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- 2023/04/12 掲載
ChatGPTの類似サービス・競合20製品まとめ、凄まじき「特化型生成AI」の進化
細谷 元
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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700社以上存在する「テキストベースのジェネレーティブAI市場」
ChatGPTの登場で、ジェネレーティブAI(または生成AI)への関心が爆発的に高まっている。Statistaのまとめによると、ChatGPTが登場した2022年11月からグーグル検索における「ジェネレーティブAI」への関心が徐々に高まり、関心度合いの指数は2023年2月に過去最高となったことが判明した。現在、ChatGPTがジェネレーティブAIの代表格のような存在となっているが、ジェネレーティブAI市場には多種多様なプレーヤーがおり、ジェネレーティブAI認知の高まりとともに、今後競争が激しくなることが予想される。
ChatGPTは、チャット、文章生成、翻訳、コーディングなどさまざまなタスクをこなす万能型のAIツールだが、市場にはそれぞれのタスクを専門とする特化型AIツールが多数ひしめき合っている。Venturebeatの市場分析によると、画像系を除くテキストベースのジェネレーティブAI企業だけでも700社以上あるという。
専門用語や文脈を理解する「翻訳特化型ジェネレーティブAI」
ChatGPTの主要機能の1つとして翻訳が挙げられる。最近、有料ユーザー向けにリリースされた新しいモデルGPT-4では、多言語能力が既存のGPT-3.5に比べ大幅に向上したことが報告されており、それに伴い翻訳精度も向上したことが示唆される。専門的ではない一般的な利用シーンでは、ChatGPTやグーグル翻訳の利用が想定されるが、専門分野では翻訳特化型のAIツールが優位に立つ可能性があり、実際ビジネス、法律、医療、学術分野などで利用されている。
翻訳特化型AIツールの強みの1つが、各分野における専門用語や文脈を理解する能力だ。
たとえばModernMTは、ニューラルマシン翻訳技術によって「ドキュメントレベルの翻訳」と「フィードバックによる改善」を可能にする翻訳AIツールを提供している。
一般的な翻訳ツールは、単語レベルやセンテンスレベルで翻訳するため、長い文章になると、単語やセンテンスが文章全体の中で意味をなさなくなることが多々発生する。一方、ModernMTの翻訳AIは、まず文章全体と分野を把握した上で、文脈に沿って単語やセンテンスを翻訳するため、全体的に意味の通じる翻訳文章を生成することが可能となるのだ。
文脈に沿った精度の高い翻訳ができるため、法律や医療のほか、ウェブサイトのローカライズなどでも利用されている。ModernMTのウェブサイトによると、オンライン民泊大手Airbnbがウェブサイトのローカライゼーションで、ModernMTの翻訳AIを活用したという。
翻訳AI分野ではこのほかにも、Taia.io、Textunited、Smartling、Phraseなど多数のプレーヤーが存在している。 【次ページ】「ジェネレーティブAI」が拡大中の残り3分野
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