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  • 2021/11/12

「VX」がDXの次にやってくる、メタバースやデジタルツインの先進事例は?

ビジネス環境の変化が激しい現代、多くの企業が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を旗印に自社の変革を進めている。しかし、ITRのアナリストであるマーク・アインシュタイン氏は「世界が共通で抱える社会課題は、単にDXが促進しても解決できない」と述べ、DXの先にはVX(バーチャルトランスフォーメーション)があると説く。ポストDX時代の企業成長をけん引するVXとは何か。先進事例と4つの主要技術、実装方法をアインシュタイン氏が詳しく解説する。

※本記事は、2021年10月6日開催「IT Trend 2021(主催:アイ・ティ・アール)」の内容を再構成したものです。フェイスブック社の社名変更に伴って、一部商品名・サービス名の変更もありますが、本稿は講演時点のもので執筆しています。

DX後の組織をけん引する「VX」とは何か?先進企業でも導入進む

 「“DX後”をけん引するものは何かと問われたら、それはVXであると答える」とアインシュタイン氏は強調する。

 VXは「現実世界と仮想世界を融合する変革」を指す概念だ。アインシュタイン氏は「アナログ」「DX」「VX」の3種類におけるサービスの変遷を図示し、「VXサービスは、現在主流のデジタル技術とそれを補完するサービスによって構成される」と説明する。

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「アナログ」「DX」「VX」におけるサービスの変遷と主要技術

 では、VXサービスとは、具体的にどのようなものを指すのか。アインシュタイン氏は、VXサービスの事例を紹介する。

 まず挙げられたのがXR(AR、VR、MR)を活用した「XRミーティング」だ。フェイスブック(現社名:Meta)が提供する「Facebook Workrooms」がその具体例の1つだ。XRミーティングは、従来のWeb会議の機能に加え、XR技術を活用した360度全方向でインタラクティブな経験ができる会議プラットフォームだという。

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「Facebook Workrooms」のイメージ

 また、遠隔トレーニングの分野でもVXサービスは活用されている。英国政府は、コロナ禍で国内で約1万5,000台の人工呼吸器が不足した現状を解決するため、「XRトレーニング」を実践した。これは人工呼吸器の生産数の拡大を図るため、機器の製造経験がない3,500人の労働者に対して、マイクロソフトの「HoloLens 2ヘッドセット」を活用した遠隔トレーニングを実施。これにより、人工呼吸器の確保に結び付けた。

 続いて紹介されたのが「Digital Humans」。アインシュタイン氏は「DXの具体策として広く使われているAI搭載のチャットボットにも限界がある」と指摘。Digital HumansはAIを搭載するアバターが人間の代わりにさまざまな役割を果たす。すでに韓国では、AIベンチャーが開発した「DeepBrainAI Synthetic Human」が、カスタマーサービスやテレマーケティング、教師、ツアーガイド、パーソナルアシスタントなどの役割を担っている。

 コロナ禍で消費者の購買行動も変化した。従来、直接対面や実物商品を現場で見ることが主流だった業界でも否応なく変化を迫られている。

 アインシュタイン氏は、そうした業界のVXサービスの活用事例として、自動車ディーラー大手のAudiが1,000を超える自動車販売店にVRヘッドセット「Oculus Rift」を整備して展開する「XRショールーム」、三越伊勢丹のVRヘッドセットを活用した「バーチャル百貨店」などを紹介した。

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三越伊勢丹の「バーチャル百貨店」のイメージ

VXを推進する技術(1):XR関連技術

 続いて、アインシュタイン氏は、VXを推進する4つの主要な技術と、それぞれの活用例を紹介した。

 1つ目の技術が、「XR関連技術」だ。ここまでも触れてきたが、「XR」とは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)などの先端技術の総称だ。

 同氏は「現在のXR市場ではかなり急速な変化が起こっている。特にハードウェアが多用途化し、より安価になっている」と話す。米国では、299米ドル(講演時の相場では、日本円で3万5,000円前後)で市場に出回っており、2022年以降をめどに5Gとの統合が期待されている。

 また、最近注目を集めているのが「メタバース(巨大仮想現実空間)」だ。XR技術でシミュレートされた強大な仮想世界を構築する取り組みが進んでいる。フェイスブック(Meta)などの巨大テック企業からこの言葉を聞く機会が増えた。たとえば、韓国ではSK Telecomが「ifland」というメタバースを発表。同国では、大学の入学式や就職説明会などにも活用されている。

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SK Telecom iflandの様子


 また、Fintech分野では生体認証技術の採用の動きが目立つ。ビザ、マスターカード、アリババなどの企業が、VRを活用した決済サービスの実用化を進めている。最近では、アップルが2025年までに発表予定の新サービスに向け、虹彩による決済を可能にする特許を申請したことも注目を浴びた。

 アインシュタイン氏は、VXサービスの高度化に役立つハードウェアの例として、VRグローブ「HaptX Gloves DK 2」を挙げた。これは、1手当たり133の触覚フィードバックポイントによって、高精度な触覚コミュニケーションの実現を目指している。「視覚と聴覚を超えた、触覚がXRで実現可能になりつつある」と同氏。

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VRグローブ「HaptX Gloves DK 2」

【次ページ】VXを推進する技術(2):デジタルツイン

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