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  • 2021/01/05 掲載

YouTube SEO対策の基本、「検索キーワード」の調べ方・選び方

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GoogleやYahoo!などの検索エンジンに対して最適化を図り、自社サイトの露出を上げるSEO(Search Engine Optimization)対策。ノウハウも世に出回り、多くの企業が特定の検索キーワードに対し、記事ページやランディングページなどで対策を行っています。しかし一方で、YouTube上での検索結果に対してSEOを実施している企業はまだそれほど多くありません。まだまだブルーオーシャンの「YouTube SEO」の、特にキーワード選定について『YouTubeでビジネスを伸ばす動画の成功法則』の著者、木村健人氏が解説します。

動画屋 代表取締役 木村 健人

動画屋 代表取締役 木村 健人

1988年生。サンフランシスコ州立大学芸術学部卒。ゲーム制作会社及びIT関連会社を経て、2016年よりYouTube動画SEOサービスを開始。メーカーを中心に企業公式YouTubeチャンネルを手掛け、視聴回数を大幅に改善させる。現在、大手企業から多数の依頼を受ける。著書『広報PR・マーケッターのためのYouTube動画SEO最強の教科書』(秀和システム)。

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YouTubeのSEOについての基礎知識、キーワードの調べ方は?
(Photo/Getty Images)


この記事のポイント
1.ツールを使って検索キーワードを調べる
  1. これからYouTubeをはじめる場合、「YouTube検索」からの流入が重要。
  2. YouTube検索結果の動画表示順序は、「動画の新しさ」と「ユーザーの行動傾向」のバランスで決まる。
  3. キーワードを調べるには、オートコンプリート機能や外部ツールが役に立つ。

2.キーワード検索量を調べる
  1. キーワードの検索量と興味の強さは反比例する傾向にあるため、多ければ多いほど良い、というわけではない。
  2. ユーザーのシチュエーションを考慮してキーワードを分類・調査する。

3.検索キーワードの「使われ方」を調べる
  1. GoogleとYouTubeではキーワードの検索結果が異なる。
  2. YouTubeでは、検索キーワードが本来の意味とは違う使われ方をすることもあるので注意する。
  3. キーワードを調べることで、ユーザーがその単語に対して抱く連想イメージまで、まとめて知ることができるのでオススメ。

1.ツールを使って検索キーワードを調べる

◆トラフィックごとに表示される動画の傾向を知ろう
 ユーザーがどんなキーワードで検索するか事前にわかっていれば、ニーズに沿った動画を作れます。特にこれからYouTubeを始める方にとっては、動画の視聴経路として「YouTube検索」の視聴経路が重要となります。

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ユーザーの視聴傾向が最も反映されるのは「トップページ」

 YouTubeには主に3つのトラフィック(=視聴経路)があります。どれもユーザーの視聴傾向から動画をサジェストしますが、その反映の度合いはトラフィックによって異なります。

 最もユーザーの視聴傾向が反映されるトラフィックがトップページです。ユーザーは特に何も行動を起こさずとも、アルゴリズムが、最近視聴した動画や検索したキーワードを参照し、動画をおすすめします。

 次に視聴傾向が反映されるトラフィックが関連動画です。ユーザーが今見ている動画と関連した他の動画を表示される際に、過去の視聴傾向などを参照して提案します。

 ユーザーの視聴傾向がそれほど反映されないトラフィックがYouTube検索です。YouTube検索ではユーザーの視聴傾向よりも、入力されたキーワード自体が重視される傾向があります。

 これからYouTubeチャンネルを開設する場合、そのチャンネルに対するユーザーの視聴データはゼロの状態です。そのため、ユーザーの視聴傾向が反映されにくいトラフィックであるYouTube検索からの視聴をより多く獲得することが重要となります。

◆YouTube検索の表示アルゴリズムの特徴を知ろう
 YouTube検索からの視聴を獲得するためには、自分の動画が検索上位に表示される必要があります。しかし、公開された時点では視聴回数はみなゼロです。

 上位には視聴回数の多いものが表示されているイメージがあるかもしれませんが、YouTubeの検索アルゴリズムは視聴回数のみを表示する動画の判断指標とはしていないと考えられます。


