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  • 2020/12/15

製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは

連載:製造業のためのデジタル営業戦略

コロナ禍で非対面や非接触の営業が求められる中、Webマーケティングに本格的に着手する製造業が増えています。その中でも、製造企業がWebサイトを通じて自社の魅力を正しく伝えるための工夫と併せて、適切なSEO対策の実施が有効です。ここではメーカーから発注を受けて部品などの生産・加工を行うサプライヤー企業のSEO対策について、具体的な事例を交えながら、加工事例の重要性と掲載ハードルを乗り越える手法を解説していきます。

テクノポート 代表取締役 徳山 正康

テクノポート 代表取締役 徳山 正康

製造業専門のWebマーケティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術をマーケティングする」を事業理念に、今までに1,000社を超える製造業のWebマーケティング支援に携わる。テクノポートでは「製造業が抱えるあらゆる経営課題の解決に挑む」という経営理念のもと、Webマーケティングだけでなく、DXやブランディング支援などにも携わることで、今後も製造業を支援するための事業を推進していく予定。一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会・執行役員。グロービス経営大学院(MBA)卒業。

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製造企業はどのようにSEO対策に取り組むべきか
(Photo/Getty Images)

製造業のWebマーケティングにおけるコンテンツの重要性

 最近、サプライヤー企業においてもWebマーケティングを実践する企業が増えていますが、Webデザインやユーザビリティなど見た目をよくするための施策を先行してしまいがちです。それよりも、ターゲットとする見込み客を検索エンジン経由で自社のWebサイトへ確実に呼び込むための「SEO対策」のほうがより重要であると筆者は考えています。

 なぜなら、サプライヤー企業に問い合わせする購買部や調達部の担当は、Webデザインやユーザビリティの良しあしではなくて、発注先候補としての条件に合った情報がそこにあるかどうかを見て、問い合わせするかどうかを判断するためです。

 企業Webサイトのオーナーと閲覧者との商取引は、EC(電子商取引)サイトなどとは違ってWeb上だけで完結しません。業務案件や製品を受注できるかどうかは、Webサイトへの問い合わせ後の対応が重要となってきます。それ以前に、まずはWebサイトに足を運んでもらうことで自社の存在を認知してもらわなければなりません。

 「Webサイトへ足を運んでもらう」ための方法としては、キーワード連動型広告などのWeb広告を使うという手もあります。しかし、サプライヤー企業の多くが、過去に新規顧客を獲得するための営業活動を行ってこなかったこともあり、広告宣伝や販売促進にあまり費用をかけてきませんでした。

 また限られた予算の中では、やはり現場の加工機械や設備などへ投資されがちであり、投資対効果が見えづらく現場の人にとっては未知の世界ともいえる広報やマーケティングに投資をしようとはそもそも考えないといったこともあります。そのような背景から、Web広告などの予算を割けないというケースが多いのです。

 以上の理由から、多額のお金をかけず、自社の知恵と努力で対策を行うことができ、かつ効果も実感しやすいSEO対策は、サプライヤー企業がWebマーケティングに取り組む上で最もお勧めしたい手法だと考えるのです。

 SEO対策を実施して「問い合わせを獲得する」という観点から、筆者の経験上では、特に「加工事例」のコンテンツが重要だと考えています。どれだけ技術力に優れている会社でも、加工事例コンテンツの内容をおろそかにしてしまうとWebマーケティングはうまくいきません。

 発注者の多くが、加工図面に含まれている技術情報を基に検索し、それでたどり着いた加工事例を見て、企業の技術力や対応力などを判定します。一方、加工事例のWebコンテンツを制作する際にも、加工図面に記載されているような、部品名、加工方法、素材名、寸法公差といった技術情報を何かしら付記情報として盛り込むことにはなります。よって、SEOの観点で、そうした技術情報をどのようにコンテンツに盛り込むかを検討することが非常に重要になります。

 たとえば、「読者が直感的に分かりやすいだろう」「それだけ見れば分かるだろう」と、加工事例を写真だけで紹介しているサプライヤー企業のWebサイトをよく見かけますが、それでは検索エンジンが参照するテキスト(文字)の情報が乏しくなるため、SEOの観点では弱くなってしまいます。写真と併せて、見込み客が検索してくるだろう言葉をうまく使ってテキストも掲載する必要があるのです。


事例コンテンツを載せられない場合があるのがネック

 製造業にとって重要なコンテンツとなる加工事例なのですが、多くのWebサイトで掲載がおろそかになってしまいがちです。その理由として、たとえば以下のような事情が挙げられます。

  1. ・過去の製造(加工)実績は豊富にあるが、メーカーの掲載許可が降りない
  2. ・新しい市場をターゲットとした場合に、該当市場での加工実績がない

 当社の顧客でもこのような事情に見舞われる企業は少なくありませんが、さまざまな努力によりそれを乗り越え、問い合わせ獲得につなげています。以降では、そのいくつかの実例をご紹介します。

視覚的に分かりやすい加工サンプルを掲載(荒川技研)

 樹脂切削および射出成形に携わる荒川技研は、メーカー開発部門の試作品製作などの実績が豊富にありましたが、それをWebサイトや営業資料に掲載する許可が顧客からなかなかもらえませんでした。中には、製品が市場に出て10年たっても掲載NGの製品もありました。今後のことを考えると、顧客から掲載許可をその都度取ろうとするよりも、「制約なく活用できるものでいいのでは」ということになり、自社オリジナルの加工サンプルを制作し、それをWebサイトで紹介することにしました(図1)。

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図1:自社で製作した歯車の製作事例
(出典:荒川技研Webサイト)

 この加工サンプルは、さまざまな形状、材質、表面処理を採用した複数の歯車がかみ合った部材を構成することで、自社の事業やその強みをうまく表現できるようにしています。Webサイトのコンテンツとしてだけでなく、展示会でもその実物が大活躍しています。問い合わせの中には同じような歯車を使った形状を製作をしたいという相談もあるとのことです。

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