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  • スペシャル
  • 2018/07/17

世界初生んだ老舗メーカーが明かす、営業変革成功の秘訣と苦労こぼれ話

兵庫県西宮市に本社を構える古野電気は、世界で初めて魚群探知機の実用化に成功し、船用電子機器分野において数多くの製品を提供してきた企業だ。さらに、これまで培ってきた無線技術などを生かした新事業を展開している。その際に課題となったのが営業活動や顧客の管理だ。こうした課題を解決するためにどう取り組んだのか。古野電気 システム機器事業部 事業管理部企画課 GNSS・通信ソリューション担当課長 永田 靖徳氏らが語った。

新規事業の営業活動の課題をCRMで解決

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兵庫県に本社を構える古野電気
 魚群探知機の実用化以降も、古野電気は船用電子機器分野において独自の超音波技術と電子技術を基に数多くの製品を提供してきた。世界80カ国以上に販売拠点を持ち、世界規模の船用電子機器メーカーとしての確固たる地位とブランドを築き上げている。

 現在は、船用電子機器で培ったGPSや無線技術を陸上にも展開している。たとえば、ETC車載器や車両の高精度測位に特化したGPS受信機だ。また、それらを組み合わせた新規事業として、車両の動態管理や入退管理システムをマンションや事業所向けに提供するなど、車両管理ソリューション事業として積極的に拡大展開している。

 古野電気の永田 靖徳氏は「こうした新規事業などを展開するに当たり、営業活動でいくつかの課題を抱えていました」と説明する。

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古野電気の永田 靖徳氏
 ネックとなっていたのは、営業担当者の活動管理だった。営業の現場では、担当者の勘や経験に頼る営業スタイルが取られ、顧客とやり取りにおいて「どういうプロセスでどういうタスクが動いているのか」が把握できていないという課題があった。

 また、担当営業によって報告がバラバラで、受注予測が営業担当者の感性に依存するなど「どういうプロセスで見積もりを出して、どれくらい経つのかが可視化できていなかった」という。さらに、単に予算を達成して終わりではなく、過去の成功事例と失敗事例を共有して再利用しようという社内の声も上がっていた。

営業活動の3つの課題を解決する目的でDynamics 365を導入

 そうした課題解決のツールの導入を検討していた同社では、製品検討を進めて最終的にマイクロソフトのCRMアプリケーションである「Microsoft Dynamics 365」(以下、Dynamics 365)の導入を決定した。

 導入の目的は「新規事業拡大の案件管理」「プロセス・タスクの可視化」「成功・失敗事例の共有と再利用」の3点だ。

 システム構築に当たっては、システムインテグレーターのシーイーシーが支援した。シーイーシー サービスインテグレーションビジネスグループ 第二営業部部長の土岐 直路氏は「当社はマイクロソフトのパートナーとして、10年以上にわたりDynamics導入支援サービスを展開してきました。CRMに関するサービスに携わることで蓄積されたノウハウが強みです」と自社の優位性を説明した。

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シーイーシー サービスインテグレーションビジネスグループ 第二営業部部長 土岐 直路氏

なぜDynamics 365なのか? 4つの理由

 Dynamics 365は、CRMやERP、マーケティングや営業支援(SFA)、コールセンター向けカスタマーサービスなど豊富な機能を標準で装備した統合型業務アプリケーションだ。企業に必要な業務アプリケーションを包括的に提供し、分析ツールや機械学習、IoT連携ハブ、オフィスコミュニケーション基盤などと標準連携する。また、導入顧客数は85,000社以上という豊富な実績を持つ。

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マイクロソフトの全体ソリューションイメージ
 Dynamics 365に決めた理由について、永田氏は「分かりやすい画面構成、Excel連携による編集のしやすさ」「ダッシュボード、プロセス管理による可視化」「アラーム機能による気づきの仕組み」「クラウドサービスによる初期導入コストの低減」などを挙げた。

 同アプリケーションの特長の1つに、マイクロソフトのOffice製品とのシームレスな連携が挙げられる。「実際、ExcelやOutlookと連携しやすいということで、現場でも馴染みやすかったです。特にExcel Onlineを活用して、活動情報や案件情報の登録・編集が容易に行えます」(永田氏)。

 また、データのグラフ化や分析用データの整理などにも役立てることができた。さらにダッシュボード機能によってプロセスを可視化するなど、その使い勝手に満足しているという。

