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  • 2020/06/20

【図解】国家試験「ITパスポート」とは? もはや社会人の必修科目と言えるその内容

令和元年度の受験者は10万人に上り、メジャーな資格となりつつある「ITパスポート試験」。実は、コンピュータ技術に関する内容だけでなく、ビジネスパーソンならば必ずおさえておきたい知識が集結しています。ここでは、ITパスポート試験がどのような試験であるのか、概要から頻出用語までを解説します。

高橋 京介

高橋 京介

1980年生まれ。群馬県高崎市出身。米国サンノゼ州立大学卒業。
主な著書に『絶対に挫折しないiPhoneアプリ開発「超」入門』(SBクリエイティブ刊)など。好きな食べ物は辛みそラーメン。趣味はボルダリング。

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国家試験「ITパスポート試験」とは
(Photo/Getty Images)

ITパスポート試験とは

 ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する日本の国家試験です。ITパスポート試験の公式サイトでは、ITパスポート試験を次のように定義しています。

ITパスポート試験とは、ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験


 ITパスポート試験には、受験資格(年齢・性別・学歴・国籍・受験に必要な資格など)はありません。誰でも受験できます。実際、ITパスポート試験に応募した人の総数は97万人を超えており、そのうち、社会人が59%、学生が41%となっています。また、社会人のうち、IT企業に勤めている人が43%、非IT企業に勤めている人が57%となっています(注1)。
注1:出所 https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/result.html

 このことからも、ITパスポート試験が、IT企業に勤める専門的なエンジニアだけでなく、広く社会人全般・学生全般に向けた国家試験であることがわかります。経済産業省がITパスポート試験を実施する目的は、この試験の学習を通じて、すべての受験者に、現代社会で活躍するために必要なITの基礎知識を身に付けてもらうことです。

●ITパスポート試験の概要
概要 説明
受験資格 なし(誰でも受験可能)
受験料 5,700円(税込)
試験会場 全国47都道府県の計110カ所
実施時期 ほぼ毎日(受験可能日は試験会場によって異なる)

●ITパスポート試験の受験案内と合格基準
試験内容 説明
試験形式 CBT方式(コンピュータを使った試験)(注2)
試験時間 120分
出題数 100問
出題形式 四肢択一式(4つの選択肢から正確を1つ選ぶ)
合格基準 以下の2つの条件を両方とも満たすこと
【条件1】
全体で60%以上に正解すること
【条件2】
各分野でそれぞれ30%以上に正解すること(注3)
・ストラテジ系分野:30%以上
・マネジメント系分野:30%以上
・テクノロジ系分野:30%以上
合格率 52.7%(2018年4月〜11月)
注2:身体の不自由等によりCBT方式で受験できない人は、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、ペーパ方式によって受験できます。
注3:ITパスポート試験の出題内容は大きく「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つの分野に分類されます。

どんな問題がでるの?

 ITパスポート試験に出題される問題は、大きく次の3つの分野に分類されており、分野ごとに出題される問題数や試験問題に出題傾向があります。

●ITパスポート試験に出題される問題の分野
分野 説明
ストラテジ系 簡単にいうと経営者の仕事に関する内容。ストラテジとは「戦略」のこと。この分野からは、企業活動や法務、経営戦略、システム戦略などに関する問題が出題される
マネジメント系 簡単にいうと管理職の仕事に関する内容。この分野からは、開発技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどに関する問題が出題される
テクノロジ系 簡単にいうとコンピュータの仕組みに関する内容。この分野からは、コンピュータの基礎理論やコンピュータシステム、技術要素(データベースやセキュリティなど)に関する問題が出題される

●分野ごとの出題内容(公式のシラバスの内容)
分野 説明
ストラテジ系 ・企業と法務
・経営戦略
・システム戦略
マネジメント系 ・開発技術
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント(システム監査など)
テクノロジ系 ・基礎理論(アルゴリズム、プログラミングなど)
・コンピュータシステム(ソフトウェア、ハードウェアなど)
・技術要素(データベース、セキュリティなど)


 まずは「ITパスポート試験では、テクノロジ系以外のことも出題される」ということを覚えておいてください。ITパスポート試験が情報処理技術者試験の一区分であることから、「ITパスポート試験=テクノロジ関係の試験」という風に思っている人が多いのですが、これは誤りです。

 過去問題の傾向を分析すると、「テクノロジ系以外のことも出る」ではなく、「テクノロジ系以外の問題のほうが多く出題される」ことがわかります。ITパスポート試験では法務、財務、マネジメントといった、一見するとITには関係なさそうなこともたくさん出題されます。

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分野別の出題数

 上のグラフを見ると、昨今急速に重要度が増している「セキュリティ」に関する問題が突出して多く出題されていることに加え、「企業活動」や「法務」に関する問題が多く出題されていることがわかります。

 ITパスポート試験に効率よく、最短で合格するためには、こういった出題傾向を把握しておくことが大切です。ITパスポート試験の出題範囲はとても広いため、無策のまま、ただひたすらに暗記していく勉強方法は効率がよいとはいえません。

問題の半分以上が「経営や業務」について

 「ITパスポート試験ではコンピュータのことが主に出題される」と思っている人が非常に多いです。しかし、ITパスポート試験では意外なことに、コンピュータ(テクノロジ)に関する問題は半分も出題されません。半分以上の問題では「会社や経営、業務に関すること」が問われます。

【過去に出題された問題】
経営理念を説明したものはどれか。(平成21年度出題)

  • ア.企業が活動する際に指針となる基本的な考え方であり、企業の存在意義や価値観などを示したもの
  • イ.企業が競争優位性を構築するために活用する資源であり、一般的に人・物・金・情報で分類されるもの
  • ウ.企業の将来の方向を示したビジョンを具現化するための意思決定計画であり、長期・中期・短期の別に策定されるもの
  • エ.企業のもつ個性、固有の企業らしさのことで社風とも呼ばれ、長年の企業活動の中で生み出され定着してきたもの


 では、なぜ情報処理技術者試験の1つであるにも関わらず、コンピュータのことではなく、経営や業務に関する内容が問われるのでしょうか。

 その理由は明確です。ITパスポート試験が問う最大のテーマが「会社の役に立つシステムを作るための知識を持っているかどうか」だからです。単にシステムを作るだけなら、コンピュータ(テクノロジ)の知識だけで作ることができますが、「会社の役に立つシステム」を作るには、会社の仕組みを理解しておく必要があります。そのため、ITパスポート試験ではコンピュータ技術のことを重要視しながらも、ストラテジ(社長の仕事)とマネジメント(管理職の仕事)の知識が多く出題されるのです。このことはぜひ覚えておいてください。

 それでは、ITパスポート試験の勉強をはじめていきましょう。ITパスポート試験の公式のシラバス(出題範囲)に従い、より根本的、かつ重要なところから1つずつ丁寧に解説していきます。最初は「株式会社の仕組み」です。

【次ページ】「株式会社」の意味を説明できますか? 頻出用語を図解

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