• 2025/12/10 掲載

ロート製薬、マルチAIエージェントでサプライチェーン最適化へ

仮想サプライチェーンを用いた検証で、物流コスト最大約30%削減も

ビジネス+IT

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ロート製薬は、富士通が開発した「マルチAIエージェント連携」技術と東京科学大学との共同研究成果であるサイバーフィジカルシステム(CPS)を活用し、サプライチェーン全体の効率化および業務負荷軽減を目的とする実証実験を2026年から開始する。仮想検証では輸送コストを最大30%削減できる可能性を確認している。
ロート製薬は2025年12月1日、医薬品や化粧品など多様な製品を扱う同社のサプライチェーンの複雑化に対応するため、富士通が開発した「マルチAIエージェント連携」技術および東京科学大学と共同で整備してきたサイバーフィジカルシステム(CPS)を組み合わせ、サプライチェーン管理の高度化に向けた実証実験を開始すると発表した。

この取り組みでは、従来、人手で調整していた「仕入先 → 工場 → 倉庫 → 物流 → 小売先」といった複数企業/拠点間の在庫管理や配送手配、生産スケジュール、在庫補充などの業務を、各企業ごとに導入されたAIエージェントが自律的に判断・交渉しながら連携することで、サプライチェーン全体の「最適化」と「効率化」を目指す仕組みを採用する。



具体的には、以下のような領域での改善を狙う、工場間・倉庫間の輸送ルートや搬送計画の最適化 、出荷拠点や代理店在庫のリアルタイム補充判断、生産スケジュールやリソース配分の自動最適化 、災害・需要変動時のリカバリー対応およびシミュレーション

このマルチAIエージェント連携技術は、複数企業のAIがセキュアな通信手段を通じて最低限の情報共有のみで協調動作できるよう設計されており、各社の機密情報を直接共有せずに全体最適化を可能とする「分散型AI学習」と「セキュアエージェントゲートウェイ」を備えている。

富士通と東京科学大学による仮想のサプライチェーンを用いた検証では、物流コスト(運搬コスト)の最大約30%削減という効果を確認しており、これを踏まえロート製薬は2026年1月から2027年3月にかけて、自社の実際のサプライチェーンでの実運用に近い形での実証試験を予定している。

ロート製薬側は、この取り組みによって人手不足や複雑化による業務負荷を軽減し、過剰在庫や欠品の削減、物流効率向上、CO?排出削減などの環境・サステナビリティ面での効果も期待している。

また、この技術は製薬業界にとどまらず、一般的な製造業や流通業など、複数企業からなるサプライチェーンを持つ業界全体への水平展開を視野に入れており、分散AI連携による「業界横断的なサプライチェーン最適化」の先行モデルになる可能性がある。

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