- 2017/05/18 掲載
「破壊的な料金設定」フェイスブック、企業向けチャットやSNSを日本で本格展開
Workplaceは、2016年10月に米国で正式に開始した企業向けのコラボレーション&コミュニケーションサービス。フェイスブックライクなSNSとチャットツールなどを備える。
個人向けとは完全に分離したビジネス用のドメインを使い、投稿データの所有権は企業が保有する。また、Azure ADやG Suite、Oktaなどと連携したSSOなども可能で、SOC2を含めたセキュリティ、カスタマーサポート、分析サービス、管理サービスなどを備える。一方で、個人向けにある広告などは表示されない。
また、個人のアカウントとは完全に切り離されているため、企業向け専用のモバイルアプリを提供する。フェイスブック本体とは別のアプリを導入する必要があり、SNS用アプリとチャット用アプリの2種が提供される。
実はフェイスブックでは2011年にグループ機能を作ってから「裏で仕事をするためのグループが作られていた」(Workplace事業 アジア太平洋地域責任者 ナクル・パテル氏)という。その後、その開発を企業向けにプロジェクト化し、2014年6月からは「Facebook at Work」という仮の名称でベータサービスを開始。2016年10月に米国で正式ローンチとなった。
水面下で開発が進められてきたため、正式ローンチからあまり時間は経っていないが利用企業は多い。海外ではダノンやスターバックス、Booking.comなどがすでに利用をしており、「日本でもすでに300社以上が利用している」(パテル氏)という。
Workplaceのメリットは大きく4つある。1つ目は使い慣れているということ。「誰もフェイスブックの使用方法のマニュアルを見たことがないはず。メッセンジャーに関しても同じ」(パテル氏)。
2つ目はモバイルファーストであるということ。これまでの取り組みの中には企業向けメールアドレスがないユーザーもいたという。
3つ目は従業員のためのSNSではなく、仕事をする場そのものであるということ。「全従業員のワークフローを置き換える」という。
4つ目は分離とセキュリティ。パテル氏は「Workplaceは単にツールを導入するというより、むしろビジネスを運営するやり方に近い。魔法のような変革をもたらすだろう」とアピールした。
料金プランは、プレミアムとスタンダードの2種類。スタンダードは完全無料だが、プレミアムも9月末までは無料。その後、プレミアムは利用規模に応じて課金する(ただし、大学とNPOはその後も無料)。具体的には1か月のアクティブユーザー数が1000名以下の場合は1名あたり月額3ドル。1000名から10000名の場合は同2ドル。それ以上の場合は同1ドルとなる。「創造的、破壊的な料金設定にした」(パテル氏)。
企業向けチャットツールはLINEなども参入して乱戦模様だが、Workplaceの中で特徴的なポイントがF8でも発表されたチャットボットだ。たとえば、経費精算のボットではボットに経費精算を呼びかけて、ボットにしたがって回答したり、領収書をアップロードしたりすれば、承認者に承認申請が行われ、そのまま経費精算も行えるといったことが可能だ。
また、Workplaceは単なるチャットツールにとどまらず、グループウェアやワークフローツール、プロジェクト管理ツールとしての利用も可能になる。
パテル氏は「コミュニケーションの大きな方向転換が起きている。テクノロジーの世界が急速に変化しているのが理由だ。今後、労働人口の労働人口の50%がミレニアル世代になる。彼らは経営トップと対話を持ちたいと考えるようになる」と強調。スターバックスでは新CEOが従業員や株主向けに動画を使ってライブ配信し、その内容について活発にコメントを受け付けたエピソードを紹介した。
現在、導入支援を手がける企業はSlash、サテライトオフィス、FPTの3社だが「今後も順次増やしていく」(Workplace事業 アジア太平洋地域担当グロースマネージャー 豊田 哲太郎氏)という。
■修正履歴[2017/06/12 16:22]
誤)1000名から9000名の場合は同2ドル
正)1000名から10000名の場合は同2ドル
■修正履歴[2017/05/18 10:33]
誤)ダノン氏
正)パテル氏
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