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  • 2021/01/13

製造業の「技術マーケティング」戦略、事例で読み解く自社技術の可能性を広げる方法

連載:製造業のためのデジタル営業戦略

外部組織の技術を自社の製品開発に積極的に取り込む「オープンイノベーション」に取り組むメーカーが増えている。特殊な技術を持つ技術系企業は、その潮流に乗って自社の技術を異分野のメーカーに採用してもらうことで、新市場へ事業拡大したいと考えている。しかし、それを実現するための技術マーケティングは、一般的なマーケティング手法とは進め方が大きく異なるために、実践できていない企業が多いのが実情である。今回は技術系企業が技術マーケティングを進める上でのポイントや具体的な進め方について解説する。

テクノポート 代表取締役 徳山 正康

テクノポート 代表取締役 徳山 正康

製造業専門のWebマーケティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術をマーケティングする」を事業理念に、今までに1,000社を超える製造業のWebマーケティング支援に携わる。テクノポートでは「製造業が抱えるあらゆる経営課題の解決に挑む」という経営理念のもと、Webマーケティングだけでなく、DXやブランディング支援などにも携わることで、今後も製造業を支援するための事業を推進していく予定。一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会・執行役員。グロービス経営大学院(MBA)卒業。

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自社が保有する「技術力」はどう世の中に知らしめたらいいのだろうか
(Photo/Getty Images)

メーカーが進めているオープンイノベーションとは

 技術マーケティングの手法について説明する前に、メーカーが進めているオープンイノベーションとはどのようなものかを解説します。オープンイノベーションは、大きく分けて下記の2種類があります。

  1. 1.「不足技術補完型」
    メーカーが自社製品の開発などを行うにあたって、足りない技術を自社開発するのではなく、技術を保有する外部組織から取り入れること
  2. 2.「休眠技術活用型」
    メーカーが過去に開発した技術や所有する特許のうち、自社内で活用が十分にされておらず休眠してしまっているものを積極的に活用してもらうために、活用手法を外部から公募し、事業化していくこと


 オープンイノベーションがトレンドワードとなった数年前より、2の休眠技術活用型がメディアでも多く取り上げられるようになったため、オープンイノベーションと聞くとそちらの活動を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際は、不足技術補完型の取り組みの方が以前から盛んで、海外を中心に多くのマッチング事例があります。

 今回は、不足技術補完型のオープンイノベーションに取り組んでいるメーカーへのアピール方法について解説します。


不足技術補完型――技術提供側の企業はどうアピールすればよいのか?

 不足技術補完型のオープンイノベーションが行われるようになった背景としては、市場環境が変化するスピードが早まり、製品のライフサイクルが短くなる中で、製品開発に伴う技術開発を全て自社だけで行うのが限界となったことが挙げられます。

 そこでメーカーは、自社のコア技術を守りながら、周辺技術を外部から調達することで、製品開発コストを抑えつつ、急速に変化する市場に合わせた製品開発を行うようになりました。そのような背景から、技術提供者としては外部から技術調達を行うメーカーと取引ができる機会が増えました。

 それでは、この取り組みを行う技術探索者であるメーカーに対し、技術提供者はどのように自社技術をアピールしていけば良いのか、その方法について解説していきます。

技術探索者に技術を見つけてもらうために

 技術探索者に技術を見つけてもらう方法として、技術の用途を自ら考えてメーカーへ提案を行う「PUSH型アプローチ」と、メーカーの技術者が技術探索を行う際に自社の技術を見つけてもらう「PULL型アプローチ」の2つがあります。両者には、それぞれ求める成果や抑えるべきリスクの観点から、メリットとデメリットがありますので、自社の状況に応じた方法を採るようにしてください(下図)。

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PUSH型とPULL型のメリット・デメリット

 上記の活動をしていく上で、多くの企業が「ターゲットを絞りすぎると良くない」という技術マーケティング特有の課題に当たります。

 一般的なマーケティング活動では、ペルソナ設計などによりターゲットを絞り鮮明化した上で、そのターゲットに対しどのようなPRをすれば良いかを考えていきます。

 その方法だと、確実な成果に結びつきやすい一方で、技術は既存の利用方法から域を脱せず、思いも寄らない成果に結びつくことがなくなってしまうのです。

 筆者が考える技術マーケティングの成功の定義は、「保有技術を、既に使用されている領域ではなく、新しい領域へ用途展開することで、競合企業を出し抜き、技術探索者であるメーカーに技術を高く買ってもらうこと」だと考えています。

 よって技術マーケティングでは、技術の用途を限定し過ぎず、多くの技術者に自社技術を見つけてもらう方法を考えていく必要があります。

【次ページ】技術マーケティング推進で活用すべき「MFTフレームワーク」とは

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