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  • 2020/12/13

2021年 6大クラウドストレージ徹底比較、DropboxとBox、MS、Googleのシェアトップは?

クラウドストレージとは、インターネット上でファイル保存・共有を簡便化し、社内外を問わずアクセスを可能とするサービスのこと。ITサービス提供業者がストレージサービスに力を入れる中、どのような観点から選択していけばよいのだろうか。本記事では、機能やコストなど主要なポイントを踏まえながら、クラウドストレージサービスの選び方を解説していく(2021年6月30日更新)。

企画:ビジネス+IT編集部、構成・監修:時田信太朗

企画:ビジネス+IT編集部、構成・監修:時田信太朗

テック系編集者/メディア・コンサルタント
外資系ITベンダーでエンジニアを経てSBクリエイティブで編集記者、スマートキャンプでボクシル編集長を歴任。2019年からフリーランスで活動。メディアコンサルタントとしてメディア企画プロデュース・運営に携わる。

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情報共有の手段として急速に進化したクラウドストレージサービス
(Photo/Getty Images)

クラウドストレージとは

 クラウドストレージは、クラウド上のストレージ、つまり「データの保存場所」を指す。オンライン上にデータを保管することにより、ファイルへの共有アクセスを可能とする仕組みだ。テレワークの普及により、社外からのファイル閲覧が必須となった時代において、どこからでもアクセス可能なクラウドストレージは、業務上欠かせないサービスの一つである。

ストレージの意味・オンラインストレージとの違い
 ストレージは、直訳すると「倉庫」、転じて「データを格納する場所」という意味である。PCやスマートフォンなどの内部ストレージ、外付けHDDなどの外部ストレージ。そして、クラウド上にデータを格納するのがクラウドストレージだ。クラウドストレージは物理的な装置を必要としないため、ユーザー側は場所や時間を問わずファイルへアクセスできる。

 クラウドストレージの他に「オンラインストレージ」「ファイルストレージ」といった呼び方もあるが、内容的にはほぼ同義。クラウドストレージには、サーバやアプリケーションを通じてアクセスできるが、その際に認証が必要とされることでユーザーを限定する。個人向けから企業間での共用まで、提供されるストレージの容量は多種多様だ。

クラウドストレージの使い方
 クラウドストレージの使い方は、使う側によって無限といってよいだろう。基本的にファイルデータであれば、いかなるものでも保存可能だ。

 最も身近な例としては、モバイルアプリと結びついた写真保存サービスがある。スマートフォンなどで撮影された写真は、端末本体にも保存されるが、同時にクラウドストレージに保存される仕組みだ。

 URLを送ることで、他人とシェアできる機能をもつストレージサービスも多い。また、端末の内容をバックアップする機能をもつサービスもある。スマートフォンの買い替えや故障に備えて、重要なデータを保存し、新しい端末に内容を丸ごと移行することも可能だ。ビジネス上最も便利なのが、複数人・複数デバイス間でのファイル共有。

 同一書類を誰でもどこからでも閲覧できるため、簡単に情報共有ができる。近年、企業間での情報共有もクラウドストレージを活用することが多く、それに対応して大容量化が進んでいる。

クラウドストレージの特徴
 クラウドストレージでは、複数人同時に同じファイルの閲覧・編集が可能だ。

 メール添付でデータを送る場合、各人の手元に渡った時点で異なるファイルとなるため、編集しても他の人のファイルには反映されない。しかし、クラウドストレージの場合には、編集がそのまま反映されるため、利用者間での食い違いがおきにくい。

 閲覧や編集については、アクセス権限を付与できるため、閲覧者を限定することも編集者を限定することも可能だ。また、遠隔地にいるプロジェクト参加者と効率的に作業が進められるだけでなく、バージョン履歴を残せる。そのため、いざというときはファイルの復元も可能だ。

 物理的な場所に保管されるわけではないため、万一災害などが発生したときでも、重要データは守られる。データの一元管理を実現しながら、PCやスマートフォンなど多彩なデバイスに対応できることも、クラウドストレージの大きな魅力だろう。

クラウドストレージ導入のメリット4つ

 クラウドストレージを企業が導入すると、どのような点でメリットがあるのだろうか。主に次の4点があげられる。

  • ・データの集約
  • ・自動バックアップ
  • ・共同作業が容易になる
  • ・アクセスの場所を選ばない

 これらのメリットについて順番に、もう少し詳しく確認していこう。

データの集約
 社内の各部署で異なるバージョンが存在すると、混乱を招きやすい。食い違いがあると、何度も確認を取ることになり、余分な作業が増えてしまう。しかし、クラウドストレージに集約されることで、部署ごとの相違がなくなりバージョン違いによるトラブル発生を回避できる。

