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  • 2022/05/11 掲載

メタバース集客のカギは「クリエイター」? サンリオのバーチャルフェスが成功したワケ

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フェイスブック(現メタ)が「メタバースファースト企業」への転身を志向し、VRやARコンテンツの開発に勤しむ日本企業が続出するなどネット上の巨大な仮想空間「メタバース」への関心が高まる。この「経済圏」や、早くも成功を収めたサンリオのバーチャルフェスなどの事例についてVRイベントを手がけるHIKKY Chief Sales Officerの角田 拓志氏、VR/AR/VTuber専門メディア Mogura代表取締役の久保田 瞬氏、テンセントジャパン Cloud Head of Solutionアーキテクト 付昂(ジミー)氏、三井物産 トランスリージョナルマネージャー 押尾 太一氏が語った。
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メタバースにおけるクリエイターの役割は?
(Photo/Getty Images)
本記事は、Tencent Japan、36Kr Japan主催の2021年12月に開催されたオンラインイベント「日中メタバース最前線~ビジネスの観点から見る展望」の講演内容をまとめたものです。

セカンドライフ隆盛時と現在のメタバースの決定的な違いとは?

 冒頭、三井物産の押尾 太一氏は、メタバースなどのバーチャル空間とリアルを結びつける「窓口」をテーマに据えた。テンセントは、日本国内ではゲーム会社としてのイメージが強いものの、中国ではミュージックやカラオケといったSaaSサービスを手がけており、さらにそれらのサービスを裏側で支えるPaaS、IaaSなどのビジネスを展開している。

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三井物産
トランスリージョナルマネージャー
押尾 太一氏(モデレーター)

 そして、強力なユーザー基盤として、コミュニケーションプラットフォーム「WeChat(微信:ウィーチャット)」を有している。「こうしたプラットフォームの存在が、バーチャル空間への窓口として機能しているのではないか」と押尾氏は指摘する。

 また、同氏は「たとえばセカンドライフが注目された時期には、バーチャル空間に入るために、ハイスペックのゲーミングPCが必要だった」と述べ、ユーザー、端末に依存していた環境をいかにオープンにするかが、メタバース利用のカギを握っていると主張する。さらに「プラットフォームからバーチャル空間にシームレスに移行できることは大きな武器になる」との見解を示した。

 その意見にHIKKYの角田 拓志氏も同調する。「セカンドライフのときは、ヘッドマウントディスプレイは30万~40万円するのが普通だった。現在は3万~4万円で入手可能になり、5Gなどの通信インフラやデバイスの進化もあり、よりアクセスしやすくなっている」と語る。さらに、ユーザビリティの面では「1クリックでバーチャル空間にアクセス可能な裏側のエンジンや、導線の作り方が出てきている」と述べる。

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HIKKY
Chief Sales Officer
角田 拓志氏

 さらに角田氏は「バーチャル空間の価値、楽しさとは『人と一緒にいられる双方向性』にある」と分析する。

「今後、バーチャル空間は、テクノロジーの観点、ユーザー体験の観点でも日進月歩の領域であるため、今後、多くの人にとって『入口が広く、中身が楽しい』世界を実現していけるだろう」(角田氏)

メタバースは「可視化できない楽しさ」がある

 続いて、メディアとしてバーチャル空間に関する啓発、情報発信を続けるMoguraの久保田 瞬氏は「オンラインでのイベントは、場の盛り上がりが見えない側面がある」と指摘する。

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Mogura 代表取締役
Mogura VR編集長
久保田 瞬氏

 たとえば、1000人の参加者があった場合、その場の盛り上がりはリアルのイベントであれば一目瞭然だ。一方、オンラインでは、視聴する側は一人で見ているため盛り上がりが可視化しにくい。つまり、「バーチャル空間では臨場感の演出が大きな課題だ」と同氏は説明する。

 また、久保田氏は、多くのユーザーがバーチャル空間にゲームで親しんだ経験を持っており、操作の感覚にも慣れている点に触れた。さらに、こうした体験をベースに、ゲームだけでなく、イベントなどのさまざまなサービスが生まれているという。現在のバーチャル空間には、消費を喚起して買い物ができるサービスなど「ワイワイ盛り上がりながら体験することができるサービスがある」(同氏)。

 しかし、そうした場の盛り上がりは、どうしても外からは見えにくい。メタバースは「アバターが自由に動き回ってゲームっぽいもの」という解釈をされやすいため、その先入観をいかに払拭できるかが重要なテーマだとの見解を示す。そして、メディアとしては、日々進歩を続けるバーチャル空間の動向を愚直に伝えることが大事だと語った。

 角田氏、久保田氏の話を受けて、押尾氏は「ビジネスの側面からは、誰にとって楽しいのか、マスなのかニッチなのかという面から見て、これまでの一部のニッチなターゲットから、どんどん利用者の裾野が広がっている印象を持っている」と述べた。

 続けて、サービス面、インフラ面の充実によって「バーチャル空間は一部の限られた人向けのサービスではなくなりつつある」と話した。

【次ページ】サンリオのバーチャルフェスが成功した理由
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