 Paul, Jay, Emre(2016)は、YouTubeのレコメンドシステムに関する論文の中で、動画の新しさとユーザーの行動傾向という2つの指標においてバランスをとるべきであるとしています。このことから、ユーザーへ表示する動画においては、すでに公開されている動画の視聴回数のみを判断基準とするのではなく、新しい動画であることも判断指標として含まれていると考えられます。

 たとえば、「香水 おすすめ」でYouTube検索を行ったときの検索結果画面を見てみると、視聴回数のみが判断指標とされていないことがわかります。表示された動画のうち、最も視聴回数の多いものは上位3番目の動画であり、1番目の動画は2 カ月前に公開された40万回視聴の動画であることがわかります。上位2番目に表示されている動画は4.8万回視聴ですが、動画が公開されたのは検索時点から3日前であることがわかります。

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YouTube検索アルゴリズムでは視聴回数だけでなく、新着動画であることも重視される

 10万回視聴である5番目の動画は2番目の動画よりも視聴回数が多いですが、公開日が1週間前のためこの位置に表示されていると考えられるでしょう。このように、YouTube検索では視聴回数だけでなく、新しい動画であることが表示する動画の判断指標に含まれていると言えます。

◆ユーザーの検索キーワードを簡単に調べる方法
 キーワードの調べ方に「オートコンプリート機能」を使う方法があります。これはおなじみ、YouTube検索窓に特定のキーワードを入力し、スペースを入力すると検索キーワードの候補が表示される機能です。

 表示されるキーワードは、検索量の多いもの少ないものがまちまちで、候補として表示されるからといって、ユーザーが多く検索しているというわけではありません。しかし、手軽に調査する上では参考になるでしょう。

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オートコンプリート機能をリサーチに使う場合は、「バイアス」に注意する

 オートコンプリート機能で表示されるキーワードはユーザーの過去の検索が反映される傾向があります。そのため、普段から使用しているアカウントで調査を行った場合、そのアカウントでの検索履歴が反映されたキーワード候補が表示されます。

 そのとき、そのアカウントにとっての最適な検索キーワードの候補は知ることができますが、過去の検索履歴が反映されているため、バイアスがかかったキーワードが表示される可能性が高くなります。

 そこで、Webブラウザには「プライバシーモード」という機能があります。履歴などの記録が閲覧後に自動で削除される機能であり、この機能で検索を行うとアカウントの検索履歴や視聴履歴が反映されない状態にできます。そのため、プライバシーモードでオートコンプリート機能を使って検索キーワードを調査することが良いでしょう。

◆ユーザーの検索キーワードを調査できるツール
 オートコンプリート機能の他に、外部ツールを使用してユーザーの検索キーワードを調査することが可能です。検索キーワードを調査するツールにはさまざまな種類がありますが、比較的安価で導入ができ、企業だけでなく個人でも活用できるものとして、Keyword Toolがあります。

 Keyword Toolは主にユーザーの検索キーワードや各キーワードの検索量を知ることができるツールです。検索量が調査できるプラットフォームとして、YouTubeの他に、Google、Bing、Amazon、eBay、Play Store、Instagram、Twitterといった8プラットフォームに対応しています。

 調査対象として国や言語を指定することができるため、たとえば米国で英語を利用するユーザーの検索キーワードや英国で英語を使用するユーザーの検索キーワードなども調査することが可能です。各国や言語によって検索量は異なることが多いため、どの国のどの言語からどのようなキーワードで検索されているのかを把握するために役立ちます。YouTubeは外国のユーザーと隣り合わせのプラットフォームですから、海外を意識する際に役立つはずです。


 Keyword Toolは無料でも使えますが、検索キーワードの表示のみに限られ、各キーワードの検索ボリュームの表示は有料版へのアップグレードが必要になります。動画を企画する際に、どのようなキーワードでユーザーが検索しているのか、アイデア出しに活用するのであれば、無料版で十分でしょう。

 ただし、無料版は検索量の多い順にキーワードが並ぶわけではないため、表示順位をではなく、検索されるキーワードの大枠を把握する目的で使うのが良いでしょう。

【Point】
  1. これからYouTubeをはじめる場合、「YouTube検索」からの流入が重要。
  2. YouTube検索結果の動画表示順序は、「動画の新しさ」と「ユーザーの行動傾向」のバランスで決まる。
  3. キーワードを調べるには、オートコンプリート機能や外部ツールが役に立つ。

【次ページ】キーワード検索量の調べ方、キーワードの検索傾向の調べ方

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