 「ファイルを重複して作成する」などのムダな作業が減り、業務の効率化が期待できるだろう。常に、最新のバージョンが提供できれば、「取引先に渡した後でデータが古かった」といったミスの心配もない。

 データ管理は業務の基本だが、組織が大きいほど難しくなる。クラウドストレージの活用により、管理の手間が軽減可能となるだろう。

自動バックアップ
 データの消失は、企業にとって大きな損害に結びつくリスクがある。場合によっては、業務の継続が困難になる可能性も考えられるだろう。

 クラウドストレージサービスでは、自動バックアップ機能が提供されている。そのため、データ消失の恐れを軽減することが可能だ。端末の故障、急な停電などが発生しても、自動バックアップ機能があれば、大きなダメージを回避できる。

 バックアップ作業にかかる時間の節約となる他、データ消失に対するプレッシャーからも解放され、その分社員の負担も減らすことが期待できるだろう。

共同作業が容易になる
 クラウドストレージを使うことで、ファイルの共有や共同編集が格段に楽になる。Web会議システムなどを併用すれば、コミュニケーションを取りながら同じファイルにアクセスし、双方からの更新が可能だ。

 瞬時に更新が反映されるため、意見交換や次の作業手順の確認もリアルタイムで行える。遠隔地にいる者同士が、あたかも同じ机上で作業をするようにオンライン上で協働できるのだ。クラウドストレージによって、距離感を意識しない作業進行が実現する。

アクセスの場所を選ばない
 イントラネットのサーバや、メールソフトを通じたやり取りとは異なり、インターネットを使える環境であれば、どのデバイスからでもファイルにアクセスできる。メモリスティックのような媒体を使わないため、携帯し忘れや置き忘れ、盗難といった心配もない。

 出張先や営業先で必要書類が見当たらない……といったことはもう昔ばなし。ホテルに宿泊しながらでも、Wi-Fiにより簡単にアクセス可能だ。また、コンビニのマルチコピー機を使えば、手元にない書類が急に必要になったときも24時間いつでも印刷可能。

 遠隔地にいても参加プロジェクトの進捗状況を確認できるため、出張先から戻ってすぐに合流しても、話題にズレが生じず時間的なロスもない。


クラウドストレージサービスを選ぶポイント

 クラウドストレージを利用するメリットはたくさんある。しかし、実際に導入を考えたとき、選択肢は膨大だ。数多くのサービス業者がクラウドストレージを提供しているため、それぞれが魅力的に見えてくる。クラウドストレージサービスを選ぶポイントは、主に以下の4点だ。

  • ・費用
  • ・容量
  • ・セキュリティ
  • ・デバイスへの対応

費用
 一度クラウドストレージを使い始めると、データはすぐに蓄積していく。途中で別のサービスに移行することは、非常に手間と時間がかかるため、あらかじめ長期運用を想定しなければならない。導入無料をうたうサービスも多いが、個人ならばともかく企業での利用となると無料分の容量ではすぐに不足する可能性が高い。

 有料プランでは、月単位・年単位で料金が発生するため、「自社でどのくらいの容量が必要か」など、予算に見合うサービスを検討し、運用継続可能なラインを探っていく必要がある。同じクラウドストレージでも、自社で必要となるデータ容量やアクセスする社員数によって料金が変わるため注意が必要だ。

容量
 先述したように、ビジネスで扱うデータは日々増大していく。そのため、「自社にとって十分なデータ容量が提供されているのか」確認が必要である。保存容量はもちろん、意外に見落としがちなのがアップロード・ダウンロード時の容量制限だ。

 例えば、動画や大量の画像ファイルを頻繁に扱う業種であれば、「作業に支障が出ないか」を十分に考慮しなければならない。万が一、「分割しなければアップロードできない」といった状況に陥ると、業務効率の低下を招きかねないのだ。

セキュリティ
 企業がクラウドストレージに預けるデータには、業務上の機密や個人情報といった重要な情報が含まれるケースも多い。クラウドストレージにおける主なセキュリティリスクは、次の2つだ。

  • ・サーバーダウン
  • ・サイバー攻撃・不正アクセス

 物理的障がいが発生し、サービスが停止する事態となれば、業務も滞りかねない。最悪の場合、データ消失も考えられる。また、外部からの侵入による情報漏えいが起これば、企業としての信用を損なうことになりかねない。

