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  • スペシャル
  • 2019/12/04

DXのためのマイグレーション最前線、RPA・超高速開発など新潮流も (2/2)

事例1:低コスト短期間の移行を実現した保険会社

 続いて、東京システムハウス マイグレーションソリューション部 係長の岩下 峻氏が、実際の事例2つを紹介した。

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東京システムハウス
マイグレーションソリューション部 係長
岩下 峻氏

 1つ目は、ある保険会社のマイグレーション事例だ。その企業ではメインフレームのランニングコストが高いという課題があった。その上、アセンブラのリソースを使っているにも関わらず、自社内で開発できるメンバーがいなくなってしまい、ブラックボックス化していたという。また、既存システムは、改修が頻繁に必要となる為、プロジェクト開始前から次の改修が決定されており、短期間でのマイグレーションが必要とされていた。

 分析したところ、COBOLのプログラム資産が1000本ほどあり、たった1本のアセンブラがファイルアクセスを集中管理している仕組みになっていた。そこでMMSではCOBOL資産を再活用して、短期間で移行することにした。

 アセンブラに関しては、まずマニュアルやソースレベルで解析をかけて仕様を明らかにした。これは、ブラックボックスをひもとくためだ。さらには、マニュアルの内容すべてを移行するのではなく、現在使っている必要な機能に絞り、保守性も高めた。

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ある保険会社が抱えているシステムの資産数と課題

「他システムとの連携をどうするか考え、二段階移行によるリスク分散を行いました。まずマイグレーションを行い、その後で開発してシステムを連携することにしたのです。マイグレーションする際には費用がかさむので、棚卸しをしてスリム化してもらう工夫をしています」(岩下氏)

 マイグレーションする際は、主としてCOBOLソースに集約。JCLの部分は同社のAJTOOLを使ってユーティリティーなどに代替させる。AJTOOLのおかげで、短期間かつ高品質の移行が可能になっている。

 結果、既存のメインフレームからの脱却に成功し、Windows サーバで動くCOBOLへの移行が完了した。予定通りのコスト・期間で無事に収まり、現在でも安定稼働中だ。

 ブラックボックス化していたアセンブラやEasytrieveもCOBOL化され、見通しの良いシステムに変更された。一部、アセンブラの部分でレスポンスの課題が発生したが、プロジェクトの初期で発見できたため、プロトタイプフェーズで対応し、後行程に問題を残すことがなかった。必要な機能のみ移行するという形でシステムのスリム化も実現。これからは、オープン系システムとの連携を進めていくという。DXの第一歩を踏み出せた例と言えよう。

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AJTOOLを活用してバッチ処理を実現する

事例2:「オープンレガシー」からの転換を果たしたにんべん

 もう1つ紹介されたのが、創業320年の食品メーカー、にんべんの事例だ。同社の基幹システムは、元々は国産メーカーのメインフレーム及びオフコン(オフィスコンピューター)で開発が進められ、一度ACUCOBOLのWindowsで動くCOBOLにマイグレーションしていた。

 しかしその後、ACUCOBOLが国内で販売終了。最新のWindows OSに対応できない状態になってしまった。また、クライアントサーバモデルで構築していたので、何か変更があるごとに150台の全端末にモジュール配信する作業が運用コストを押し上げていた。COBOLを扱える技術者の確保も困難になり、いわゆるオープンレガシー(オープンシステムのレガシー化)になってしまうという課題があったのだ。

「COBOLのプログラム資産は全部で671本もあったため、今後も活用し続けることにしました。Visual COBOLを採用し、他システムで利用している.NETとCOBOLを連携させたのです」(岩下氏)

 ACUCOBOLでは独自の拡張機能を利用していたが、これについては.NETの標準機能で代替するような開発を実施。最後に、WindowsのMicrosoft RemoteAppの機能を利用して、クライアントサーバモデルからシンクライアントモデルに移行することにした。

 移行前の旧環境では、本社のDBサーバに対して各PCに設定されているCOBOLモジュールが接続してシステムが動いている状態だった。今回のマイグレーションでは、APサーバにCOBOL資産を集約して、APサーバからのみ、DBサーバに接続するという方式に切り替えた。一方、クライアントからはWindowsのRemoteAppの機能を使って、APサーバに接続するシンクライアント構成に変更している。

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COBOLのマイグレーションと同時にシンクライアント構成への移行も実現した

 1年半のプロジェクトだったが、東京システムハウスの開発に合わせ同時並行的に、にんべん側で受け入れテストを行うことで、効率的に課題を発見しスムーズにプロジェクトを進められたという。

 上記の2社の事例に限らず、すでに各社はIT基盤の刷新を進めている。今後はAIやRPAなどの最新技術を適用した移行事例も出てくると見られている。実際、すでにRPAとAIを組み合わせたレガシーマイグレーション事例も国内には存在しているという。

 “2025年の崖”の前に何をすべきか、企業は判断を迫られている。最後に岩下氏はこのように講演を締めくくった。

「長年メインフレーム・オフコンマイグレーション、オープンレガシーの刷新を行ってきている我々に、ぜひ何でもご相談ください。お客さまのIT資産を未来に継承できるよう、努めます」

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