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  • 2023/02/20 掲載

【4月から】自動運転「レベル4=無人運転」解禁で何が変わる? 主戦場は「地方」のワケ

連載:MaaS時代の明日の都市

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2023年4月1日に改正道路交通法が施行される。これにより自動運転「レベル4」の公道走行が解禁され、限定された領域であれば、すべての運転をシステムに委ねることができ、無人運転も可能になる。モビリティシーンにおいては大きな変化と言えるが、実際は何がどのように変わるのだろうか。すでに自動運転に取り組む事例をもとに、今後の展開を予測してみよう。

モビリティジャーナリスト 森口 将之

モビリティジャーナリスト 森口 将之

1962年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、出版社編集部を経て1993年にフリーランスジャーナリストとして独立。国内外の交通事情・都市事情を取材し、雑誌・テレビ、ラジオ・インターネット・講演などで発表。2011年には株式会社モビリシティを設立し、モビリティやまちづくりの問題解決のためのリサーチ、コンサルティングを担当する。著書に『MaaSが地方を変える 地域交通を持続可能にする方法』『MaaS入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略』『これから始まる自動運転 社会はどうなる!?』『富山から拡がる交通革命』『パリ流環境社会への挑戦』など。

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実証実験中の自動運転バスの車内
(写真:筆者撮影)

自動運転レベル4とは? 何ができるのか

 自動運転に0から5までのレベル分けがあることは、知っている人もいるだろう。簡単に説明すると、運転操作の主体が「人かシステムか」や走行領域によって以下のようにレベル分けされている。

自動運転のレベル分け
レベル 名称 運転操作の主体 走行領域
0 運転自動化なし -
1 運転支援 限定的
2 部分運転自動化 限定的
3 条件付き運転自動化 システム 限定的
4 高度運転自動化 システム 限定的
5 完全運転自動化 システム 限定なし
(出展:国交省「自動運転のレベル分けについて」などを基に編集部作成)

 現在一部の乗用車が搭載している先進運転支援システム(ADAS)はレベル2で、運転支援という表現のとおり、運転主体は人間だ。その上のレベル3では、限られた領域で運転主体が人間からセンサーやAI(人工知能)などから成るシステムに変わるものの、システムが交代を要請した際には人間が運転をしなければならない。

 2023年4月1日から解禁となるレベル4は、限定された領域であることはレベル3と同じであるものの、すべての運転操作をシステムが行うという違いがある。遠隔監視者がいれば、ドライバーがいない無人運転も可能になる。

 この内容を含んだ道路交通法の改正案は、2022年4月に衆議院で可決された。改正案ではドライバーがいないレベル4相当の自動運転を「特定自動運行」と定義して、従来の運転の定義には該当しないものと位置づけ、新たに許可制度を創設するという。


ドイツ、米国で同様の動き

 こうした動きは日本以外でもある。たとえばドイツでは2021年、やはり道路交通法の改正案が閣議決定され、特定分野に限定して公道でのレベル4を可能にするという通称「自動運転法」が、同年度内に施行された。

 ここではレベル4が可能な分野として、シャトル交通サービス、自動運転ミニバス、ラストワンマイルの移動や物流などを挙げている。


 米国でも2022年3月に自動車の安全基準を修正しており、ハンドルなどの手動制御機能がない車両に義務付けられる安全基準を明文化した。

 前の月にゼネラルモーターズ(GM)が、子会社のクルーズ、本田技研工業(ホンダ)と共同開発する自動運転車「オリジン」の生産および商用サービス展開を申請しており、この要請に対応したものと言われている。

画像
クルーズ・オリジン導入イメージ。次ページ以降でレベル4時代を担う車両の写真を多数掲載
(出典:ホンダ報道発表資料)

 つまり、日米独で導入が計画されているレベル4のルールは、いずれも移動サービスを主眼に置いたもので、マイカー(自家用車)を対象としたものではないことは、頭に入れておいていただきたい。

【次ページ】なぜマイカーではなく移動サービスなのか? 覆された「公共交通不要論」

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