 これらのセキュリティリスクに対して、二重三重の備えを施し、顧客のデータ保全を確保しているサービスであることが必須だ。

デバイスへの対応
 総務省が公表している「令和元年通信利動向調査報告書(世帯編)」によると、2017年にスマートフォン(75.1%)の保有状況がパソコン(72.5%)を上回った。タブレットの機能も大きく進化し、パソコン以上に多用している人も増加傾向だ。

 こうした社会背景もあり、クラウドストレージの有用性は、対応するデバイスの種類の豊富さで大きく変わってくる。スマートフォンやその他のモバイルデバイスでも、ビジネスユースに活用できる操作性が求められるだろう。

 クラウドストレージは、デバイス間の連携をスムーズにする役割も担う。

クラウドストレージのシェア動向【企業規模別】

 2020年にICT総研が行った「クラウドストレージサービス市場動向調査」によると、2019年3月末の日本国内のクラウドストレージサービス利用者は4,684万人だった。

 しかし、2019年12月時点で4,962万人と約9ヵ月で278万人ほど増加。2022年度には、5,561万人にまで増加すると見込まれており、同年の市場規模は約857億円となる。

 ここでは、2020年時点で利用者がどのようなクラウドストレージを利用しているのか、利用動向を解説していく。

個人向け
 ICT総研の同調査による個人利用者のクラウドストレージサービスにおけるシェアは、以下の通りだ。

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利用されているクラウドストレージサービス
(出典:ICT総研『2020年 クラウドストレージサービス市場動向調査』)

 第1位はGoogle Drive、次いでiCloud drive、3位Dropbox、Microsoft OneDriveが4位という結果だ。上位3位については「データ保管容量」「ユーザーインターフェース」「データの共有の容易さ」など、顧客満足度も高い。

 さらに、運営会社に対する信頼性、セキュリティも重要な指標としてとらえられている。利用者の保存データ量は年々増加傾向にあり、大容量であることが欠かせない。一方で、「今後も無料サービスを利用したい」と考える利用者は6割超。「無料サービスでどれだけの容量を提供できるのか」が今後のカギになる。

中堅・中小向け
 中堅・中小向けのクラウドストレージサービスでは、国内のみならず外資大手クラウド事業者の参入も増えている。なかでもシェアが高いのは、日本マイクロソフトのMicrosoft Office 365。ノークリサーチの調査(2019年)によると、2018年と比較して大きな伸びを見せ、2019年時点では利用全体の約3割を占める。次いで富士ゼロックスのDocuWorks、Google Driveと続く。

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オンラインストレージサービスの導入シェア
(出典:ノークリサーチ『2019年 文書管理・オンラインストレージサービスのグループ分類とニーズ動向』)

 個人向けでは3位のDropboxだが、企業向けのDropboxビジネスは6位とふるわず、2018年からのシェアが6.6%→4.6%となっている。Microsoftの強さは、オフィスソフトとの連動性や、使い慣れたインターフェイスからのものと理解できるだろう。その他のサービスについては、機能の追加や更新などによって今後もシェアの入れ替わりが予測される。

 企業向けクラウドストレージでは、「業種/業態への個別対応」と「豊富なAPI」が選択の大きな条件だ。そのため、「クラウド事業者がどこまでニーズに対応できるのか」が優位性の決め手となる。

人気クラウドストレージの比較

 クラウドストレージサービスには大小さまざまな企業が参入し、混戦模様を呈している。最近人気のあるクラウドストレージサービスについて比較ポイントを確認しよう。主なポイントには次のような項目がある。

・容量
 業務の中で発生するデータは日々増大していく。業種や業界によって扱うデータ量は異なるが、自社において十分なデータ容量を提供しているかを確認しよう。

・料金
 無料・安価なサービスでも、提供内容が充実している場合もある。しかし、料金が高くなるほど、セキュリティなどの精度が上がると考えて間違いない。運用コストとのバランスを確認することが重要。

・スマホでも利用可能か
 テレワークを視野に入れるのであれば、対応デバイスの多様性は必須。「閲覧のみか」「編集までできるのか」を確認しておく。

・セキュリティ
 業務で利用する場合、情報漏えいやサーバーダウンなどについて、「リスク対策がどのように取られているのか」を優先的な条件として確認する。

・機能
 競合サービスにない特徴や、自社にとって有利な機能を確認。選択に迷ったときの補足条件となる。

代表的なクラウドストレージ比較

 上記のポイントをもとに代表的なクラウドストレージを確認してみよう。

名称 容量 対応デバイス セキュリティ 特徴的な機能
Box Individualプラン(個人向け)
10GB:無料
100GB:1,200円
Businessプラン(企業向け)
Starter:100GB:522.50円
容量無制限(Business、Business Plus、Enterprise):1,710円~4,200円
マルチデバイス対応 AES256ビット暗号化、さまざまなセキュリティ対策・コンプライアンス対応 情報アクセスからセキュリティ、ガバナンスまで一気通貫
Google Drive 15GB:無料
30GB:680円
2TB:1,360円
5TB:2,040円
マルチデバイス対応 セキュリティと管理機能あり
※Business PlusではVault や高度なエンドポイント管理など