 永田氏は「ダッシュボードは、月1回の営業会議で使用しています。以前の営業会議では、それぞれの課長が自部門の売上進捗状況をアピールする場でしたが、今は受注や失注などの現状分析と次月度のアクションプランが連携した『戦略会議』に変化してきています」と説明する。

 同社では、Outlookとの連携についても高く評価している。メール受信時には送信先アドレスを基にCRMが検索され、取引先の連絡先や問い合わせ、営業案件など取引先に紐づいたデータが表示される。そうしたアラーム通知機能による気付きの仕組みが日々の活動を支えているのだ。

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Office 365とのシームレスな連携
 加えて、クラウドサービスであることから、「初期費用をスモールスタートで展開できる点なども踏まえ、Dynamics 365の導入に踏み切りました」と永田氏は振り返る。

 今後、メーカーという立場から期待しているのが「Dynamics 365 for Field Service」だという。同サービスは、現場での設置や修理、工事などのフィールド業務を効率的に管理・実施するというもの。スケジュールを最適化し、予測ツールを活用して、保守サービスの訪問などを可能にする。

 古野電気の車両管理ソリューション事業においても、現地での機器設置作業やアフターサービス、業者との打ち合わせなど、幅広い活用の拡大を検討している。


商品起点」から「お客さま起点」へ

 Dynamics 365を導入したことで、古野電気では多くのメリットを享受できた。たとえば、従来は「商品起点」でデータを管理していたものが、Dynamics 365導入により「お客さま起点」になったという変化だ。

 お客さまに対して複数の商品の営業担当者が訪問した場合でも、そういった活動情報をより簡単に共通化・共有化できるようになった。「経営層や役員、部門長、所属長、他の営業担当者と、営業担当者が『いつでも』『どこでも』『クラウド間で』商談報告などを把握できるという共通化・共有化が実現できました」(永田氏)。

 また、永田氏はデータ分析における「定性・定量分析」の容易さもメリットだと説明する。従来、現場の営業担当者からの声は曖昧な情報となり、データ分析には活用できないこともある。Dynamics 365では客観的な指針を持ってデータベース化することで、定性分析も可能になった。

 Dynamics 365導入によって多くのメリットを享受した古野電気だが、導入に至るまでにはいくつかの苦労も伴ったという。その1つが「営業担当者にツール導入の必要性を理解させる」こと。永田氏は「ツールを導入すると、営業活動にこういうメリットがある」ということを理解させるために、最初は一人ひとりに説明することをやってきたと振り返る。

 また、CRM活用による経営層や管理職の意識改革も必要だったという。同社では経営層の深い理解により、最終的に「トップダウンによるCRM活用」を実現している。さらに、情報システム部門などの関連部署の理解と協力がなければ、Dynamics 365導入は実現できなかったと説明する。

 同社では「ツールを入れて放ったらかしではなくて、ツールをどう活用していくか。既存の基幹システムと連携をどうするか」という点に関して、調整役やファシリテーターという役割を担う担当者をきちんと配置したことも導入への足掛かりになっていた。

Dynamics 365を活用して4つの業務改善を実施へ

 古野電気では今後、Dynamics 365を活用した業務改善の実現に向けて主に4つの取り組みを進めるという。

 1つ目が「上司・部下間のコミュニケーション強化」だ。Dynamics 365は、営業担当者が提出する報告書に対して上司がコメントできる機能を備えている。これを応用して、他のメンバーとも共有できる「コミュニケーションツール」として発展させることを視野に入れている。

 2つ目が「複数事業分野への水平展開」だ。同社では主に新規事業分野でDynamics 365を活用しているが、これを既存事業でも活用を図るという。複数事業に展開することで新たな気付きを得ることにもつなげる狙いがある。

 3つ目が「Office 365の導入によるOutlookとのさらなる連携」だ。永田氏は、自社独自の課題としてスケジューラー管理をより容易にすることを目指すと説明する。そのために、同社では「Office 365」の導入を検討予定だ。

 4つ目が「中期計画(事業計画)への活用」だ。CRMの定性・定量的なデータを活用して、自社の中期計画の策定におけるビジョンに反映させていきたいと考えているという。

 CRM導入に当たっては、導入目的と導入効果を明確化する必要がある。また、それを可視化することで経営層から現場の担当者までが導入メリットを理解することが求められる。今回紹介した古野電気のアプローチは、CRM導入を検討する企業にとって参考になるといえるだろう。

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