えてきていますが、日本並みの細やかなテクニックとサービスを売りにする店舗はほとんどありません。だから在デリーの日本人向けに、日本と変わらない美容サービスを提供する場を設けたらニーズがあると思いましたし、インドの方にもジャパニーズ・ビューティーを売りにした美容サロンは響くはずだと踏んだんです。

――美容サロンではどんなサービスを提供されていますか。

板倉氏:日本の製品や機材を用いて、ネイルやヘア、フェイシャルのサービスを行っています。昨年始めたまつ毛エクステは、インドでも日本にいた頃と同じようにお洒落を楽しみにたいという日本人のお客様を中心に好評です。また、ジェルネイルについては、日本の「カワイイ」や流行を取り入れたデザインを気に入って、リピートしてくださるインド人のお客様も少しずつ増えています。

 スタッフは日本人のプロフェッショナルたちと、日本人プロフェッショナルによる教育を受け、日本の技術を身につけたインド人スタッフたちです。インドならではの習慣や文化の違いから、サロンの営業やスタッフの教育において苦労することもありますが、その分得られるものがたくさんあります。

【次ページ】多様性に富んだ国、インドだからこそ注意すべきこと

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