すべてのプランでメール、ドキュメント、スプレッドシートなどが利用可能
Amazon Drive 5GB:Amazon Prime会員に付帯
100GB:2,490円
最大30TB(13,800円/1TB)
PC、モバイル 記載なし Amazon Prime会員に付帯するストレージサービス(現在は画像系に特化)
OneDrive for Business 5GB:無料
1TB:540円
その他、1,090円、1,360円
※基本的に一人当たり1TB
※条件次第で増量可
マルチデバイス対応 高度なセキュリティ Officeとの連携が充実
Dropbox 2GB:無料
3TB:2,000円
5TB:1,250円(チーム向け)
※必要に応じた容量が可能なチーム向けプランあり

マルチデバイス対応 256 ビットの AES 暗号化と SSL/TLS 暗号化 ファイル共有がデスクトップ感覚で可能
Fleekdrive 100GB:500円
200GB:1,500円
無制限:4,000円
PC さまざまなセキュリティ対策・コンプライアンス対応 セキュアかつ利便性の高いコラボレーションを実現


 すでに、たくさんのユーザーが利用しているサービスやアプリケーションとの連動性も、選択する際の条件となる。個々に詳しく見ていこう。

Google Drive
 グーグルが提供するクラウドストレージサービス。多様なモバイルデバイス、タブレット、パソコンから、ファイル・フォルダの保存、共有、共同編集などができる。無料容量はメールボックス込みで15GB。有料版は大規模ビジネス向けまであり。

Box
 企業向けのハイエンドなクラウドストレージとして有名なBox。Boxは単なるクラウドストレージにとどまらず、他社との共有、コンテンツを一元的に管理するECM、情報ガバナンス、セキュリティなど、文書管理に必要なすべての要素を一つのプラットフォームで満たすことができる。BOX Signを利用すれば、ハンコの電子化などを行うこともできる。

 1,500以上のアプリとの統合機能も備えており、セキュアなコンテンツ管理のもと、ワークフローを一元化すれば、業務の効率化がいっそう進むだろう。

Amazon Drive
 Amazon Drive(Amazon Photos)は、Amazon Prime会員に付帯するストレージサービス。写真と5GBのビデオのみ保存対象。過去には、その他のファイルも保存できたが、現在は画像系に特化しアルバム的なサービスとなっている。

OneDrive for Business
 オフィスソフトの代表格、Microsoft Officeとの連携が特徴的なクラウドストレージサービス。Microsoftに登録しているだけで5GBが使える。また、Microsoft 365 Personalライセンスがあれば、1TBまで無料で利用可能だ。

 スマートフォンやタブレットなど多彩なデバイスに対応。Microsoft Officeアプリが無料提供されているため、ストレージに保存したファイルを編集することもできる。

Dropbox
 クラウドストレージサービスの草分け的存在。登録が完了していれば、デバイス内のフォルダからファイルを取り出す感覚で作業できる。自動的に編集したファイルが同期されるため、環境の違いを意識せずに利用可能。無料版では、2GBの容量を提供している。無料トライアルがあるため、使い心地を確認してから申し込みするのがおすすめだ。

Fleekdrive
 企業向けクラウドストレージに特化したツールがFleekdrive。時間や場所を意識させない「ファイル・コラボレーション」を提供。チームでの作業で最大のパフォーマンスが引き出せるよう、ファイル管理・共有だけでなく同時作業でも支障を出さない工夫がなされている。

 企業での利用を前提としているため、最高レベルのセキュリティが魅力。「データ消失」「ウイルス」「情報漏えい」という3つのリスクに対し、万全の備えを施している。

クラウドストレージの有効活用で生産性の向上を

 クラウドストレージをうまく活用すれば、これまでより企業の生産性を高められるだろう。業務で利用するのであれば、やはりビジネス仕様となっている有料サービスがおすすめだ。各サービスには独自の特徴がある。導入前にそれぞれのメリットを理解したうえで、慎重にサービスを選択していこう。

 自社に最適なものを選ぶためにも選定のポイントをしっかりと把握し、視点を明確にしておこう。

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