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- 2023/02/20 掲載
【4月から】自動運転「レベル4=無人運転」解禁で何が変わる? 主戦場は「地方」のワケ
自動運転レベル4とは? 何ができるのか
自動運転に0から5までのレベル分けがあることは、知っている人もいるだろう。簡単に説明すると、運転操作の主体が「人かシステムか」や走行領域によって以下のようにレベル分けされている。自動運転のレベル分け | |||
レベル | 名称 | 運転操作の主体 | 走行領域 |
0 | 運転自動化なし | 人 | - |
1 | 運転支援 | 人 | 限定的 |
2 | 部分運転自動化 | 人 | 限定的 |
3 | 条件付き運転自動化 | システム | 限定的 |
4 | 高度運転自動化 | システム | 限定的 |
5 | 完全運転自動化 | システム | 限定なし |
現在一部の乗用車が搭載している先進運転支援システム(ADAS)はレベル2で、運転支援という表現のとおり、運転主体は人間だ。その上のレベル3では、限られた領域で運転主体が人間からセンサーやAI(人工知能)などから成るシステムに変わるものの、システムが交代を要請した際には人間が運転をしなければならない。
2023年4月1日から解禁となるレベル4は、限定された領域であることはレベル3と同じであるものの、すべての運転操作をシステムが行うという違いがある。遠隔監視者がいれば、ドライバーがいない無人運転も可能になる。
この内容を含んだ道路交通法の改正案は、2022年4月に衆議院で可決された。改正案ではドライバーがいないレベル4相当の自動運転を「特定自動運行」と定義して、従来の運転の定義には該当しないものと位置づけ、新たに許可制度を創設するという。
ドイツ、米国で同様の動き
こうした動きは日本以外でもある。たとえばドイツでは2021年、やはり道路交通法の改正案が閣議決定され、特定分野に限定して公道でのレベル4を可能にするという通称「自動運転法」が、同年度内に施行された。ここではレベル4が可能な分野として、シャトル交通サービス、自動運転ミニバス、ラストワンマイルの移動や物流などを挙げている。
米国でも2022年3月に自動車の安全基準を修正しており、ハンドルなどの手動制御機能がない車両に義務付けられる安全基準を明文化した。
前の月にゼネラルモーターズ(GM)が、子会社のクルーズ、本田技研工業(ホンダ)と共同開発する自動運転車「オリジン」の生産および商用サービス展開を申請しており、この要請に対応したものと言われている。
つまり、日米独で導入が計画されているレベル4のルールは、いずれも移動サービスを主眼に置いたもので、マイカー(自家用車)を対象としたものではないことは、頭に入れておいていただきたい。
【次ページ】なぜマイカーではなく移動サービスなのか? 覆された「公共交通不要論」
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