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- 2019/06/14 掲載
SDGsカードゲーム「2030 SDGs」とは? 社会的課題の解決をどこまで体感できるのか
SDGsを理解できる体験型カードゲーム「2030 SDGs」
企業においては、CSR(企業の社会的責任)が慈善事業や単なるコストとしてしかとらえられず、持続可能(サステイナブル)な社会への貢献と結びつけられていない場合が見受けられる。ミレニアル世代の73%は「サステイナブルなブランドの商品は割高でも問題ない」と考えているという調査がある中、持続可能性と利益追求は相反するものではなく、むしろ知恵を絞って戦略的に相乗効果を狙うべきものだ。
環境・経済・社会の問題とその取り組みについて理解を深めるため、「2030 SDGs」というカードゲームが作成され、話題を呼んでいる。SDGsとは、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するべき17分野の目標から成る。SDGsに馴染みのなかった人でも、カードゲームを通じて、楽しみながら「SDGsとは何か」「開発目標を達成するための難しさはどこにあるのか」を体験して理解できる。
具体的なルール、遊び方
「2030 SDGs」は5~50人が参加できるゲームであり、各参加者が国の代表者となって、地球全体を構成する。各個人には自分が追求する目標として、「大いなる富」「悠々自適」「貧困撲滅」「環境保護」「人間賛歌」の5種類が与えられる。経済的な豊かさや時間的な余裕といった、人によって異なる多様な価値観を表している。さらに、プレイヤーには「プロジェクト」と呼ばれるカードと、そのプロジェクトの実行に必要なお金と時間という資源が割り当てられる。プロジェクトには、交通インフラの整備や再生可能エネルギーへの切り替えといった施策が含まれる。
プロジェクトを実行するたびに、環境・経済・社会のそれぞれを定量化した「世界の状況メーター」が変動する。各プロジェクトは「経済を発展させる一方で、環境には悪影響を与える」といった設定を持ち、プレイヤーが実行する施策が世界の状況に影響をもたらす。
個人の目標ばかり追求してプロジェクトを進めると、環境が極端に悪化するなど、世界の状況が偏ってしまう場合がある。しかし、世界の状況ばかり気にして、自己の目標を達成できなければ成功とはいえない。異なる目標・価値観を持ったプレイヤーが、お互いに交渉したり連携したりして、1つの世界をより良い方向に導いていく様子を体験できるのが「2030 SDGs」の本質だ。
ゲーム終了後は、各プレイヤーの行動の振り返りやビジネス事例の議論を行い、実務においてどのように活用するべきかを理解する時間がとられる。「2030 SDGs」はイマココラボとプロジェクトデザインによって開発されたものだ。
【次ページ】オリンピックでも問われる日本の取り組み
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