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  • 2020/11/27

精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由

連載:製造業のためのデジタル営業戦略

コロナ禍で非対面・非接触の営業が求められる中、Webマーケティングに本格的に着手する製造業が増えています。しかし、製造業がWebマーケティングを成功させるためには、Web分野のノウハウやテクニック以外の要因が大きいと筆者は考えています。特に製造業の場合、営業活動の経験の乏しさから顧客対応の仕方が分からず、顧客を取り逃すことも多いでしょう。そこで今回はWebマーケティングと同時並行で行うべき営業・事業体制のアップデートについて解説していきます。

テクノポート 代表取締役 徳山 正康

テクノポート 代表取締役 徳山 正康

製造業専門のWebマーケティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術をマーケティングする」を事業理念に、今までに1,000社を超える製造業のWebマーケティング支援に携わる。テクノポートでは「製造業が抱えるあらゆる経営課題の解決に挑む」という経営理念のもと、Webマーケティングだけでなく、DXやブランディング支援などにも携わることで、今後も製造業を支援するための事業を推進していく予定。一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会・執行役員。グロービス経営大学院(MBA)卒業。

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ニッチに強みを持つ中堅中小の製造業がWebマーケティングで成果が出ない理由とは?
(Photo/Getty Images)

なぜWebマーケティングで成果が出ないのか

 製造業関係者にWebマーケティングのお話をすると、「うちの業界は特殊だからネットで仕事を獲得できるとは思えない」という反応をされる方がいます。

 たとえば、長年に渡って同じメーカーから受注し続けてきたサプライヤー企業の場合、特定の製品に使われる部品加工にしか使えないようなニッチな技術だけが育っていくことがあります。

 そのような場合、Webマーケティングによる引き合いがあったとしても、対応領域が狭いためになかなか受注につながらないことがあります。

 確かに狭い対応領域でマッチする引き合いを待ち続けたとしたら、新規の見込み顧客から問い合わせを受けるにはどうしても不利でしかなく、Webマーケティングとしても十分な成果を挙げることは難しくなるのは間違いありません。

 しかし、筆者の経験では受注率が10%にも満たない会社がある一方で、そこで得た引き合いに対して半分以上の確率で受注できる会社があるのも事実です。

 受注率を高め、成果を挙げている製造業者が行っているのが、「引き合いの内容に応じて自社の営業・事業体制をアップデートさせていくこと」です。

 ここでは、Webマーケティングで見落とされがちな、こうした「Webでの引き合いを売り上げにつなげる」視点について解説していきましょう。


営業・事業体制のアップデートに成功した3つのパターン

 では、成果を挙げている会社は具体的にどのような営業・事業体制のアップデートを行っているのでしょうか。ここからは、Webマーケティングにより多くの顧客獲得に成功している会社をいくつか事例に取り上げ、具体的にどのような変化を遂げているかを解説します。

 成果を挙げている会社にはいくつかの成功パターンがあって、以下の3パターンに大別できると筆者は考えています。

  1. (1) 自社の営業力(顧客対応力)をとことん高める
  2. (2) 協力工場(横のネットワーク)を活用し受注領域を広げる
  3. (3) 自社の事業領域を川上・川下へ広げることにより新たな付加価値を提案する

成功パターン(1) 自社の営業力(顧客対応力)を高める(共栄精機)

 共栄精機は「金属加工のコンビニエンスストアを目指して」を合言葉に、精密板金加工や機械加工といった金属加工を行っている会社です。共栄精機の強みは「1時間以内にほとんどの見積もり回答ができること」です。金属加工業者へ見積もり依頼を行った場合、即日回答ができることはほとんどなく、場合によっては数日かかっても返答がこない場合さえある中では、際立つ早さだといえます。

 10年以上前からWebマーケティングに取り組んでいる共栄精機の小山仁社長は、「ネット上で見積もり依頼する顧客にとっての一番のニーズは、見積もり回答が早いこと」だと考え、依頼から1時間以内に見積もり回答を可能にする体制を構築しています(図1)。

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図1:共栄精機Webサイトに掲載されている加工事例

 多種多様な加工品の見積もり依頼が来る中で、どのようにして最速の見積もり回答を可能にすることができたのか。その理由は、外注先の値段も社内で計算できるようにしたことにあります。同社の加工案件は、外注する比率が多いため、外注先の見積もり返答待ちの時間が見積もり回答の時間に大きく響いている場合が多々ありました。この返答待ち時間を省くことが見積もり時間短縮の実現につながると小山仁社長は考え、外注先に了承を得たうえで、自社内で見積もりができる仕組みを考えて、実現しました。

 スピード見積もりが実現したことで、「明日、製品が欲しい」といった、普通の工場なら断るだろう問い合わせを面白いように受注できるようになりました。そのような案件は大抵の工場は対応できないので、価格勝負にも全くならず、高単価で受注することができます。また、そういった無理難題に応えることで、良い信頼関係を構築でき、多くの顧客がリピートで依頼してくれるようになりました。

【次ページ】成功パターン(2) 協力工場(横のネットワーク)を活用し受注領域を広げる

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