- 2022/07/11 掲載
EY新日本とFractaなど、AIを活用した下水道管路劣化予測手法を構築
・AI活用予測で、劣化予測下水道管路は従来より約80%減少、交換優先順付が容易に。
・劣化診断精度の向上により管路のテレビカメラ調査費用の約75%が削減できる可能性が示唆された。
EY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区、理事長:片倉正美、以下「EY新日本」)およびEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤聡、「以下EYSC」)、Fracta(米国カリフォルニア州、CEO:岡田英樹)、Fracta Japan 株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:伊藤陽子、以下「Fracta Japan」)の4社は、国土交通省の令和3年度下水道応用研究に採択された「AIによる下水道管路破損予測、財政効果の見える化 ならびにストックマネジメント、アセットマネジメントの高度化 に関する調査業務」を共同実施し、成果がまとまりましたのでお知らせします。
日本の下水道施設では、下水道管の老朽化に伴う陥没事故の発生や、将来の更新費用増大が課題となっており、劣化状況の把握や管路更新計画の立案、投資費用の削減(いわゆるストックマネジメント)が急務となっています。
本業務では滋賀県大津市企業局の協力を得て、日本初となるAI(人工知能)/・機械学習を活用した下水道管の劣化予測技術の確立を目指すとともに、今後の更新費用が財政に与える影響の見える化を検討しました。
■研究結果の要旨
・ 上水道分野で実績のあるAIアルゴリズムを下水道分野に適用し、下水道に特化した管路劣化予測AIアルゴリズムを確立した。
・ モデル都市(大津市)における下水道管路の劣化予測精度について、AIを用いた劣化予測は、直近2年間に発生した腐食について、従来手法の半分以下の調査で発見できることが明らかとなった。
・ 従来型の布設年度からの経過年数のみを変数とした管路劣化予測式を用いた場合、50年間で213キロメートルのコンクリート管について更新が必要と推計されていたが、今回のAIによる予測手法では、50年間で劣化すると予測されたコンクリート管は累計45キロメートルとなり、従来手法よりも劣化予定の管路は大幅に減少した。これにより、交換優先順付が容易になることがわかった。
・ 本技術による財政効果の見える化を実施した。その結果、劣化診断精度の向上により、ストックマネジメントの維持管理費用(管路のテレビカメラ調査費用)の約75%が削減できる可能性が示唆された。
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