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  • 2022/04/08

ベゾスやMSも出資、BlocPowerの「グリーンレトロフィット」による革新

10年で100億ドル(約1兆2,000億円)を拠出する「ベゾス・アース・ファンド」やマイクロソフトによる10億ドル(約1,200億円)の環境テック投資イニシアチブ「Climate Innovation Fund」など、テック大手による環境投資が加速中だ。米ニューヨークでは、これらテック大手からの投資を受けたスタートアップ「BlocPower」が注目を集めている。同社は「グリーンレトロフィット」と呼ばれるアプローチで、建物からの二酸化炭素排出を削減している。どのようなアプローチなのか探ってみたい。

執筆:細谷 元

執筆:細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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「グリーンレトロフィット」とは? なぜ投資が集まっているのか?
(Photo/Getty Images)

ニューヨークの街をグリーン改造するスタートアップ

 今後10年で100億ドル(約1兆2,000億円)を拠出する「ベゾス・アース・ファンド」やマイクロソフトによる10億ドル(約1,200億円)の環境テック投資イニシアチブ「Climate Innovation Fund」など、テック大手企業による「環境投資」は年々拡大しつつある。

 こうしたテック大手による投資拡大に加え、行政による資金援助や法規制整備などにより、これまで難しいとされたビジネスを展開するスタートアップも増えている。

 ニューヨークを拠点とするBlocPowerはそんなスタートアップの1つといえるだろう。

 ベゾス・アース・ファンドから550万ドル(約6億6,000万円)、またマイクロソフトから3,000万ドル(約36億円)を調達、さらにファストカンパニーの「2022年最も革新的な企業ランキング」で4位にランクインするなど、最近、米メディアの注目を集める存在となっている。

 BlocPowerは、旧式の建物で利用されている古い暖房・冷房システムを高効率・低コストの新システムに入れ替えるリースサービスを展開するスタートアップだ。

 旧式の建物では、化石燃料をベースとする古い暖房・冷房システムが使われている。これらの古いシステムは、燃料効率が悪く、温室効果ガスの排出や空気汚染を引き起こす。

 BlocPowerによると、新システムに入れ替えることで、旧式建物であってもエネルギーコストを30~50%削減、また温室効果ガス排出を40~70%削減できるという。

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スタートアップによる環境ビジネスはこれまで難しいとされてきたが…

BlocPowerの実績

 同社はすでにニューヨーク市で、1200棟以上の建物に新システムを導入。内訳は、多世帯集合住宅が800棟、一軒家が250戸、礼拝所・小規模企業オフィスが100軒以上。

 この実績により、ニューヨーク・イサカが実施する2030年までにカーボンニュートラルを達成するプロジェクトへの参加も決まった。イサカのプロジェクトでは、第1フェーズとしてまず住宅を含め計1600棟の建物に新システムを導入する予定という。

 現在ニューヨークのほか、カリフォルニア、マサチューセッツ、ジョージアなど他の都市での展開も計画している。

 米国では、多くの建物で化石燃料ベースの暖房・冷房システムが使われている。住宅用建物から排出される二酸化炭素は、年間9億立方トンと、交通セクター、産業セクターに次ぐ3番目の規模。BlocPowerは、今後10年で住宅セクターからの二酸化炭素排出を25%削減できると見込んでいる。

【次ページ】スマート/サステナブルビルディングをめぐる議論

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