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  • 2021/06/02 掲載

グーグル・PwCら社員の休暇促進、1人1000ドルのボーナスが「合理的投資」となるワケ

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コロナ禍で観光が難しくなっていること、また出かけた先での感染懸念などを理由に、多くの社員が有給休暇を取得せずにおり、彼ら彼女らの「燃え尽き症候群」のリスクが高まっている。そんな中、グーグルなど、社員の生産性低下などを懸念する米国企業の間で、社員に休暇を促すところが登場。さらには、社員がより休息を取りやすくするため、「バケーションボーナス」の支給を開始すると公表している、PwCのようなケースも出てきている。大盤振る舞いにも思えるが、そうした施策は社員にとってメリットがあるだけでなく、企業にとっても「合理的な投資」だとみなされているようだ。

執筆:細谷元、編集:岡徳之

執筆:細谷元、編集:岡徳之

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コロナ禍で社員の燃え尽き症候群リスクが高まる中、グーグルなど社員に休暇を促す企業が登場している
(Photo/Getty Images)

ZOOMの社長も「ZOOM疲れ」、旅行など行えず有給取得率も低迷

 コロナ禍、メディアで毎日報じられる暗いニュース、それにプライベートと仕事の境界線がないテレワークやリモート会議によって、心身の疲労レベルが高まっている人は少なくないはずだ。

 ZOOMのエリック・ユアンCEOですら、自ら「ZOOM疲労」になったことを認めている

 疲労の蓄積はモチベーションの低下や燃え尽き症候群につながり、生産性を大きく下げてしまう。

 本来なら休暇を取得し、バケーションで心身を休息させるべきだが、リモートワークによるプライベート/仕事の境界線の希薄化に加え、観光が難しくなっていることや感染懸念によって、多くの社員は有給休暇を取得せずにいる。

 社員の燃え尽き症候群リスクが高まっている状況。米国ではこの問題を懸念する企業の間で、社員に休暇を促すユニークな施策を実施する企業がいくつか登場している。

社員の休暇促進するグーグルとPwC、バケーションボーナス支給も

 グーグルは2020年9月、米国の祝日レイバーデーに先立ち、社員の「コレクティブ・ウェルビーイング」を維持するため、休日を増やす施策を導入。

 CNBCが伝えた社内文書によると、この追加休日は社員だけでなくインターンにも適用されたとのこと。これによって、レイバーデイを含め、休日は4連休となった。

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PwCは社員に休息することを促すバケーションボーナスの支給も
(Photo/Getty Images)

 大手企業による一連の取り組みの中で、今特に注目されているのが、プロフェッショナルサービスファームPwCによる「バケーションボーナス」という施策だ。

 PwCのティモシー・ライアン会長兼シニアパートナーが4月9日、ビジネスSNSリンクトインに投稿した記事の中でその詳細を説明している。

 ライアン会長は、PwCでは社員のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)が最も大切であると述べた上で、社員が仕事から離れ休息することを促すバケーションボーナスの支給を開始することを公表。ボーナス額は、1週間あたり250ドルで、年間最大1000ドルまで支給するという。対象は米国オフィスに勤務する社員。

 これに加え、ZOOM疲労などを避けるため、今夏金曜日午後に電話や会議をなくす施策「Fridays Your Way」を開始することも明らかにしている。

 さらにこの投稿の中でライアン会長は、コロナ禍でもテレワーク対応で同社ビジネスを担ってきた社員への労いとして、基本給とボーナスを上げることにも言及している。

 米国社員を対象に、年間最大1000ドルが支払われるバケーションボーナス。PwCの米国社員数はおよそ7万人。全員がバケーションでこのボーナスをフル活用した場合、そのコストは年間7000万ドル(約76億円)。精算事務などを含めるとこれより高いコストとなる。

 安くはない施策だが、コスト以上のリターンにつながる可能性が高く、実は「合理的な判断」と言える。

【次ページ】1人1000ドルのボーナスが合理的な投資である理由

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