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  • 2021/08/20

「自治体推進DX計画」とは何か? 総務省が示す具体的な4つの手順とは

さまざまな業種・業界で業務のデジタル化が進む中、多くの自治体でも行政サービスのデジタル化に取り組んでいる。業務の効率化や改善を図り、行政サービスを享受する住民の利便性の向上を目指す中、総務省は2020年12月に「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を策定した。この推進計画を踏まえ、2021年7月7日には自治体が着実にDXに取り組めるための「自治体DX推進手順書」も公表した。自治体DX推進計画とは何か。その計画の概要とその計画の具体的な実現方法を示した自治体DX推進手順書の概要を解説する。

国際大学GLOCOM 客員研究員 林雅之

国際大学GLOCOM 客員研究員 林雅之

国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。現在、クラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。総務省 AIネットワーク社会推進会議(影響評価分科会)構成員 一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。

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「自治体DX推進計画」とは何か
(Photo/Getty Images)

「自治体DX推進計画」とは何か?

 「自治体DX推進計画」は、デジタル社会の構築に向けて自治体が取り組むべき各種施策を着実に進めていくための計画だ。政府が2020年12月に閣議決定した「デジタル・ガバメント実行計画」における自治体関連の各施策について、自治体が重点的に取り組むべき事項・内容を具現化したものである。

 具体的には、共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス(IaaS/PaaS、SaaS)の利用環境である「(仮称)Gov-Cloud」の活用に向けた検討を実施。また、デジタル庁の設置など国の動向を反映させるように適宜見直されるという。同計画の対象期間は「2021年1月から2026年3月まで」と定められている。

 同計画には、以下の6事項の「重点取組事項」が記載されている。

  1. 自治体の情報システムの標準化・共通化
  2. マイナンバーカードの普及促進
  3. 行政手続のオンライン化
  4. AI・RPAの利用推進
  5. テレワークの推進
  6. セキュリティ対策の徹底

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自治体DX推進計画の概要
(出典:総務省「自治体DX全体手順書」2021年7月)

自治体DX計画「4つのステップ」

 「自治体DX手順書」は、自治体DX推進計画で掲げられた上記の事項を中心に、着実にDXに取り組めるための標準的な手順書として公表されたものだ。自治体DX手順書は、以下4種のドキュメントで構成される。

  • 自治体DX全体手順書【第1.0版】
  • 自治体情報システムの標準化・共通化に係る手順書【第1.0版】
  • 自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第1.0版】
  • 参考事例集【第1.0版】

 「自治体DX全体手順書」には、DXの認識共有・機運醸成、全体方針の決定、推進体制の整備、DXの取組みの実行などのDXを推進するにあたって想定される一連の手順が記載されている。また、全国統一的な取り組みとなる「自治体情報システムの標準化・共通化」と「自治体の行政手続のオンライン化」については、作業手順を示す手順書が個別に作成された。さらに、先行する自治体の事例をまとめた参考事例集も提供する。

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自治体DX推進手順書の構成
(出典:総務省「自治体DX推進手順書 概要(案)」2021年7月)

 自治体DX全体手順書では、DXの推進にあたって想定される一連の手順が「ステップ0」から「ステップ3」の4段階で示されており、DXに着手していない自治体に対して、ステップ0から順に着手することを想定している。

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DX推進の4ステップ
(出典:総務省「自治体DX推進手順書」2021年7月)

ステップ0「DXの認識共有・機運醸成」

 DXの実現に向けては、まず首長や幹部職員がDXについて十分に理解することが重要だ。トップがリーダーシップや強いコミットメントを持って取り組まなければならない。また、一般職員を含めた組織全体で「DXとはどういうものか」「なぜ今、DXに取り組む必要があるか」などの共通理解の形成や実践意識の醸成が不可欠となる。

 また、政府が2020年12月に閣議決定した「デジタル・ガバメント実行計画」では、利用者中心の行政サービス改革を進めるため、自治体には「サービスデザイン思考」が求められている。利用者中心の行政サービスを提供し、プロジェクトを成功に導くために必要なノウハウを「サービス設計 12 箇条」をまとめている。

 自治体DX全体手順書では、ステップ0の「DXの認識共有・機運醸成」における基本的な考え方として、同12カ条を参考にする推奨している。

<デジタル・ガバメント実行計画 サービス設計 12箇条>
  • 第1条:利用者のニーズから出発する
  • 第2条:事実を詳細に把握する
  • 第3条:エンドツーエンドで考える
  • 第4条:全ての関係者に気を配る
  • 第5条:サービスはシンプルにする
  • 第6条:デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める
  • 第7条:利用者の日常体験に溶け込む
  • 第8条:自分で作りすぎない
  • 第9条:オープンにサービスを作る
  • 第10条:何度も繰り返す
  • 第11条:一遍にやらず、一貫してやる
  • 第12条:情報システムではなくサービスを作る

 さらに、ステップ0の具体的な取り組み事例として、大阪府豊中市の「とよなかデジタル・ガバメント宣言」、千葉県市川市の「市川市DX憲章」を取り上げている。DXの認識共有や機運醸成の取組みを継続して実施することで、職員に定着させて効果を上げると解説。ステップ1以降においても、研修などを通じて随時取り組んでいくことが望まれると記載する。

【次ページ】ステップ1「全体方針の決定」

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