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- 2017/11/22 掲載
ソフトバンク「ロボット革命」の本気度は? 「SoftBank Robot World」展示レポート
ボストン・ダイナミクスやBrain、進化したPepperなど
ボストン・ダイナミクスの「Atlas」や「Spot」が初見参!
「SoftBank Robot World 2017」の展示会場は地下1階にあるが、会場に入ると最初に目に飛び込んでくるのが、今回の大きな目玉となるロボットだ。ソフトバンクがこの6月に買収したボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)の代表的なロボットである。同社は「BigDog」や「Handle」などの先進的なロボットを開発している企業として知られている。入口に展示されていたのは、ヒューマノイド型ロボット「Atlas」と4脚歩行型ロボット「Spot」の2体だ。最新のAtlasは、先ごろ驚異のバク宙を決め、その高い技術とロボットの可能性を世に知らしめた。今回は静態展示のみで実際に動くことはなかったのが、やはり本物を間近に見られることもあって、かなりの人だかりができていた。関係者によると、ロボットのバッテリーの到着が間に合わず、展示のみになったとのことだ。
また「Spot」も、どっしりと鎮座していた。このロボットの特徴は、油圧で駆動することだろう。一般的に油圧駆動の場合は、制御が難しくなるが、その一方でパワーが出るというメリットもある。LIDARとステレオビジョンなどの各種センサーを組み合わせ、かなり荒れた土地や雪の中など、過酷な環境でもバランスを保ちながら、安定した移動が行える。最大可搬重量は23kgで、約45分間の連続稼働が可能だ(バッテリ満充電時)。
なお現在、ボストン・ダイナミクスでは、Spotの後継機となるタイプで、小型かつ完全電動の「SpotMini」も開発中だ。
視覚ベースのAIモジュールを搭載した清掃ロボットのデモも実施
もう1つ目玉といえるのが、Brain CorporationのAIモジュールを搭載した業務用清掃ロボットだ。同社は、ソフトバンクの10兆円ファンド「Softbank Vision Fund」の出資を受け、約128億円を調達した企業だ。ただしBrain自体は、ロボットを開発しているわけではなく、その頭脳にあたるAIモジュールを提供。同社の「AI as a Service」を利用すれば、一般機械が自律走行ロボットに早変わりする。Brain Corporationは、視覚ベースのAIによって、特にナビゲーションにおける安全性に注力。多くの人がいる店舗などでも、複数のセンサーで予期せぬ人や障害物を避けながら、安全にロボットを移動・停止させる技術を持つ。
会場では、この清掃ロボットのデモが行われた。まずマニュアルで走行後、ロボットがマップを作り経路を記録。その後は自律的に動いていた。日本では2018年夏に発売する予定だが、すでに米国の商業施設や空港で導入が進んでおり、国内でも清掃業界の人材不足を解消する一手になりそうだ。
同様の移動ロボットとしては、シャープの磁気誘導方式の無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)「XFシリーズ」も目をひいた。もともと同社の工場内で活用されていたものだが、このAGVの特徴は他社よりも小型・軽量であるにも関わらず、牽引力が大きいこと。たとえば超小型タイプは外形が835×480×190㎜で、積載許容重量200㎏、牽引重量は500㎏だ。搬送ユニットにはカート型、コンベアユニット、カゴ車などのバリエーションを用意しているという。
トランスフォームロボットや建設機械遠隔操縦ロボットも!
子供も大人も喜びそうな、人型と車型相互に変形可能なロボット「J-drite Ride Quarter」(ジェイダイト)を展示していたのは、ジェイダイド・ライド有限責任事業組合だ。同組合は、ブレイブ・ロボティクス(BRAVE ROBOTICS)と三精テクノロジーズ、アスラテックの3社によって設立され、実際に本当に人が乗れる全長4mのロボット「J-deite RIDE」を現在開発しているところ。リアル・トランスフォーマーの実現も、すぐそこまで来ているようだ。またアスラテックのロボット制御システム「V-Sido」を採用した、カナモト・富士建の建設機械遠隔操縦ロボット「DOAK ROBO3」も展示。こちらは汎用建機に双腕双脚ロボットを取り付けて、見通し200mの遠隔からオペレーターが無線(5.6GHz、4回線)で操縦できる。国土交通省が実施した「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入現場実証」にも参加し、有用性も確認済だ。デモでは、実建機をベースにしたコックピット型コントローラーから、仮となる玩具の建機を操縦していた。
【次ページ】さらなる進化を遂げたPepper、Azureとの連携も
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